〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第42回】「特別償却の付表(15) 特定事業継続力強化設備等の特別償却の償却限度額の計算に関する付表」
今回は、近年の自然災害が頻発している状況下において、サプライチェーンや地域の雇用等を支える中小企業及び小規模事業者の事業継続力を強化し、防災・減災設備への投資を促す観点から、平成31年(令和元年)度の税制改正により導入されたいわゆる「中小企業防災・減災投資促進税制」における「特別償却の付表(15) 特定事業継続力強化設備等の特別償却の償却限度額の計算に関する付表」の記載の仕方を採り上げる。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第6回】「M&A後の出向に係る税務上の留意点」
当社は成長戦略の一環で、M&Aを活用して事業を拡大しています。M&Aの終了後、新たに子会社となった対象会社へ従業員を出向させ、現場の役員として指揮・管理を担わせます。これはグループ全体の業務効率化と経済活動の活性化を狙いとするものです。
また、従業員を出向させた際、当社は相手先企業から出向負担金を受け入れます。この場合の留意点を教えてください。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第12回】
法人税法22条2項は、当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、「資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引」で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額としている。
「資産の譲渡又は役務の提供」の前には「有償又は無償による」という語が置かれている。「資産の販売」の前には「有償による」という語が置かれていないものの、棚卸資産の譲渡としての「資産の販売」を意味していると解されることから、また、「販売」という語が与える語感からしても、ここでいう「資産の販売」は有償であることを当然の前提としていると解される。
「特定事業継続力強化設備等の特別償却(中小企業防災・減災投資促進税制)」の解説 【第2回】「事業継続力強化計画に係る認定手続」
令和元年度(平成31年度)税制改正において、「特定事業継続力強化設備等の特別償却制度」(いわゆる中小企業防災・減災投資促進税制)が創設された。本連載では、本税制の概要や手続等について解説する。
本税制を適用するためには、中小企業強靭化法に基づく「事業継続力強化計画」又は「連携事業継続力強化計画」の認定を受けた上で設備投資を行う必要がある。そこで【第2回】では、中小企業強靭化法に係る諸手続について解説する。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例9】「減価償却資産の判定単位」
私はある語学教室(株式会社)で英語部門を統括しております。私の勤務する語学教室では、近年、ICTを用いた語学教育に注力しており、特に受講生が多い英語部門では、タブレット端末を用いた双方向性の教育システムを導入しております。
昨年度もあるシステム会社の提案を受け、3教室分のタブレット端末計150台を一新しました。その際、それまで使用していたタブレット端末計150台は使用開始して2年も経過していませんでしたが、CPUや液晶画面の性能が新しい端末に劣るため、思い切って全台廃棄処分としました。
廃棄処分したタブレット端末計150台は、1台当たりソフトウェア込みで9万円でしたが、10万円未満であるため、経理と相談のうえ、わが社の法人税の申告においては、すべて少額減価償却資産に該当するものとして、取得年度において損金経理し、全額損金に算入しました。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第11回】
法人税法22条の2第1項の要件と法律効果を整理した上で、22条2項と比較することで、22条の2第1項の規範内容に対する理解を深めてみたい。
条文に定められている要件をどこで区切り、どのように整理するかという点は論者によって異なりうる。ここでは、法人税法22条の2第1項について、「要件を定めている部分」と「法律効果を定めている部分」を次のように分けた上で、整理してみよう。すると、何が見えてくるであろうか。
「特定事業継続力強化設備等の特別償却(中小企業防災・減災投資促進税制)」の解説 【第1回】「特別償却の適用要件」
平成30年は地震や豪雨などの災害によって、全国で大きな被害が発生した。近年、このような大規模な自然災害が多発しており、中小企業の事業継続に大きな影響を与えている。
そこで、自然災害に対する中小企業の防災・減災対策を促進するため、「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律(中小企業強靭化法)」が令和元年7月16日に施行された。
令和元年度(平成31年度)税制改正における「みなし大企業」の範囲の見直しについて 【第2回】「令和元年度税制改正における範囲の見直し」
「大規模法人」の範囲に、以下の法人が追加された(措令27の4⑫一)。
この改正により、大規模法人の範囲に「大法人」経由の法人群が加わったことによって、グループ法人税制の適用を受ける法人はすべて「大規模法人」に該当することとなり、法人税法上の規定との整合性が図られた(下図参照)。
