社外取締役の教科書 【第2回】「『社外』取締役になれるのは誰か?(要件論)」
特に平成26年会社法改正においては、社会の耳目を集める重大な改正がなされた。
すなわち、監査役会設置会社(公開会社かつ大会社であるものに限る)で有価証券報告書の提出義務がある会社については、事業年度の末日において社外取締役を置いていない場合には、取締役は、定時株主総会において、「社外取締役を置くことが相当でない理由」を説明しなければならないものとされた(会社法327条の2)。
コーポレートガバナンス・コードのポイントと企業実務における対応のヒント 【第9回】「金融機関におけるコーポレートガバナンス」~取締役会の責務~
金融機関(銀行業界)においては、バーゼル銀行監督委員会より「Corporate governance principles for banks (Consultative document, Basel Committee on Banking Supervision, October 2014)」(銀行のコーポレートガバナンス諸原則、バーゼル銀行監督委員会(※))が発出されており、より具体的に満たすべき事項については参考になる。
確定拠出年金制度の改正をめぐる今後の展望 【第5回】「今回改正案に盛られたこと②」
企業型DCにおける拠出限度額自体は全く増額になっていない中、制度の選択肢が増えるのは悪い事ではないが、逆にDC制度全体を複雑にしている面がある。したがって、既にマッチング拠出を実施している事業主は一応制度の続行を図るとしても、今後自助努力の制度導入を検討している事業主には考慮すべきポイントが残っている。
中小企業事業主のための年金構築のポイント 【第7回】「特別支給の老齢厚生年金(60歳台前半で支給される年金)」
老齢厚生年金は、本来、65歳から老齢基礎年金に上乗せするかたちで支給されるが、一定の受給要件を満たしていれば、60歳から64歳までは特別支給の老齢厚生年金として生年月日に応じて支給される。
年金額(後述)は、原則として、「定額部分」と「報酬比例部分」の2本立てだが、特別支給の老齢厚生年金の支給開始年齢は、改正により段階的に引き上げることになっている。そして、定額部分の引上げはすでに終わっており、現在は報酬比例部分のみが支給されている。
養子縁組を使った相続対策と法規制・手続のポイント 【第2回】「養子縁組の効果」
今回は、普通養子縁組、特別養子縁組を行うことで、いかなる効果が生じるかについて解説する。
両者の効果の違いは、普通養子縁組では、養子と実親との親族関係は消滅せず、縁組後も相互に相続・扶養の権利義務は存続するのに対し、特別養子縁組では、養子と実方(養子からみて、自分の自然血族関係にある親族)の父母及びその血族との親族関係は終了することにある。
現代金融用語の基礎知識 【第19回】「デビットカード」
デビットカードの「デビット(debit)」は「借方」、クレジットカードの「クレジット(credit)」は「貸方」の意味であり、両者は、「利用者への信用の供与の有無」という点で相対立するものなのである。クレジットカードと異なり、デビットカードには利用者への信用の供与がない。そのため、発行に当たっての事前審査は必要とされない。
「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」を活用するポイント 【第2回】「適用手続と留意点」
前回は有期雇用特別措置法の適用対象となる者や特例の内容について紹介したが、今回は、主に特例の適用を受けるための手続きについて触れていくこととする。
社外取締役の教科書 【第1回】「社外取締役制度のねらいとは何か?(目的論)」
社外取締役を巡る現状は、ここ数年で目まぐるしい変化・発展を重ねている。
本連載では、すでに複雑なものとなっている社外取締役制度について一通りの知識を体系的に整理し、ビジネスパーソンあるいは会社と関わりが深い士業にとっての「教科書」となることを目標に解説したい。
コーポレートガバナンス・コードのポイントと企業実務における対応のヒント 【第8回】「コーポレートガバナンス・コードが求める情報開示の拡充について(4-1、8、9、11)」
CGコード原則のうち特定の事項を開示すべきとする11原則[図表1]については、その開示の受け皿として、上場会社等に提出が義務付けられる「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の様式に新たに「コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示」の記載欄が追加された。
〈IT会計士が教える〉『情報システム』導入のヒント(!) 【第9回】「新システムの導入と旧システムのデータの取り扱い」
新システムが稼働したら、使いやすい入力画面からデータを入力し、今まで手作業で行っていた業務が自動化され、今まで見ることができなかった情報がボタン1つで表示されるようになる。
そう、新システムを導入する業務が全く新しい業務なのであれば、確かにそれでいいのだが、今まで行っていた業務を新システムによって改善したとなると少し話は違ってくる。