企業の不正を明らかにする『デジタルフォレンジックス』 【第1回】「あらゆる不正調査に使われるようになった「デジタルフォレンジックス」とは何なのか?」
日本でフォレンジックスという言葉が聞かれるようになったのは、ライブドア事件で東京地検特捜部が捜査の一環として消去されたメールデータの復元を行った2006年頃からかもしれない。その後、2011年に発覚した大相撲八百長問題、まさに現在報道されている野球賭博問題などにおいて、携帯電話の調査にフォレンジック技術が使用されたことなどで注目を浴びている。
パフォーマンス・シェア(Performance Share)とリストリクテッド・ストック(Restricted Stock)~経済産業省報告書で示された「2つの新しい株式報酬」~ 【第2回】「制度の仕組みと米国活用事例」
パフォーマンス・シェア(Performance Share)とは、中長期的な業績目標の達成度合いによって交付される株式による報酬のことである。
上述のリストリクテッド・ストックは、一定期間の在籍等の条件はあるものの、ストック・オプションと違い、株価の下落により無価値になることは通常はなく、役員に有利な報酬形態であるが、勤続年数条件型の株式報酬手段は、株価と連動しているものの、業績とは連動していないという批判がある。
社外取締役の教科書 【第10回】「社外取締役としての法的責任(その2)」
前回説明した通り、取締役が「何かをしたこと」についての法的責任が問われるケースにおいては、善管注意義務が認定されるか否かは、いわゆる「経営判断の原則」を満たしているかにより判定される。
会社運営をめぐる経営判断は、企業活動に伴い大なり小なり無数に存在する。
その中で、以下で取り上げるのは、上場企業等比較的規模が大きい会社における、法的・経済的に見ても重要な意思決定の正当性が争われたケースである。
パフォーマンス・シェア(Performance Share)とリストリクテッド・ストック(Restricted Stock)~経済産業省報告書で示された「2つの新しい株式報酬」~ 【第1回】「役員に対する業績連動型報酬のニーズの高まり」
ここで概要を述べると、パフォーマンス・シェア(Performance Share)とは、中長期業績目標の達成度に応じて交付される現物株式のことであり、リストリクテッド・ストック(Restricted Stock)とは、譲渡制限が付された現物株式のことである。
わが国ではあまり馴染みのないこの「2つの株式報酬」は、経産省報告書において重要な位置づけとなっている。
そこで本連載では全3回にわたり、各種役員報酬についても触れたうえで、この2つの株式による役員報酬の特徴、メリットやデメリット、導入時の問題点等を検討していきたい。
税理士ができる『中小企業の資金調達』支援実務 【第6回】「具体的な資金調達支援の流れ(その3)」~申し込みに必要な資料の作成支援~
社長が金融機関に相談に行き、融資担当者から難しいと言われない限りは、融資の可能性がある。そこで次は、申し込みに必要な資料の作成に進む。事業計画書、資金繰り表、決算書、合計残高試算表を作成して提出する。
今回は、これら資料作成に関する支援内容を解説する。決算書および合計残高試算表については説明不要と思われるので、事業計画書、資金繰り表の作成支援について述べる。
[平成27年9月30日施行]改正労働者派遣法のポイント 【第4回】「特定労働者派遣事業区分の撤廃等」
「特定労働者派遣事業」は、派遣元で常時雇用される労働者のみを派遣する事業で「届出制」とし、一度届出を行えばよく、更新の必要はなかった。一方、「一般労働者派遣事業」は、いわゆる登録型の派遣事業で、資産要件等の一定の基準を満たす必要がある「許可制」とし、3年ごとの更新が必要だった。
中小企業事業主のための年金構築のポイント 【第15回】「遺族給付(1)」-遺族基礎年金・寡婦年金・死亡一時金-
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者又は被保険者であった人が次のいずれかに該当する場合に、一定の要件を満たすその人の配偶者又は子に支給される。
養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント 【第10回】「渉外離縁手続」
養親、養子のいずれかが外国人である場合に離縁手続を行うに当たっては、日本国の裁判所で解決することができるか(日本の裁判所に国際裁判管轄があるかどうか)、仮に日本の裁判所に国際裁判管轄があるとして、日本法が適用されるかどうか(準拠法が日本法かどうか)が問題となる。
そこで、以下、国際裁判管轄、準拠法に関する考え方を紹介した上で、準拠法が外国法となる場合に問題となる点についても触れる。
現代金融用語の基礎知識 【第23回】「特設注意市場銘柄」
特設注意市場銘柄制度とは、上場会社が有価証券報告書等に虚偽記載(いわゆる粉飾決算など)を行った場合等であって、その上場会社の内部管理体制等の改善の必要性が高いと認められるとき(下図〈特設注意市場銘柄に指定されるケース〉参照)、証券取引所がその上場会社を特設注意市場銘柄に指定するという制度である(東京証券取引所・有価証券上場規程(以下「上規」という)501条1項)。最近では東芝が平成27年9月15日に特設注意市場銘柄に指定されたところである。
[平成27年9月30日施行]改正労働者派遣法のポイント 【第3回】「雇用安定措置の義務化・キャリアアップ措置の新設」
派遣元が雇用し派遣先が使用する労働者派遣では、「雇用」と「使用」が分離していることから、雇用の安定やキャリアアップの形成が図られにくいという問題がある。そこで、今回の改正では雇用安定措置が強化され、また、キャリアアップ措置が付加された。
第3回は、義務化された「雇用安定措置」と新設された「キャリアアップ措置」についてみていく。