〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例1】株式会社東芝「当社子会社であるウェスチングハウス社に係るのれんの減損について(2015.11.17)」
今回取り上げる適時開示は、株式会社東芝(以下「東芝」という)が平成27年11月17日に開示した「当社子会社であるウェスチングハウス社に係るのれんの減損について」である。
この開示は、東芝の子会社のウェスチングハウス社(以下「WEC」という)グループと東芝の連結ベースの両方における、平成18年度から平成26年度までののれんの減損の計上の有無について説明したものである。
税理士ができる『中小企業の資金調達』支援実務 【第12回】「金融機関提出書類の作成ポイント(その4 合計残高試算表)」~月次決算をする~
金融機関に合計残高試算表を提出する場合は、月次決算整理を行い、発生主義に変えてから提出する。その時点での収益と費用が対応するので、金融機関は会社の実態をより適切に把握することができる。また、期中現金主義だと若干の赤字になるところ、発生主義にすることによって黒字に変わる場合もある。赤字よりも黒字の方が印象は良い。この点も発生主義に変える利点である。
改正労働者派遣法への実務対応《派遣先企業編》~派遣社員を受け入れている企業は「いつまでに」「何をすべきか」~ 【第2回】「期間制限への対応②」
派遣可能期間を延長する場合に必要な手続きである意見聴取は、労働者の過半数で組織する労働組合(以下、過半数労働組合)がない事業所では、労働者の過半数を代表する者(以下、過半数代表者)を選出し、その者に対して行う必要がある。
養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント 【第16回】「孫養子の相続税の節税効果」
相続、遺贈、相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった孫(直系卑属)を含む)及び配偶者以外の人である場合には、その者の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算され、これを相続税額の2割加算という。2割加算は、上記のような場合には、一世代飛び越すことで相続税の課税を1回分減らすことができることから、その税負担を調整するために設けられた制度である。
企業の不正を明らかにする『デジタルフォレンジックス』 【第6回】「デジタルフォレンジックスの現場」~調査編①~
「文系的アプローチ」と聞くと、完全に理系な調査手法として認識されているであろう「デジタルフォレンジックス」と相反する印象を持つかもしれないが、実際に行われているデジタルフォレンジックス調査には文系的要素も少なからず含まれる。
「文系的アプローチ」とは、その名の通り、コンピュータそのものに関する知識を必要としない調査アプローチである。
改正労働者派遣法への実務対応《派遣先企業編》~派遣社員を受け入れている企業は「いつまでに」「何をすべきか」~ 【第1回】「期間制限への対応①」
「事業所」単位の期間制限では、「事業所」毎に派遣可能期間が制限され、その期間は原則3年となる。そこで、「事業所」単位の期間制限に対応するためには、ここでいう「事業所」が、自社の組織にあてはめるとどの範囲になるのかについて整理が必要となる。
「事業所」とは、以下の観点等から実態に即して判断することとされている。
税理士ができる『中小企業の資金調達』支援実務 【第11回】「金融機関提出書類の作成ポイント(その3 貸借対照表)」~債務超過は避ける~
前回損益計算書のポイントと同様、前期末決算が債務超過の状態であっても、直近現在の状態が良好なのであれば、直近月までの残高試算表を積極的に提出する。最近は売上と利益が出ていることをアピールすれば融資可能性は高まる。売上の証拠として、通帳記録なども見せる。現在の債務返済能力の範囲内で、融資に応じてくれる場合がある。
中小企業事業主のための年金構築のポイント 【第20回】「まとめ(2)」-法人の役員の年金-
前回は「個人事業主の年金」について、まとめの解説を行ったが、本連載最終回となる今回は、「法人の役員」の年金に関するまとめとして、年金の受給、特に在職老齢年金の留意点について解説する。
養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント 【第15回】「養子縁組前の養子の子が養親の直系卑属に当たる場合と代襲相続権」
代襲相続に関しては、民法887条2項但書により、被相続人の子の代襲相続人は、相続権を失った者の子であるとともに、被相続人の直系卑属でなければならないとされている。
その趣旨は、相続人である子が養子である場合に、その養子に被相続人との縁組前に生まれた子があるとき、当該子を被相続人の相続から除外するためとされている。つまり養子縁組時に養子にすでに子がいる場合、当該子は被相続人の直系卑属とはならないからである。
企業の不正を明らかにする『デジタルフォレンジックス』 【第5回】「デジタルフォレンジックスの現場」~証拠収集編②~
時に、外部の専門家による調査を必要とする不正事案が発生した際、同様の経験の無い企業では情報システム担当を使って証拠となるデータのコピーを始めていることがある。メールサーバもしくはメールのアーカイブシステムからのデータのコピーについては、メールデータの特性上、送信日時などのタイムスタンプがコピー作業によって変わることが無いため、それほど心配する必要がない。
一方で、ファイルサーバや従業員の使用しているコンピュータに保存されているドキュメントデータについては、通常のコピーでは「最終アクセス日時」や「ファイル作成日時」などのタイムスタンプがコピーされた日時に変更されてしまう。