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〈小説〉『国税審査官エイトの勤務日誌』~ある国税不服審判所の記録~【第2話】「剛速球の田中」

新任の挨拶で、永途は少し緊張しながら、田中審判官の前に立っている。
田中審判官は、第二部の担当審判官である。
「君は・・・法人部門だったね」
田中審判官は、永途の履歴に目に落としたまま、確認するように言った。
「はい。法人税部門には5年間、勤務しておりました」
「5年か。実調はどの程度経験した?」
「法人を中心に、120件ほどかと思います」
田中審判官の前任職は、国税局の調査部の統括官である。国税局内の噂では、相当な理論家であるらしい。それゆえ、『剛速球の田中』というあだ名がついているくらいだ。

#No. 659(掲載号)
# 八ッ尾 順一
2026/03/05

書く論 【第3回】「執筆依頼は断ることも大切」

全国の編集者を敵にまわすようなタイトルになってしまいました。。。
今回は少し趣向を変えて、「見られている」ということについて、お伝えします。
事務所や法人に勤務されていた士業者の方が、独立を機に本を出したい、原稿を書いてみたいということで、お話をいただくことがよくあります。
こちらとしても大変うれしくありがたいお話で、編集者として(いつもより?)積極的にその熱意をサポートしたいというものです。
ただこの時、あえて以下のようにお伝えすることがあります。
「今後、先生が執筆を続けていかれる中で、ご自身の著作歴については、十分注意してください」
原稿を書くことをはじめると、予想もしなかったところから執筆依頼が舞い込むこともあります。それらの媒体にはそれぞれの読者対象があり、運営する目的があります。

#No. 659(掲載号)
# 編集X
2026/03/05

書く論 【第2回】「誰に書く?」

今回は、原稿を書く時に必ず考えなければならない「読者」の考え方についてお話しましょう。
書籍の出版企画について著者の方と打合せをするとき、当然ながらその本の読者対象について意見交換します。
そのような時、数々の著作歴のある方を除いて、イメージが曖昧なケースが意外と多いものです。
例えば、「税理士に向けて書きたい」「中小企業の社長に向けた本だ」「会社の経理の人に読んでもらいたい」などの意見をいただくことがありますが、税理士の方々でも個人の資産税に特化したサービスなのか、法人を顧問にしているのか、さらにその法人はどの程度の規模感なのかで、それぞれの興味の対象は大きく異なります。

#No. 658(掲載号)
# 編集X
2026/02/26

〈税務ライター・鈴木まゆ子の〉『ここがヘンだよ日本の税制』【第2回】「法的安定性とは何か?ひんぱんな基礎控除の改正がもたらす弊害とは」

2回目のテーマは、前回に引き続き「基礎控除」です。
「えっ、また?」。
そうおっしゃる方もいるかもしれません。今回は基礎控除そのもの、というよりも繰り返される基礎控除の改正について扱います。
令和7年度・令和8年度と立て続けに基礎控除が改正されました。税の実務の現場からは「またかよ…」「ソフト対応、大丈夫かな」というため息が漏れます。しかし、この基礎控除の相次ぐ改正がもたらす弊害は、実はそれだけではないのです。

#No. 657(掲載号)
# 鈴木 まゆ子
2026/02/19

〈小説〉『国税審査官エイトの勤務日誌』~ある国税不服審判所の記録~ 【第1話】「7月は人事異動の季節」

「・・・永途・・・統括官が呼んでいるよ」
傍らにいた佐伯上席が告げる。
7月は、税務署の人事異動の季節である。
永途は、神妙な顔をして、山口統括官の前に行く。
「・・・君は・・・以前、税務大学校に希望していたが・・・今回は、大阪国税不服審判所に配属になった・・・」
山口統括官は、笑顔である。

#No. 655(掲載号)
# 八ッ尾 順一
2026/02/05

書く論 【第1回】「なぜ書く」

読者の皆さま、はじめまして。
この連載は、実務書の編集職に30年近く携わってきた編集Xが、原稿を「書く」選択をされた実務家の方々とのお仕事を通して学んだことを、これから「書く」人たちへお伝えするためのものです。
まずは簡単に自己紹介を。
私、編集Xは上記のように、そこそこ長く実務書の編集のお仕事に携わり、そして皆さまに読んでいただいているこのWeb情報誌プロフェッションジャーナルの立上げ時から少し関わらせていただきました。

#No. 654(掲載号)
# 編集X
2026/01/29

〈税務ライター・鈴木まゆ子の〉『ここがヘンだよ日本の税制』【第1回】「基礎控除の上乗せがナゾすぎる・・・納得いかない2つの理由」

今回から連載を担当します税理士・税務ライターの鈴木まゆ子です。皆様どうぞよろしくお願いいたします。
この連載では、日々の実務で私が感じる現行税制への「違和感」や「疑問」をストレートに投げかけていきます。複雑怪奇な条文、場当たり的に見える改正、建前と実態が乖離した制度・・・。税務の最前線にいる皆様なら、きっと「そうそう、それが言いたかった!」と共感していただけるはずです。
単なる「税金の文句」に留まらず、「なぜこの制度はこうなっているのか?」「実務と乖離していないか?」「本当に公平か?」といった視点で、日本の税制の「ヘン」な部分を深掘りし、読者の皆様とともに「あるべき税制の姿」を考えるきっかけを提供できればと思っています。

#No. 653(掲載号)
# 鈴木 まゆ子
2026/01/22

〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第100話】「中尾統括官、高校教師になる」

中尾統括官は、ロッカーや机の引き出しを整理しながら浅田調査官と話をしている。
一週間後に、中尾統括官は退官する。
書類の詰まった段ダール箱が中尾統括官の傍らに置かれている。
「引き出しを整理していると、いろいろなものが出てくる・・・」
中尾統括官は、苦笑しながら、古い書類を一つ一つ確認する。

#No. 651(掲載号)
# 八ッ尾 順一
2026/01/08

《顧問先にも教えたくなる!》資産づくりの基礎知識 【第30回】「自らの“生き方”を支えるために必要な“お金の知識”」

令和8年度の税制改正大綱に盛り込まれることが予想される、NISA等の税制優遇制度の拡充に注目が集まっています。
本稿執筆時点(2025年12月11日)における新聞報道等によると、NISAは18歳未満に年間積立投資枠60万円、総額600万円の非課税枠を設定し、教育費の運用を可能とするようです。また、早ければ2027年にスタートする見込みです。

#No. 649(掲載号)
# 山中 伸枝
2025/12/18

〈小説〉『所得課税第三部門にて。』 【第99話】「給付付き税額控除」

「給付付き税額控除か・・・」
中尾統括官は、新聞を広げながら呟く。
新聞の見出しは次のようになっている。

#No. 647(掲載号)
# 八ッ尾 順一
2025/12/04
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