Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第42回】「相続開始直前に被相続人が自己株式を取得した場合の非上場株式の評価」-総則6項の適用の可否-
A社の取締役会長である甲は令和6年4月22日に相続が発生しています。甲は4年前に代表権を長男である乙に移譲し、自らは会長としてA社の非常勤役員として勤務していましたが、令和5年にガンを患い余命半年の宣告を受けました。甲は遺言書を作成するとともに相続税の軽減対策のために金融機関から300,000千円の借入を行い、A社が保有する自己株式を300,000千円(時価純資産価額@20,000円×15,000株)で取得しました。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第97回】「遺産分割成立後の更正の請求事件」~最判令和3年6月24日(民集75巻7号3214頁)~
相続税につき未分割申告が行われた後、増額更正がなされ、当該増額更正につき未分割申告に係る税額を超える部分を取り消す旨の判決が確定した場合で、かつ、国税通則法所定の更正の除斥期間が経過した後において、課税庁は、その後相続財産を取得した相続人が行った更正の請求に対する処分や、相続人に対する更正処分につき、上記判決において示された個々の財産の価額を用いて税額を計算しなければならないか。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第42回】
個人が、暗号資産を自らが管理するウォレットで保管していた場合に、秘密鍵を紛失し、もはやそのウォレットで管理している暗号資産を他に移転することができなくなってしまったときは、損失等として必要経費に算入することは認められるのか。
monthly TAX views -No.135-「進むか、マイナンバーの金融資産への活用」
2024年4月1日より、「預貯金者の意思に基づく個人番号の利用による預貯金口座の管理等に関する法律」(口座管理法)に基づく預貯金口座へのマイナンバー付番が開始されている。預金者にマイナンバー届出義務を課すのではなく、あくまで金融機関窓口での預金者のマイナンバー付番に対する意思確認だ。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例62】「時価を超える対価で購入した土地を売却した場合の売上原価」
私は、中国地方のある地方都市に本社を置き、不動産の賃貸や売買の仲介等を行う株式会社X(資本金1,000万円で3月決算)に勤務しており、現在経理部長を務めております。私は平成に入ってから不動産業界に入ったため、バブル崩壊前の地価高騰に伴う「おいしい時期」のことを知らない世代ですが、最近コロナ禍を抜けてようやくこの業界にも春が訪れようとしています。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q89】「ベンチャーキャピタルファンドへの投資と株式譲渡に係る損益の通算」
私(居住者たる個人)は、ベンチャー企業の支援をしようとファンド(投資事業有限責任組合)に投資をしています。この度、ファンドから収益が分配されましたが、これはファンドが保有していた未公開企業の株式を他の企業に売却したことに伴って収益が生じたためとのことでした。
この収益の分配は、株式等の譲渡による雑所得として確定申告する必要があると聞きましたが、その際、ファンド投資とは別に保有している上場株式の譲渡損失と損益通算することはできますか。
〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第40回】「外国税額控除が適用される時期」
法人税法69条1項にいう、外国法人税を「納付することとなる」場合というのは、どのタイミングをいうのでしょうか。
〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第17回】「財産評価基本通達205項柱書の「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは」
① 被相続人は、平成17年9月に、株式会社Aに対し、期限の定めなく利息年6%の約定で5,000万円を貸し付け(本件貸付金)、Aの代表取締役及び関係者1名は、被相続人に対し、本件貸付金の連帯保証をした。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第37回】「特別の更正の請求規定の解釈適用における「やむを得ない理由」の意義と機能」-通謀虚偽遺産分割「更正の請求」事件・最判平成15年4月25日訟月50巻7号2221頁-
前回は、通常の更正の請求(税通23条1項)の許容性を錯誤に基づく概算経費選択の場合について検討したが、今回は、特別の更正の請求(同条2項)の許容性をその一場合(同項1号)について検討する。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例133(贈与税)】 「相続開始年分の贈与につき、「住宅取得資金贈与の非課税特例」を適用して相続財産から除外して相続税申告を行ったが、相続開始年分に相続取得した不動産を売却したため、所得制限により非課税特例の適用ができなくなってしまい、相続税申告を訂正した事例」
令和X年3月に死亡した被相続人甲(乙の実母)が令和X年の1月に依頼者である相続人乙に贈与した住宅取得資金1,000万円につき、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」(以下「住宅取得資金贈与の非課税特例」という)を適用して相続財産から除外して相続税申告書を作成して提出したが、乙が相続取得した不動産を令和X年中に売却したため、合計所得金額が2,000万円を超えてしまい、上記特例の適用が受けられなくなってしまった。