monthly TAX views -No.67-「来年度税制改正の課題」-所得相応性基準の議論-
平成29年度与党税制改正大綱には、移転価格税制の分野で、「BEPSプロジェクトで勧告された所得相応性基準の導入等必要な見直しを検討すること」とされている。また、続く平成30年度税制改正大綱においても、所得相応性基準については「諸外国の制度や運用実態等を踏まえて検討を進めること」と記載された。
「所得相応性基準」とは、無形資産の移転価格に係るルールであり、移転時に成功するかどうか予測が難しい「評価困難な無形資産(HTVI:Hard-To-Value Intangibles)」について、事後の取引結果を用いて価格の事後調整を可能とするというものである。
これからの国際税務 【第8回】「多国籍企業情報の文書化義務と税務コンプライアンス」
多国籍企業グループによる巧妙な二重非課税スキームの活用による租税回避は、多くの国の課税当局の財政運営に対するチャレンジとして注目を浴び、BEPSプロジェクトで対応策が合意された。
それらのスキームは、国家間の税制のミスマッチの間隙を突く点に共通する特色があり、BEPS勧告の多くは国内法及び条約の実体法規定(PE帰属利得、移転価格、CFC税制等)の改正を指摘するものであったが、同時に、超過収益の源となる無形資産の収益力評価等に関する情報の非対称性という多国籍企業が安住してきた実態にも、メスが入れられることになった。
〔ケーススタディ〕国際税務Q&A 【第4回】「海外拠点に係る課税関係」
日本法人である当社は、海外に事業を展開するため、A国に拠点を設けることを検討しています。拠点には支店や子会社の形態があると聞いていますが、それぞれ課税上どのように異なるのでしょうか。
〔ケーススタディ〕国際税務Q&A 【第3回】「海外子会社(持株会社)を整理する際の課税関係」
日本法人である当社は、海外に複数の子会社(持株会社)を有しており、それらの持株会社を通じて各国に子会社(現地子会社)を有しています。今般、経営の効率化の観点からグループ再編を実施して、持株会社を整理することを検討しています。
税務上の観点から留意すべき点について教えてください。
〔平成30年4月1日から適用〕改正外国子会社合算税制の要点解説 【第10回】「外国税額控除、関連別表及び添付・保存資料、実務対応について」
合算対象となる外国関係会社の所得に対し、日本の所得税、復興特別所得税及び法人税等が課されている場合には、改正前であれば、外国関係会社が納付している「外国法人税額」とみなして、合算課税に伴う外国税額控除による二重課税の調整を行うとされていた(旧措法66の7、旧措通66の6-20)。
今回の改正により、外国関係会社が納付している日本の所得税、復興特別所得税及び法人税等については、外国税額控除制度ではなく、新たな枠組みで法人税額から控除されることになっている。
これからの国際税務 【第7回】「平成30年度税制改正における恒久的施設定義の見直し」
平成30年度税制改正のうち国際課税に関する項目は、ここ数年と同様、G20・OECDが主導する「税源浸食・利益移転(BEPS)プロジェクト」の国際合意を実践するための施策を中心に構成された。すなわち、外国法人課税において帰属主義を適用する上での閾値となる恒久的施設(PE)の定義を、BEPS合意の内容を体現した2017年版OECDモデル条約第5条の規定にほぼ沿った形で、改正したのである。
〔平成30年4月1日から適用〕改正外国子会社合算税制の要点解説 【第9回】「部分合算課税③」-各特定所得の計算(損益通算グループ所得)-
⑧ デリバティブ取引に係る損益(措法66の6⑥五、措規22の11⑥~⑫)
デリバティブ取引に係る利益の額または損失の額が特定所得となる。
具体的には、デリバティブ取引に係る利益の額または損失の額につき法人税法第61条の5の規定その他法人税に関する法令の規定(法人税法第61条の6(繰延ヘッジ処理による利益額または損失額の繰延べ)を除く)の例に準じて計算した場合に算出される金額とされている。
ただし、以下の取引は対象から除外されている。
国外財産・非居住者をめぐる税務Q&A 【第17回】「アパート・倉庫のPE認定」-なぜアマゾンは日本にPEがないのか-
私は、外国に居住して、インターネットで外国の商品を販売しています。最近注文が増えてきたことから、日本で倉庫を借りて、注文に応じて発送することを予定しています。
商品の販売で日本に拠点がない場合は、たとえ倉庫を借りていたとしても、売上について、日本で課税されることはないのでしょうか。
〔ケーススタディ〕国際税務Q&A 【第2回】「海外企業の買収(M&A)に係る課税関係」
日本法人である当社(J社)は、余剰資金を海外のM&Aに充てる計画であり、現在、X国法人であるX社の株式を全部取得する方法によってX社を買収することを検討しています。
税務上の観点から留意すべき点があれば教えてください。
〔平成30年4月1日から適用〕改正外国子会社合算税制の要点解説 【第8回】「部分合算課税②」-各特定所得の計算(非損益通算グループ所得)-
部分合算課税の対象となる金額(部分課税対象金額)の計算構造については、前回解説を行った。今回からは、その計算の基礎となる各特定所得について、その内容の確認を行う。
各特定所得の概要は以下の通りとなっている。租税回避リスクを所得類型ごとに判断し、外国関係会社にその所得を得るだけの実質を備えていると考えられるものについて、事務負担も考慮して個別に除外することとされている(改正前は「事業(特定事業を除く)の性質上重要で欠くことのできない業務から生じたものを除く」とされていた(旧措法66の6④))。
