公開日: 2013/12/12 (掲載号:No.48)
文字サイズ

顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル 【第27回】「経費管理のKPI(その① 経費処理社内指導)」

筆者: 島 紀彦

顧問先の経理財務部門の

“偏差値”が分かる

スコアリングモデル

【第27回】

「経費管理のKPI

(その① 経費処理社内指導)」

 

株式会社スタンダード機構
代表取締役 島 紀彦

 

はじめに

前回までは「原価管理」のKPIを取り上げたが、今回から6回にわたり、「経費管理」のKPIを取り上げる。

経費管理の対象となる取引の特徴を仕入・買掛債務管理のそれと比較してみると、個々の取引金額が小さいこと、発生する取引件数が多いこと、社内においてその経費支出に関係している主管部門の数が多いこと、その使途や発生頻度がさまざまで非定型的であること等が挙げられる。

このような取引の特徴から、経費管理においては、僅少な金額の取引も含んだ多種多数の取引の正確性を限られた人員でいかに管理するのかという視点が求められる。

今回は、経費管理の入口において起票の正確性を担保するため経理財務部門が担うべきサービスレベルを評価するKPIを取り上げる。

KPIの項目

〔調査対象業務〕
経費管理

〔調査対象業務プロセス〕
経費処理社内指導

〔調査項目〕

経理財務部が主管部門から受領する経費伝票を修正する割合はどの程度ですか。
次の式に従って算出した数値を回答欄に記入してください。

直前決算期1年間で経理財務部が修正指摘を行った経費伝票枚数(A)
÷直前決算期1年間で起票部門が起票した経費伝票枚数(B)

〔回答形式〕
「比率」

 

KPIが設定された業務プロセスの確認

まず、経済産業省スタンダードで整理された業務プロセスを引用しながら、このKPIに対応する業務プロセスを押さえておこう。

経済産業省スタンダードでは、経費管理において、会社が担う一般的な機能を、「年度予算管理」と「日常管理」に分けている。

このうち、「日常管理」を構成する機能は、「通常経費処理」、「仮払決済」、「差額決済」である。

今回解説するKPIは、「日常管理」における「通常経費処理」に関連する業務プロセスにおいて設定されている。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

顧問先の経理財務部門の

“偏差値”が分かる

スコアリングモデル

【第27回】

「経費管理のKPI

(その① 経費処理社内指導)」

 

株式会社スタンダード機構
代表取締役 島 紀彦

 

はじめに

前回までは「原価管理」のKPIを取り上げたが、今回から6回にわたり、「経費管理」のKPIを取り上げる。

経費管理の対象となる取引の特徴を仕入・買掛債務管理のそれと比較してみると、個々の取引金額が小さいこと、発生する取引件数が多いこと、社内においてその経費支出に関係している主管部門の数が多いこと、その使途や発生頻度がさまざまで非定型的であること等が挙げられる。

このような取引の特徴から、経費管理においては、僅少な金額の取引も含んだ多種多数の取引の正確性を限られた人員でいかに管理するのかという視点が求められる。

今回は、経費管理の入口において起票の正確性を担保するため経理財務部門が担うべきサービスレベルを評価するKPIを取り上げる。

KPIの項目

〔調査対象業務〕
経費管理

〔調査対象業務プロセス〕
経費処理社内指導

〔調査項目〕

経理財務部が主管部門から受領する経費伝票を修正する割合はどの程度ですか。
次の式に従って算出した数値を回答欄に記入してください。

直前決算期1年間で経理財務部が修正指摘を行った経費伝票枚数(A)
÷直前決算期1年間で起票部門が起票した経費伝票枚数(B)

〔回答形式〕
「比率」

 

KPIが設定された業務プロセスの確認

まず、経済産業省スタンダードで整理された業務プロセスを引用しながら、このKPIに対応する業務プロセスを押さえておこう。

経済産業省スタンダードでは、経費管理において、会社が担う一般的な機能を、「年度予算管理」と「日常管理」に分けている。

このうち、「日常管理」を構成する機能は、「通常経費処理」、「仮払決済」、「差額決済」である。

今回解説するKPIは、「日常管理」における「通常経費処理」に関連する業務プロセスにおいて設定されている。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

顧問先の経理財務部門の“偏差値”が分かるスコアリングモデル [総論]

[総論] 《第1回~第9回》

  • 【第1回】
    経営者の視点で経理財務部門の課題を考える
     ~経理財務分野で解決されるべき課題~
  • 【第2回】
    スコアリングモデルの概要と基本構想
     ~専門知識はいらない~
  • 【第3回】
    スコアリングモデルの評価の視点
     ~経理財務部門は5つの視点で評価せよ~
  • 【第4回】
    KPIで評価するというアプローチ
     ~KPIを絞り込め~
  • 【第5回】
    スコアリングモデルの特長
     ~非会計情報を、定量化し、相対評価せよ~
  • 【第6回】
    スコアリングモデルで評価する留意点
     ~いきなり業績評価に使ってはいけない~
  • 【第7回】
    スコアリングデータから優秀な会社の傾向を読み取る
     ~総合スコア~
  • 【第8回】
    スコアリングデータから優秀な会社の傾向を読み取る
     ~財務諸表の信頼性スコア~
  • 【第9回】
    スコアリングデータから優秀な会社の傾向を読み取る
     ~業務の有効性・効率性スコア~

筆者紹介

島 紀彦

(しま・のりひこ)

株式会社スタンダード機構
代表取締役

昭和45年 富山県富山市生まれ
富山市立堀川中学校卒業 バスケットボール部に所属
富山県立富山高校理数科卒業 山岳部に所属
東京大学法学部(公法学科)卒業

平成6年 住友銀行入社
外資系コンサルティング会社にて、経営コンサルティングに従事
米国ロサンゼルス投資会社にて、投資調査に従事
新日本有限責任監査法人にて、事業戦略・管理会計コンサルティングに従事
平成19年6月より現職
投資・M&A分野、事業戦略・管理分野、事業再編分野、リスクマネジメント分野のコンサルティングに従事

関連書籍

図解&条文解説 税理士法

日本税理士会連合会 監修 近畿税理士会制度部 編著

適時開示からみた監査法人の交代理由

公認会計士 鈴木広樹 著

不正・誤謬を見抜く実証手続と監査実務

EY新日本有限責任監査法人 編

わたしは税金

公認会計士・税理士 鈴木基史 著

中小企業のための 成功する 健康経営実践ガイド

特定社会保険労務士 稲田耕平 編著 社会保険労務士 阿藤通明 著 特定社会保険労務士 石原美由紀 著 産業医 今井鉄平 著 中小企業診断士 小川亮一 著 特定社会保険労務士 澤上貴子 著 特定社会保険労務士 鈴木光子 著 特定社会保険労務士 田中亮子 著 特定社会保険労務士 坂野祐輔 著 特定社会保険労務士 山岡洋秋 著 特定社会保険労務士 八巻裕香 著

上手な「値上げ」の仕方・考え方

公認会計士 石王丸香菜子 著

あっという間に経営分析‼

税理士 黒永哲至 著

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#