貸倒損失における税務上の取扱い 【第38回】「法人税基本通達改正の歴史⑦」
昭和54年度から昭和55年度の間には、法人税基本通達等の総点検が行われており、第一次分は昭和54年10月18日付直法2-31通達、第二次分は昭和55年5月15日付直法2-8通達、第三次分は昭和55年12月25日付直法2-15通達として公表されている。
このうち、子会社支援損失についての通達は第二次分として新設され、貸倒損失についての通達は第三次分として改正されている。
本稿では、これらの通達のうち、第二次分の改正である子会社支援損失について解説を行う。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第21回】「裁決例①」
第21回目から第29回目までにおいては、重要な裁決例についていくつか取り上げることとする。
本号においては、M&Aの世界では一般的に想定される話であるが、条件不成就により、有価証券の譲渡代金の返還として受領した金員が、損害の補てん金なのか、売買代金の返還なのかが争われた事件について解説を行う。
山本守之の法人税“一刀両断” 【第8回】「大学(簿記学校等)の法人税教育の問題点」
政府は、法人税率引下げの財源として、受取配当についての課税割合を次のように改正しました。
法人の受取配当金益金不算入の理由について、簿記学校や大学の「税務会計」の講座を持っている教授は、法人税の性格から説明しているようです。
[平成27年3月期]決算・申告にあたっての留意点 【第4回】「貸倒引当金の経過措置等その他の留意点」
平成23年度税制改正により、以前は大法人にも認められていた貸倒引当金は、一部の中小法人等及び一部業種の法人等(金融保険業等を営む法人、リース業を営む一定の法人等)を除いて、損金算入が認められないこととなった。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例23(法人税)】 「持株会社が関係会社から受ける配当に係る源泉所得税につき、完全支配関係であることから、所得がなければ全額還付になると説明して配当を実行させたが、配当計算期間中3ヶ月しか株式を所有していなかったため、按分計算により2分の1しか還付を受けることができなかった事例」
税理士は被害者法人と関与先法人は完全支配関係のため受取配当金は全額益金不算入となり、被害者法人は他に所得がないことから、申告書上欠損金が発生し、受取配当金に係る源泉所得税が全額還付になると説明していた。しかし、実際には関与先法人株式の配当計算期間中3ヶ月しか同社株式を所有していなかったため、按分計算により2分の1しか還付を受けることができなかった。
貸倒損失における税務上の取扱い 【第37回】「法人税基本通達改正の歴史⑥」
昭和29年度に公表された「売掛債権の償却の特例等について(昭和29年7月24日直法1-140)」と題する通達については、実質的な部分貸倒れとして債権償却引当金を認めるものであり、平成10年度税制改正まで債権償却特別勘定と名称を変えながらも、その取扱いは継続していた。
本稿においては、昭和55年改正前法人税法における部分貸倒れの議論について解説を行うこととする。
経理担当者のためのベーシック税務Q&A 【第24回】「リースか購入か」
当社は資本金額1,000万円の食料品製造業を営む内国法人(3月決算)です。コピー・FAX・スキャナー機能付の複合機の導入を検討していますが、リースにするか、購入するか迷っています。どのように検討すればよいのか、メリットとデメリットについて教えてください。
[平成27年3月期]決算・申告にあたっての留意点 【第3回】「所得拡大促進税制の適用要件緩和・研究開発税制の拡充」
平成26年度税制改正における改正事項を中心として、平成27年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。第2回は、「生産性向上設備投資促進税制」と、「中小企業投資促進税制の上乗せ措置」について解説した。
第3回は、「所得拡大促進税制の適用要件緩和」と「研究開発税制の拡充」について、平成27年3月期決算において留意すべき点を解説する。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第20回】「旧商法時代の子会社株式消却による払戻金②」
本事件における概要は、新聞報道により事前に報道されていたため、おおむね予想通りの判決になったというのが率直な印象である。
時価以外の値段で株式消却を行うということについては、税理士の共通認識として否認リスクが高いということは従来からも言われており(*1)、また、本事件のうち、無償消却を行った部分については、被告の主張にもあるように、増資を行った後に無償消却を行っているが、増資後の有価証券評価損を否定した法人税基本通達9-1-12の趣旨に反することから、寄附金として処理されてしまう基本的な考え方については、控訴審、上告審においても否定すべきではないと考えられる。