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〈判例評釈〉相続マンション訴訟最高裁判決-相続税の節税目的で取得したマンションに対する評基通6項適用の可否が問われた事例- 【後編】

本件判決に接して真っ先に思ったのは、課税庁は日頃から「伝家の宝刀」を抜かないで済むための対応を怠るべきでないということである。ここでいう伝家の宝刀とは評基通6項のことであるが(※4)、なぜ抜くべきでないかといえば、評基通6項とは通達による評価の「否認」、すなわち自らが規定した評価方法(本件の場合は路線価による評価、評基通11)に「欠陥」があることを認めることにつながりかねず、その行為は「自己矛盾」というべきものであるからである。

#No. 473(掲載号)
# 安部 和彦
2022/06/09

事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第42回】「取引先の上場会社が持つ株式の買取り」

私(L)は70歳で製造業(R社)を経営しています。私が所有するR社株式については、後継者である私の子供へ承継する目途がつきました。ところで、今般、取引先のF社(上場会社)より、F社が所有する私の会社(R社)の株式を買い取ってほしいとの相談がありました。
F社には、関係強化を目的に30年間にわたってR社株式の4%を保有してもらっていました。10年前までは多くの取引がありましたが、近年の取引額は減少傾向にあります。当時の簿価純資産価額が1株当たり約600円だったR社株式を、私から額面金額(50円)でF社へ売却したので、私としては額面金額でR社に自己株式として買い戻したいと思っています。どのように交渉すればよいでしょうか。

#No. 473(掲載号)
# 太陽グラントソントン税理士法人 事業承継対策研究会
2022/06/09

〈判例評釈〉相続マンション訴訟最高裁判決-相続税の節税目的で取得したマンションに対する評基通6項適用の可否が問われた事例- 【前編】

相続税に関する租税回避事例については、課税物件の評価額の適正性が争われる事案が少なくない割合を占めているが、その典型的な事例に関し先頃最高裁で判決(最高裁令和4年4月19日判決・最高裁判所判例集)が下され、税理士等の租税実務家の間で話題になっている(※1)。

#No. 472(掲載号)
# 安部 和彦
2022/06/02

Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第25回】「〔第5表〕死亡退職金及び保険差益に対する法人税額等の計上」

甲株式会社の代表取締役である甲が令和3年8月に死亡しました。甲の死亡に伴い、生命保険金を甲株式会社が受け取り、その一部を原資として死亡退職金及び弔慰金を支払っている場合における甲株式会社の第5表「1株当たりの純資産価額(相続税評価額)の計算明細書」の資産の部及び負債の部に計上する相続税評価額及び帳簿価額はそれぞれいくらになるのでしょうか。

#No. 432(掲載号)
# 柴田 健次
2021/08/19

Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第24回】「〔第5表〕課税時期前3年以内に取得した土地等及び家屋等の借家権控除の適用の可否」

経営者甲が甲株式を令和3年9月に後継者である乙に贈与する予定ですが、課税時期前3年以内に取得した土地及び家屋の状況は、下記の通りとなります。

#No. 428(掲載号)
# 柴田 健次
2021/07/15

Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第23回】「〔第5表〕借地権の計上」-個人から法人へ相当の地代に満たない地代の収受があった場合-

経営者甲が所有しているA土地は、甲が株式を100%保有している甲株式会社に賃貸していますが、経営者甲が甲株式を令和3年に後継者である乙に贈与する予定です。
土地の賃貸借の概要は下記の通りとなります。なお、甲株式会社はA土地について借地権の認定課税を受けたことはありません。

#No. 425(掲載号)
# 柴田 健次
2021/06/24

〔資産税を専門にする税理士が身に着けたい〕税法や通達以外の実務知識 【第10回】「建築基準法・都市計画法の基礎知識(その2)」-容積率①-

容積率とは、建築物の延床面積が当該建築物の敷地の用に供されている宅地のうちに占める割合をいいます。これを算式で示すと、次のとおりとなります。

#No. 423(掲載号)
# 笹岡 宏保
2021/06/10

船舶の評価を巡る贈与税決定処分等の取消訴訟において全部取消が認められた事例-東京地裁令和2年10月1日判決(平成28年(行ウ)第413号:贈与税決定処分等取消請求事件)- 【第3回】

船舶、特に本件のように定期傭船契約の付された船舶の価値の評価については、船価鑑定の専門業者の見解もまちまちであり、不動産のように確立した鑑定の方法が存在しているわけではない。また、我が国において船価鑑定を行う専門業者は、極めて限られているという特殊な事情も存在する。本件は、そのような特殊性を有する船舶の価値の評価が正面から争点となった事例である。

#No. 417(掲載号)
# 木下 雅之
2021/04/28

船舶の評価を巡る贈与税決定処分等の取消訴訟において全部取消が認められた事例-東京地裁令和2年10月1日判決(平成28年(行ウ)第413号:贈与税決定処分等取消請求事件)- 【第2回】

裁判所は、まず、「精通者意見価格」をもって船舶の客観的な交換価値であるというためには、少なくとも、当該精通者による船舶の価値の評価が、鑑定の目的に照らして合理的に行われたものであることが前提となるところ、船価鑑定の具体的な手法は精通者の間においても一様ではなく、鑑定方式の選択や価格形成要因の評価等の取扱いが異なっていることに照らせば、その合理性の認定は慎重に行わなければならないと判示した。

#No. 416(掲載号)
# 木下 雅之
2021/04/22

船舶の評価を巡る贈与税決定処分等の取消訴訟において全部取消が認められた事例-東京地裁令和2年10月1日判決(平成28年(行ウ)第413号:贈与税決定処分等取消請求事件)- 【第1回】

相続税法第22条は、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価額は、原則として、当該財産の取得の時における時価による旨規定する。そして、この財産の評価に関する基本的な取扱いを定める財産評価基本通達(以下「評価通達」という)は、船舶の価額について、原則として、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価するものとし、これが明らかでない船舶については、同種同型の船舶を課税時期において新造する場合の価額から償却費等を控除した価額によって評価するものとしている(評価通達136)。
かかる船舶の評価が争点となった贈与税決定処分等の取消訴訟において、東京地方裁判所は、令和2年10月1日、原告側の主張を認め、贈与税決定処分等の全部を取り消す判決を下したため、事例判断ではあるが、今後の実務の参考として紹介する(同月16日判決確定)。

#No. 415(掲載号)
# 木下 雅之
2021/04/15

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