《インボイス制度下に独禁法・下請法違反とならないための》免税事業者との取引における実務対応
インボイス制度の実施後、仕入税額控除を行うためには、仕入先事業者から適格請求書(以下「インボイス」という)の交付を受け、これを保存する必要があるとされる。そして、インボイスは課税事業者でなければ発行できないため、仕入先が免税事業者である場合にはインボイスの交付を受けることができず、結果として、当該仕入先からの仕入れについて仕入税額控除ができないこととなる。
そのため、企業においては、免税事業者からの仕入について消費税額の負担が増えないよう対応策を検討しているところであろう。
しかしながら、その対応の仕方によっては、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独禁法」という)が禁止する優越的地位の濫用に該当したり、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という)に違反することが懸念される。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第27回】「道路の状況1つで土地価格も変化する」~容積率の多少が土地価格に与える影響~
道路は、日常、多くの人々によって無意識のうちに利用されていますが、不動産(特に土地)の価格との関係を捉えようとする場合、建築基準法の視点からものを見る目が非常に重要となってきます。すなわち、単に「道路」と呼んでいても、それが建築基準法上では道路として扱われていないこともあり、このような道に接する敷地には建築物が建築できないからです。その分、土地の価格は安くなってしまいます。
空き家をめぐる法律問題 【事例36】「隣地の使用等に関する民法改正」
隣地の木の枝が境界線を越えて伸びており困っています。隣家の方に枝を切るようにお願いしていたのですが、枝を切り取ることなく引越しをされ、隣家は空き家となっています。
隣家の方は「自分としては対応したい気持ちはあるけれど、樹木の他の共有権者の意見を聞いてみないと対応できない。」といって、対応してくれない状況が続いていました。このような場合に、私の判断で枝を切り取ることはできるでしょうか。
〔相続実務への影響がよくわかる〕改正民法・不動産登記法Q&A 【第3回】「法定相続分に基づく相続登記の後に遺産分割協議が成立した場合の注意点」
法定相続分に基づく相続登記の後に遺産分割協議が成立しました。この場合に気を付けることを教えてください。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第26回】「利回りの捉え方」~通常意味する粗利回りと鑑定評価で用いる純賃料利回りの相違~
前回、世間常識で捉える賃料(支払賃料)と鑑定評価で基本とする賃料(実質賃料)との間には感覚的な隔たりがあるという話をしました。今回も賃料から派生する内容ですが、不動産の収益性を測る物差しとしてしばしば用いられている「利回り」には2通りの捉え方があり(=粗利回りと純賃料利回り)、これらを区別して用いる必要があることを解説しておきます。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第38回】「遺言書の種類と作成」
私Kは30歳で人材派遣会社のC社を起業し、妻Rとともに事業を拡大してきました。40歳になった今は妻と子供2人(子供は2人とも小学生)という家族構成です。今後上場するつもりもないので、2人目の子供が生まれたときに無議決権株式を導入し、その無議決権株式を2人の子供に贈与しています。私は健康ですが、万が一、自分の身に何かあった時のためにも遺言書を書いておこうと考えていますが、遺言書にはどのような種類があり、どのように書いたら良いでしょうか。
対面が難しい時代の相続実務 【第10回】「相続実務とオンラインの“これから”」
今回は最終回として、今後の相続実務における見通しにつき、筆者が思うところをざっくばらんに述べて本連載を閉じたいと思う。
〔相続実務への影響がよくわかる〕改正民法・不動産登記法Q&A 【第2回】「相続登記の義務化の内容と注意点」
相続登記が義務化されたと聞きましたが、具体的な内容について教えてください。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第25回】「“実質賃料”と“支払賃料”の違い」~鑑定評価では“実質賃料”が基本~
前回、前々回は収益還元法をテーマに解説しました。そこでは収益価格を求める基礎として、対象不動産に帰属する総収益を査定することから出発しました。ここで、あえて「総収益」ということばが使用されているのは、それなりの意味を含んでいます。