会計事務所 “生き残り” 経営コンサル術 【第7回】「“どうすれば利益が出るの?”って聞かれてどう答えますか」
中小企業をクライアントにもっていますと、必ず聞かれることは“どうすれば利益が出るのでしょう”ということです。
その時、あなたはどのように答えられますか?
恥ずかしい話ですが、私はずっと「総資本利益率を高めることだ」とクライアントに説明してきました。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第6回】「スコアリングモデルで評価する留意点」 ~いきなり業績評価に使ってはいけない~
スコアリングモデルは、会社の規模の大小を問わず、その経理財務部門のサービスレベルをデータに基づいて客観的に評価することができるが、実際に読者が顧問先にスコアリングモデルを活用して評価を行う場合に問題となるのは、どのような単位で評価を行うのか、評価結果をどのように活用するか、ということであろう。
そこで今回は、スコアリングモデルの評価単位と評価の留意点について解説しよう。
長時間労働と労災適用 【第1回】「労災認定基準の基本的な考え方」
近年、うつ病の発症やそれに伴う自殺が増大し、それに伴って労災請求も増大している。
平成9年には41件であった精神障害等に関する労災請求件数はほぼ増加の一途をたどり、平成23年度には1,272件を記録するほどまで大幅に増加し、今後もさらに増加することが見込まれる状況となっている(厚生労働省「平成23年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」まとめ」【P14 表2-1】)。
企業としても、従業員が業務上の理由でうつ病を発症し、また、うつ病により自殺する事態が生じると、労災請求に加え、企業に安全配慮義務違反があるとして、従業員又はその遺族から民事訴訟が提起される可能性がある。
親族図で学ぶ相続講義 【第7回】「遺言のハナシ」
前回少し触れましたが、今回は遺言の方式についてご紹介しましょう。
遺言というのは、要式行為の典型でありまして、民法が定める方式に従ってこれをしないと、全く無効とされてしまいます。
起業家が求める税理士の役割、税理士が求める経営者の姿勢 【上】「アーリーステージにおける税理士の役割」
会社のアーリーステージ(起業準備から起業を経て2、3年程度)の方々をサポートする機会が多いが、そのアーリーステージの過ごし方で、その後の会社の発展もしくは存続可能性が概ね決まってくると言っても過言ではない。
実際、創業して10年後に残っている会社は、ほんの数%にすぎない。
また、アーリーステージにおける経営者の経営スタンスは、自ずと対税理士との関係においても表れてくるものである。
そこで、税理士との人間関係を通して普段接しているアーリーステージの経営者の方々を考察し、我々税理士には何ができるのか、どうあるべきかについて考えてみたい。
改正金融検査マニュアルのポイントと中小企業へ与える影響 【第3回】「マニュアルを使った[債務者区分]の判定」
金融検査マニュアルは、金融庁及び地方の財務(支)局(一部の金融機関については、農林水産省及び厚生労働省も検査を行う)の検査官が金融機関を検査する際に用いる手引書である。
この金融検査マニュアルは、「経営管理(ガバナンス)」、「金融円滑化編」及び「リスク管理等編」で構成されている。
この中で、中小企業等に最も影響があるのが、「リスク管理等編」の「資産査定」である。
顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第5回】「スコアリングモデルの特長」 ~非会計情報を、定量化し、相対評価せよ~
スコアリングモデルは、経理財務部門のサービスレベルを評価する標準的な手法として経済産業省の実証事業により構築された。
おそらくこれより前にも、巷では経理財務部門のサービスレベルを評価する手法は存在していたであろう。それでも、この実証事業に経済産業省が取り組んだのは、スコアリングモデルがこれまでの国内外の取組みと決定的に異なる特長を備えており、国の事業として取り組む意義があると考えたからである。
では、他の取組みと異なるスコアリングモデルの特長とは何か。
これが、今回のテーマである。
年次有給休暇管理上の留意点 【第4回】「年次有給休暇の計画的付与」
年休は本来、労働者が自分の意思によって取得するものであり、利用目的も自由であり、使用者はその利用目的を制限することはできない。
しかし、上記に見たように、年休の取得率が50%程度と低いという現状から、年休の取得促進さらには連続休暇を普及促進させるために、労働基準法では計画付与という制度が定められている。これを「年次有給休暇の計画的付与」という。
この計画的付与は、年休の付与日数すべてについて認められているわけではない。なぜならば、労働者が病気その他の個人的事由による取得ができるよう、労働者が指定した時季に与えられる日数を留保しておく必要があるためである。
〔時系列でみる〕出産・子を養育する社員への対応と運営のヒント 【第9回】「労働者の処遇、職場環境改善及び教育訓練に関連する助成金」
前回に引き続き、会社に対する国の支援制度(助成金)について触れていく。
今回取り上げるのは、労働者の処遇や職場環境の改善、教育訓練に対するものである。
両立支援制度と直接関連のある助成金ではないが、職場環境の向上や全労働者のスキルアップを図ることで、子を養育する労働者の両立支援をしやすくすることがある。
各種制度を導入・変更するときは、特定の社員(当連載では「出産・子を養育する社員」)だけに目線を向けて設計するのではなく、周囲の労働者のことや会社全体を良い方向に導いていくことも念頭に置きながら実施していきたい。
「消費税転嫁対策特別措置法」を理解するポイント
消費税転嫁対策特別措置法は、消費税の円滑かつ適正な転嫁を実現するため、平成29年3月31日までの時限立法として、
① 消費税転嫁拒否等の行為の禁止、
② 「消費税還元セール」の禁止、
③ 総額表示に関する特別措置、
④ 転嫁カルテル・表示カルテルの容認、
を定めるものである。
本誌Profession Journal No.7(2013年2月21日公開)の拙稿「消費税転嫁と独占禁止法・下請法」において、転嫁拒否等の行為や転嫁カルテル等に関する独占禁止法・下請法の特例立法措置が講じられる見通しであることを解説したが、その特例立法が、特別措置法の制定という形で実現したことになる。