現在の公的年金制度は、少子高齢化と連動させて受給できる年金額を削減することにより財政のバランスを保つ仕組みになっている。今回の財政検証結果を読み解くにあたっても、私たちは「将来、受給できる年金がどこまで減るのか」を見ることになる。特に、将来のモデル世帯の年金水準が、法律で決められた下限(現役世代の平均手取り収入の50%)を超えているかどうかが、判断のポイントとなる。

公的年金制度には、多くの方に安心を提供し、老後の生活を支えるという役割があることから、年金制度は、長期間にわたって財源を維持し、財政のバランスがとれるように運営していくことが不可欠である。
現在の日本の公的年金は、年金支給のために必要な財源をその時々の保険料収入から用意する「賦課方式」で運営されており、現役世代が納めた保険料は、そのときの年金受給者への支払いに充てられている。

平成24年の通常国会において、社会保障と税一体改革関連法案8法が可決され、「年金機能強化法」と「被用者年金一元化法」が成立した。
年金財政の持続可能性の確保のため、税制抜本改革により確保される安定財源によって、平成26年度から基礎年金国庫負担1/2が恒久化される見通しになった。また、「被用者年金一元化法」の成立により、長年の懸案であった被用者年金の一元化が平成27年10月1日に実施されることにより、年金の官民格差が是正される見通しとなった。
このことから、抜本的な年金改革に向けて、これまで進まなかった改革項目に一定の決着がつき、一歩前進する見通しとなったことは評価できる。

国民年金法が成立し「国民皆年金」が実現してから50余年、私たちを取り巻く社会状況は大きな変化に直面している。予想をはるかに上回る速度で少子高齢化が進み、労働力人口が減少するとともに、経済の低成長時代が続いている。
1970(昭和45)年頃は1人の高齢者(65歳以上)を8.5人の現役世代(20~64歳)で支える、“胴上げ型”の社会であったが、現在は高齢者1人を3人で支える“騎馬戦型”、そして2050年頃には高齢者1人を1人で支えなければならない“肩車型”になるといわれている。
本連載では全4回にわたって、公的年金制度の過去・現在・未来を考えていく。

一定の短時間労働者は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入することができなかったが、社会保険の適用除外者を明確にすることにより、短時間労働者の適用拡大が図られる。

「社会保障と税の一体改革関連法」の成立に伴い「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律(年金機能強化法)」が公布(平成24年8月22日)されている。
施行日は改正内容によって異なるが、一部は平成26年4月1日から施行される。

特定受給者については、平成30年3月31日(特定保険料納付期限日)までの間、老齢給付に関する規定を適用する場合において、時効消滅不整合期間を保険料納付済期間とみなすこととされた。
このため、平成30年3月31日までの間は、不整合記録の訂正がなされる前と同等の年金額が受給できる。

国民年金の年金記録において、実態は第1号被保険者であったにもかかわらず、第3号被保険者のままとなっている記録(以下「不整合記録」といい、その記録に関する期間を「不整合期間」という)の問題への対応策として、不整合期間に係る特例等を定めた「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」(平成25年法律第63号)が、平成25年6月26日に公布され、平成25年7月1日から施行されている。

Copyright ©2012- Profession Network Co.,Ltd. All Rights Reserved.

Scroll to top
Go to home