〔令和元年度税制改正〕 仮想通貨に関する法人税制のポイント 【第1回】「譲渡損益及び取得価額の算定方法」
仮想通貨に関する会計・税務において、会計の面では2018年3月にASBJから「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」が公表されましたが、税務の面では法律による定めはなく、2018年11月に国税庁から公表された「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」等をもとに実務が行われてきました。
令和元年度(平成31年度)税制改正では、これら国税庁資料で示されていた仮想通貨の譲渡損益の計算方法等が、所得税、法人税ともに税法上規定されました。本連載では、今年度改正で整備された仮想通貨に関する規定のうち法人税の関係について、そのポイントを2回にわたって解説します。
〈検証〉TPR事件 東京地裁判決 【第3回】
まず、平成22年度税制改正のうち、適格現物分配(法法62の5)と残余財産の確定に伴う繰越欠損金の引継ぎ(法法57②)について触れることとする。
適格現物分配では、現物分配による事業の移転を想定せず、完全支配関係内の適格現物分配のみ規定されているという特徴がある(『平成22年版改正税法のすべて』211頁参照)。そのため、支配関係が生じてから5年以内の適格現物分配に対しては、みなし共同事業要件が認められていない。さらに、「事業を移転しない適格分割若しくは適格現物出資又は適格現物分配」について、繰越欠損金の使用制限、特定資産譲渡等損失額の損金不算入の特例計算が定められており(法令113⑤~⑦、123の9⑨~⑪)、事業を移転しない適格組織再編成が存在することが明らかにされている。
〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第43回】「別表6(1) 所得税額の控除に関する明細書」
本連載では、法人税申告書のうち、税制改正により変更もしくは新たに追加となった様式、実務書籍への掲載頻度が低い様式等を中心に、簡素な事例をもとに記載例と書き方のポイントを解説していく。
今回は、本連載【第2回】で採り上げた後に様式の改正があった「別表6(1) 所得税額の控除に関する明細書」の記載の仕方をあらためて採り上げる。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第15回】
上述のとおり、法人税法は、22条の2第1項を創設することによって、(企業会計や会社法会計がどうであれ)収益の計上時期を決する原則的な定めとして引渡・役務提供基準を採用することを宣明するに至ったという理解がありうる。ただし、法人税法22条の2第2項が公正処理基準準拠要件や確定決算主義を採用していることにより、近接日基準という狭い領域内ではあるものの、2項の適用場面においては、企業会計や会社法会計の処理の影響を受けることは否定できない。
〈検証〉TPR事件 東京地裁判決 【第2回】
東京地裁では、争点1として「特定資本関係が合併法人の当該合併に係る事業年度開始の日の5年前の日より前に生じている場合に法人税法132条の2を適用することができるのか否か」、争点2として「本件合併が法人税法132条の2にいう『法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるもの』に当たるか否かがそれぞれ争われている。
〈検証〉TPR事件 東京地裁判決 【第1回】
TPR事件とは、平成22年3月1日に行われた適格合併による繰越欠損金の引継ぎに対して、包括的租税回避防止規定が適用された事件である。本事件では、平成24年7月27日付けで、平成22年3月期の確定申告について更正処分を受けていたにもかかわらず、平成27年6月26日付でもう一度更正処分を受けているが、このように同じ事業年度の確定申告について2回も税務調査を受けることは稀である。
基礎から身につく組織再編税制 【第9回】「適格合併を行った場合の合併法人の取扱い」
被合併法人が適格合併により、合併法人にその有する資産・負債の移転をしたときは、最後事業年度終了時の帳簿価額による引継ぎをしたものとされるため、合併法人が受け入れる資産・負債の取得価額は、被合併法人における最後事業年度終了時の「帳簿価額」となります(法法62の2、法令123の3)。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第7回】「社会保険料削減のための事前確定届出給与利用の是非」
当社は、経営コンサルタントから「役員の社会保険料を削減するために事前確定届出給与を利用しましょう」という指導を受けました。
そのコンサルタント曰く、この社会保険料削減スキームに難色を示す税理士が多いとのことで、事前にコンセンサスを得ておいてほしいとのことです。
このようなスキームで社会保険料を削減するという行為に、税務上の問題はあるのでしょうか。
収益認識会計基準と法人税法22条の2及び関係法令通達の論点研究 【第14回】
これまで見てきたとおり、法人税法22条の2第1項は、資産の販売等に係る収益の額について、引渡・役務提供基準を採用している(本連載第10回参照)。これに対して、法人税法22条の2第2項は、資産の販売等に係る収益の額について、確定した決算における収益経理など一定の要件を満たした場合には、1項の規定にかかわらず、近接日基準の採用を認める。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例10】「賃貸用マンションのリフォーム費用の損金性」
私は都内で父親から引き継いだ賃貸マンションを経営しております。当該賃貸マンションは、現在、顧問税理士の勧めで、私が代表を務める不動産管理会社が所有しております。
さて、当該賃貸マンションは築年数が既に20年を経過しており、近隣の同規模のマンションと比較すると、内部の設備の陳腐化が目立っておりました。そこで、今般居室内の台所及び浴室を全面リフォームし、新たに最新鋭のシステムキッチン及びユニットバスに交換いたしました。これは、当該マンションの居住用機能を回復させるために必要不可欠な工事であると認識しており、不動産管理会社の法人税の申告においては、その際要した工事費を全額修繕費として損金に算入しております。
ところが、先日管理会社において受けた税務調査で、調査官から「今回のリフォームは既存の台所及び浴室を解体し、新たにシステムキッチン及びユニットバスに交換したもので、当該取替費用は、通常必要と考えられる修繕に係る費用とは認められず、賃貸マンションの建物自体の価値を高めるものであるから、資本的支出に該当する。したがって、修繕費としての損金算入は認められない」と言い渡されました。
