〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第52回】「事前確定届出給与の判定単位と届出書の記載誤り」
当社は事前確定届出給与の制度を活用し、役員に対し、従業員への賞与支給時期に合わせて夏季・冬季と2度の支給を毎年行っています。
ここで、当社は9月決算であり、役員の職務執行期間中である12月に冬季賞与を、翌年7月に夏季賞与を事前確定届出給与として支給する旨を記載した届出を行ったところ、期中に業績が悪化したため、夏季賞与について減額することを検討しています。
また、今回決議した支給額ではない額を届出書に記載して提出してしまいました。
これらの場合における、税務上の取扱いを教えてください。
基礎から身につく組織再編税制 【第55回】「適格株式分配を行った場合の申告調整」
今回は、適格株式分配を行った場合の申告調整について具体例を用いて解説します。
〈徹底分析〉租税回避事案の最新傾向 【第11回】「株式交付」
『令和3年度税制改正の解説』664頁では、株式交付が現物出資の一形態であることから、包括的租税回避防止規定(法法132の2)の対象になることが明記されている。そもそも株式交付が現物出資の一形態であるということに疑問はあるものの、実務上は、包括的租税回避防止規定の対象になり得るという整理がなされている。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例54】「貸付金に係る貸倒損失の損金算入時期」
私は、中部地方のある県庁所在地において医薬品の卸売業を営む株式会社X(資本金1億円)に勤務し、現在経理部長を務めている者です。医薬品の販売は、近年、全国的に大手のドラッグストア(その多くが上場企業)とその系列の薬剤師が常駐し処方箋を扱う薬局(調剤薬局)が大きなシェアを握っております。
ドラッグストアは元々調剤を行わずに、一般用医薬品(風邪薬などの薬剤師の関与がなくとも購入できる医薬品)を扱う小売店でしたが、近年では単にそれにとどまらず、化粧品やトイレットペーパー、洗剤といった日用品や菓子、食料品を安価に販売することで、いわば「医薬品を扱うスーパーマーケット」という位置づけで都市部の消費者の支持を獲得し、M&Aを繰り返すことで急成長していった業態であると考えられます。
そのような中、わが社の取引先である独立系の中小の薬局は、年々ジリ貧で経営状態が厳しくなっている状況です。わが社は戦前の創業で、戦後の高度成長期には急速に事業を拡大させたこともあって過去の剰余金が資本として蓄積しており、比較的余剰資金があるといえます。そのため、取引先から緊急の融資を依頼されることもままあり、当社も「取引先とともに成長する」という社是を守る社長の判断で、それに応じることがあります。しかし、この判断の多くは裏目に出て、大半の融資は回収できない事態に陥りました。仕方なく、ギリギリまで回収努力を行った上で、やむを得ず貸倒損失を計上しました。
〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第45回】「別表6(26) 給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除に関する明細書」及び「別表6(26)付表一 給与等支給額及び比較教育訓練費の額の計算に関する明細書」
今回は、実務でも適用する企業が多いと思われる、いわゆる「賃上げ促進税制」のうち中小企業向けの記載の仕方を取り上げる。
令和5年度税制改正では、当該制度内容の改正は行われていないが、別表番号がそれぞれ「6(31)、6(31)付表一」から「6(26)、6(26)付表一」に変更され、「連結事業年度」の文言が削除されている。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第51回】「代表取締役一任決議と形式基準」
当社は、株主総会で役員報酬の支給総額のみを定め、各役員の支給額は「代表取締役に一任する」旨の決議を行っています。
これは、過大役員給与の判定における形式基準において、何か問題でしょうか。
令和5年度税制改正における『グループ通算制度』改正事項の解説 【第5回】
清算中の通算子法人につきその残余財産が確定した場合、その通算子法人は、その残余財産の確定の日の翌日において、通算承認の効力が失われることとなる(法法64の10⑥五)。
そして、その通算子法人は、その通算事業年度開始の日からその残余財産の確定の日までの期間を最終事業年度(残余財産確定事業年度)として法人税及び地方法人税、住民税、事業税の確定申告書を提出することとなる。
令和5年度税制改正では、次のように、残余財産が確定した通算子法人の確定申告書の提出期限の見直しが行われている。
基礎から身につく組織再編税制 【第54回】「非適格株式分配を行った場合の現物分配法人、現物分配法人の株主の取扱い」
今回は、非適格株式分配を行った場合の現物分配法人、現物分配法人の株主の取扱いについて解説します。
〈徹底分析〉租税回避事案の最新傾向 【第10回】「分割型分割による株式譲渡損の創出」
被買収会社の株主が内国法人である場合には、みなし配当が生じたとしても受取配当等の益金不算入を適用することができる。そのため、下図のような非適格分割型分割を利用する手法も考えられる。