社外取締役と〇〇 【第8回】「社外取締役と株主総会」
社外取締役については、その役割の重要性に鑑みて、株主総会参考書類及び事業報告において、社内取締役とは異なる規律が設けられている。また、2020年9月1日、令和元年改正会社法(令和元年法律第70号。以下、改正後の会社法を「改正会社法」という)に伴う会社法施行規則等の法務省令の改正案(以下、「改正省令案」といい、改正後の会社法施行規則を「改正会社法施行規則案」という)が公表され、新たな記載事項の追加が見込まれている。さらに、株主総会当日において、株主からの質問の回答者として社外取締役が指名され、社外取締役としての意見を求められる場面も増えてきている。
そこで、本稿では、株主総会参考書類及び事業報告における社外取締役に関する規律の概要とともに、会社法施行規則の改正による新たな記載事項及び株主からの質問対応等、株主総会当日において社外取締役に期待される役割について解説する。
今から学ぶ[改正民法(債権法)]Q&A 【第16回】「賃貸借契約」
当社は不動産賃貸業を営んでいますが、債権法改正では賃貸借契約について見直しがあったと聞きました。具体的にどのような見直しがあったのでしょうか。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第11回】「共有不動産はどうして価値が下がるのか」~税務の常識と鑑定評価の常識~
不動産は一般の物と異なり価格も高額で、自分一人だけでその購入資金を調達することができないケースも多くあります。このような場合、単独所有というわけにはいかず、資金を提供する他の者との「共有」という形態をとらざるを得ません。
また、相続が発生し、相続人も何人か存在するという場合、相続財産である不動産が共有形態で引き継がれていくケースが多く見受けられます。それだけにとどまらず、相続人が多数存在する場合もあり、各々の持分が細かく分割されていることも珍しくありません。
〔一問一答〕税理士業務に必要な契約の知識 【第11回】「商法が適用される契約関係」
民法ではなく商法が適用される場合としては、どのような場合がありますか。
また、今年の4月に施行された債権法改正による影響はありますか。
空き家をめぐる法律問題 【事例28】「空き家を売却するために信託を利用する方法」
私(A)は、妻に先立たれ、自宅で病気療養のために一人暮らしをしていますが、子どもら(B・C)は、都市圏で生活をしております。現在は、近所に住む妹(D)が定期的に自宅を訪問して身の回りの世話をしてくれたりしています。
私が死亡した後、誰も自宅に住む予定はありませので、その時には売却してその代金を子どもらに渡したいのですが、BやCはまだ若いため、定期的に代金を渡していきたいと考えています。どのような方法が考えられますか。
社外取締役と〇〇 【第7回】「社外取締役と買収防衛策」
近時、わが国においてアクティビスト(物言う株主)の活動が再び活発になっている。また、従来はあまり見られなかったが、わが国においても事業会社による他の会社への現経営陣の賛同を得ないで行う買収(以下「敵対的買収」という)も見られるようになってきた。アクティビストや他の事業会社による経営権取得を目的とする敵対的買収への対抗策の1つとして買収防衛策が検討されることがある。しかし、買収防衛策はその運用次第では経営陣の自己保身に利用されるおそれもあることから、経営陣の恣意的な判断を排除するための仕組みが必要となる。
そこで、本稿では、買収防衛策の概要とともに、経営陣の恣意的な判断を排除するために設置される独立委員会の機能と社外取締役が果たす役割について解説する。
税理士が知っておきたい不動産鑑定評価の常識 【第10回】「更地の評価が建付地の評価より高いとは限らない」~鑑定評価の常識も変化する~
時が変われば社会経済情勢やものの考え方も変化するのが世の常です。
このことは鑑定評価についても共通するものがあります。
今回はこれに該当するケースとして、「更地」(=建物等の建っていない土地)と「建付地」(=建物等の建っている土地)を比較した場合、どちらの土地の価値が高いのかを、現実的な側面と理論的な側面を交えながら考えていきます。
ちなみに、土地の評価に少しでも関わりのある方にこのような質問をすれば、恐らく圧倒的に多くの方が、更地の方が価値が高いと答えることでしょう。この回答は原則的に正解といえます。しかし、すべてのケースでこの考え方が当てはまるとは限らないところに、土地評価の奥深さが潜んでいます。
〈Q&A〉消費税転嫁対策特措法・下請法のポイント 【第7回】「消費税転嫁対策特措法・下請法が禁止する「商品購入、役務利用又は利益提供の要請」」
最終回となる第7回では、消費税転嫁対策特措法と下請法のそれぞれが規制する「商品購入、役務利用又は利益提供の要請」について解説する。
下請法及び消費税転嫁対策特措法は、いずれも、商品購入や役務利用を強制したり、不当に経済上の利益の提供を要請したりすることを禁止している(下請法における購入・利用強制の禁止及び不当な経済上の利益の提供要請の禁止、消費税転嫁対策特措法における商品購入、役務利用又は利益提供の要請の禁止)。
下請法が禁止する不当な経済上の利益の提供要請に対しては、度々勧告・社名公表がなされており、購入・利用強制に対しても、勧告・社名公表がなされた例がある。
〔一問一答〕税理士業務に必要な契約の知識 【第10回】「現行民法の施行と保証に関わるルールの変更点」
令和2年4月1日の現行民法の施行により保証に関するルールが変わったと聞きましたが、具体的にはどういった点が変更されたのでしょうか。
空き家をめぐる法律問題 【事例27】「信託を利用した空き家の発生予防策」
私は、地方において自宅建物で独り身の生活をしていますが、子どもらは、都市圏で独立して世帯を有しており、帰省する予定もない状況にあります。
私は、近い将来、認知症を発症するなどして施設に入居する可能性もありますが、その場合に、自宅建物(敷地を含む)は空き家となるため、自宅建物をどのようにするべきか悩んでいます。
自宅建物が空き家とならないようにするためには、どのような方法が考えられるでしょうか。