家族信託による新しい相続・資産承継対策 【第8回】「よくある質問・留意点③」-受託者による権限濫用を抑止するための仕組み-
- 質 問 -
家族信託により財産を受託した受託者がその権限を濫用するような恐れはないか。
成年後見人が選任された場合に、後見人の財産を横領することがあるような話を聞いたことがあるが、そのような恐れはないか。
受託者の権限濫用を防ぐ仕組みをどのように作れるかを聞きたい。
税理士が知っておきたい[認知症]と相続問題〔Q&A編〕 【第4回】「消費者被害からの救済」
私の母は、ここ数年来、実家にて一人で暮らしています。今年80歳という年齢もあり、昔に比べたら理解力や記憶力が多少弱くなったなと感じるときはありますが、心身ともにまだ十分元気です。
一人娘である私は、月に1度は実家を訪れ、母と世間話をするなどして生活ぶりを把握するよう努めています。
昨年あたりからですが、実家に戻るたびに、女性物の着物の数が増えているなと感じるようになりました。
母は若い頃から日本舞踊を習ってきており、普通の人より多く着物を持っているほうだとは思いますが、今や着物を着て外出するような用事もほとんどありませんし、新しく着物を購入するといっても限度があります。
不審に思いながらも様子を見ているうちに、ついにはタンスに収まりきれないほどの数になってしまったのです。
家族信託による新しい相続・資産承継対策 【第7回】「よくある質問・留意点②」-家族信託を設定した場合の相続財産への影響-
- 質 問 -
保有する財産に家族信託を設定した場合、その財産は相続財産から外れるのか。
家族信託を設定した後、委託者兼受益者が死亡した場合には、どのような取扱いがなされるのか。
預貯金債権の遺産分割をめぐる最高裁平成28年12月19日決定についての考察 【第4回】「今後の対応・方向性及び本件決定に対する疑問点」
前回は、最高裁平成28年12月19日決定(以下、「本件決定」という)における双方の主張・補足意見等、本件決定の内容をより詳細に確認した。最終回となる今回は、本件決定を踏まえた今後の対応・方向性、本件決定における疑問点等について論じる。
税理士が知っておきたい[認知症]と相続問題〔Q&A編〕 【第3回】「不当な不動産売却がなされた直後の救済方法」-審判前の保全処分-
私には2年前より認知症となっている父がおります。
元々、父は、自身が土地・建物を所有する大阪の実家で一人暮らしをしていました。私は東京に住んでいましたが、認知症が進行し一人では生活できなくなった父の面倒を看る必要があるということで、昨年より実家に戻って生活をしています。
私には神戸に住む妹が一人おりますが、妹は大阪の実家にはほとんど寄りつかず、父の世話もしようとはしません。
そのような妹が、「たまには私も父と話がしたい」ということで、珍しく実家を訪ねてきたのです。私も、気を遣って、半日くらい外出をし、2人だけで話ができる時間を作ってあげました。
ところが、それから2週間ぐらい経ったころ、神戸の不動産業者より我々の所へ電話があり、「先日の売買契約ではお世話になりました。ついては建物からの退去日と取壊し工事の開始をいつにしましょうか」という問合せがあったのです。
預貯金債権の遺産分割をめぐる最高裁平成28年12月19日決定についての考察 【第3回】「本件決定における双方の主張・補足意見等の確認」
前回は、最高裁平成28年12月19日決定(以下、「本件決定」という)以前の預貯金債権の相続時の判例・実務上の取扱い等について述べた。今回は、本件決定における双方の主張・補足意見等、本件決定の内容をより詳細に確認する。
家族信託による新しい相続・資産承継対策 【第6回】「よくある質問・留意点①」-受託者死亡の場合-
- 質 問 -
家族信託において受託者が法人ではない(自然人である)ことから、受託者が死亡した場合、信託はどうなるのか。信託は終了してしまうのか。
信託が終了しないとしてもリスクになるのではないか。
被災したクライアント企業への実務支援のポイント〔法務面のアドバイス〕 【第4回】「被災による企業内部の法律問題」
災害によって取締役全員が死亡あるいは行方不明となった場合、企業活動を継続するには、取締役を選任する必要がある。
株主に働きかけ、裁判所の許可を得て株主総会を招集してもらい、その株主総会において取締役を選任することになる。株主全員の協力が得られる場合には、全員出席総会として招集手続がなくとも取締役の選任が可能である。
預貯金債権の遺産分割をめぐる最高裁平成28年12月19日決定についての考察 【第2回】「本件決定以前の判例及び実務上の取扱い」
前回は、最高裁平成28年12月19日決定(以下、「本件決定」という)の概要について述べた。今回は、本件決定以前の預貯金債権の相続時の判例・実務上の取扱い等について述べる。
税理士が知っておきたい[認知症]と相続問題〔Q&A編〕 【第2回】「既に認知症を発症している場合の対応」
共に90歳になる私の父と母についての相談です。
母は、3年前から認知症と診断され、介護施設に入りながら投薬治療を受けています。
現在は、簡単な問いかけに「はい」「いいえ」程度を答えるといった最低限の会話しかできず、寝たきりの状態です。面会に行った際も、娘である私のことはかろうじてわかるようですが、孫たちや夫のことは理解できません。
他方、私の一家と同居している父は、母と比べればまだだいぶしっかりしています。
ただ、昨年あたりから時間帯によって心身の状態に波が見られ、朝からお昼過ぎくらいまではぼーっとした状態が続いて会話もうまくいかず、着替えも一人ではできません。しかし、夕方近くなってくると、だいぶシャッキとした状態になり、家族と世間話もできるようになるという状態が続いています。医師の診断を受けたところ、やはり認知症と診断されました。
今回、父も介護施設に入所することになり、入所のための保証金や今後の施設利用料の支払いに充てるため、まとまったお金が必要となりました。