事例で検証する最新コンプライアンス問題 【第27回】「中古車販売会社の保険金過剰請求事件-現場の声が上がってこなかった理由」
2023年7月25日、中古車販売会社のBM社が記者会見を開いた。事故車両の修理の際に意図的な損壊や不要な部品交換などを行って保険金を過剰に請求していた、その責任を取って社長が辞任する、という内容であった。BM社はその後、国土交通省からの自動車整備の事業停止処分や民間車検場の指定取消、金融庁からの保険代理店登録の取消に至った。
今回の不正はBM社のBP部門で生じたものであった。BPとは「bodywork & paint」すなわち鈑金塗装のことで、車両の修理を意味する。BM社の事業は中古車の買取・販売が中心であり、BP部門の売上はグルーブ全体の2~3%にすぎない。そうした部門でなぜ本件のような重大な問題が生じたのか。また、そうした重大な問題が生じていることについて、なぜ経営陣に報告が上がってこなかったのか。2023年6月26日付の特別調査委員会の調査報告書に基づいて以下分析する。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第48回】「減価の査定にそれなりの判断を伴う土地(その2)」~地上阻害物(高速道路、鉄道高架線、高圧線等)が存在する場合~
前回は、減価の査定にそれなりの判断を伴う土地の1回目として、地下阻害物(地下鉄等)が存在する土地の評価について取り上げました。
ところで、土地利用に影響を与える阻害物と呼ばれるものは地下だけでなく、地上にも存在します。例えば、高速道路、鉄道高架線、高圧線等がこれに該当します。対象地の近くにこのような阻害物があったり、高架下を建物の敷地の用に供したりしている場合には様々な影響を受け、利用価値が低下していることが多いといえます。
そこで、今回は、地上阻害物が存在する土地の評価について取り上げます。
《税理士のための》登記情報分析術 【第7回】「特殊な登記原因「真正な登記名義の回復」」
【第6回】では実務上よく見かける登記原因について解説を行った。登記原因のなかには、見かけることは多くないけれども、専門家であれば知っておきたい特殊なものがある。今回は税務の観点から税理士が関与することもある、「真正な登記名義の回復」について解説を行う。
ハラスメント発覚から紛争解決までの企業対応 【第45回】「ハラスメントの是正措置の一環として行う配置転換等のポイント」
是正措置の一環として、ハラスメントの行為者の配置転換を実施する場合のポイントを教えてください。また、行為者の配置転換が難しい場合、行為者と被害者との接触を避けるための方法としてどのようなものが考えられるでしょうか。
〈Q&A〉税理士のための成年後見実務 【第1回】「どんな場合に成年後見制度の利用が必要になるのか」
「成年後見制度」の存在は知っていますが、どのようなケースで利用されているのでしょうか。
電子書類の法律実務Q&A 【第14回】「取締役会議事録をPDFファイル等で作成できるか」
当社は、遠方の取締役もいるので、取締役会をWeb会議により開催しようと考えています。この場合、取締役会議事録をPDFファイル等の電磁的記録により作成する予定ですが、可能でしょうか。
もし電磁的記録で取締役会議事録を作成する場合、署名又は記名押印は、どうすればよいのでしょうか。
また、実際に出席した取締役等との関係では書面の議事録を作成し、Web会議により出席した取締役等との関係では電磁的記録の議事録を作成することはできるのでしょうか。
空き家をめぐる法律問題 【事例56】「出席者の多数決による決議を可能とする区分所有法の改正中間試案」
私が区分所有するマンションでは、集会を招集しても集会に出席せず、書面による議決権の行使や代理人の選任もしない区分所有者がいます。その中には、区分所有権を相続しただけで居住していない者や投資物件として取得した者もいるようです。
現在、区分所有法の改正が審議されており、集会決議を円滑化するための仕組みが検討されていると聞いていますが、どのような手続なのか教えてください。
〈一問一答〉副業・兼業に関する担当者のギモン 【第6回】「簡便な労働時間管理の方法《管理モデル》」
従業員の副業・兼業先における労働時間の把握・通算管理は手続上の負担も大きいため、副業・兼業先における実労働時間を把握する必要のない「管理モデル」の導入を検討したいと考えています。そこで、管理モデルの内容や導入にあたっての留意点などがあれば教えてください。
〔検証〕適時開示からみた企業実態 【事例89】ルーデン・ホールディングス株式会社「第三者委員会の委員の退任について」(2023.10.30)
今回取り上げる開示は、ルーデン・ホールディングス株式会社(以下「ルーデン・ホールディングス」という)が2023年10月30日に開示した「第三者委員会の委員の退任について」である。