国家安全保障から見る令和7年度及び近年の税制改正-防衛特別法人税等の企業への影響- 【第10回】
防衛特別法人税における通算法人の取扱いについては、法人税において規定されている通算法人の取扱いに対応する規定のほかに、防衛特別法人税の計算についてのみ設けられた通算法人の取扱いの規定がある。
法人税において規定されている通算法人の取扱いに対応する規定には、①通算子法人の課税事業年度、②仮決算をした場合の法人税の中間申告書の提出、③災害等による中間申告書・確定申告書の提出期限の延長、④清算中の内国法人の確定申告、⑤電子情報処理組織による申告の特例、⑥通算法人の連帯納付責任、⑦青色申告の取消し、⑧通算税効果額の取扱い、⑨電子情報処理組織による申請等、がある。
防衛特別法人税の計算についてのみ設けられた通算法人の取扱いの規定には、⑩基礎控除額の計算と、⑪通算法人に係る外国税額控除額の計算がある。本号では、⑤から⑪について解説する。
学会(学術団体)の税務Q&A 【第23回】「学会が賃上げ促進税制を適用する際の留意点」
本学会は、法人税法上の収益事業があるため、給与を収益事業と非収益事業に区分経理しています。このように給与の一部(収益事業に区分経理される給与)だけが法人税の計算上、損金算入される状況において、賃上げ促進税制を適用する際には、どのような点に留意すればよいでしょうか。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第54回】「水道光熱費の使用料金が極めて少なく、かつ、居住目的が特例の適用を受けるためと答述したことから、居住用財産に該当せず、特別控除の適用は認められないとされた事例」
居住用財産の譲渡所得の特別控除は、居住の用に供している家屋の譲渡もしくはその家屋とともにするその敷地の用に供されている土地等を譲渡した場合、又は住まなくなってから3年を経過する日の属する年の年末までに譲渡した場合の特例である(措置法35①)。譲渡所得の金額から3,000万円を限度として控除でき、短期譲渡所得であったとしても、条件を満たす場合は適用でき、他の居住用財産の特例の多くは国内の不動産に限られるが、この特例については特に制限は設けられていない。他方、譲渡先の制限、他の措置法との重複適用の制限、譲渡年の前年、前々年に特別控除の適用等を受けていないこと等の制限もある。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第84回】「海外子会社への貸付利子と移転価格税制-平成29年9月26日裁決の検討-(審裁平29.9.26)(その2)」~租税特別措置法〔平成26年法律第10号改正前〕66条の4、租税特別措置法関係通達66の4(7)-1・66の4(7)-4等~
租税特別措置法66条の4は、国外関連者との取引価格を独立企業原則(Arm’s Length Principle)に従って修正する制度として、平成2年に導入された。
当初はOECDモデル条約9条に基づく「恒久的施設回避の抑制」が主目的だったが、グローバル企業の利益移転行動が複雑化するにつれ、制度の実務的射程は大きく拡張していった。
日本の企業税制 【第145回】「ガソリン暫定税率廃止に関する6党合意」
11月5日、自由民主党、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、公明党、日本共産党の与野党6党は、8月から協議を続けていたガソリン税及び軽油引取税の暫定税率の廃止について合意に至った。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第76回】「不相当に高額な部分の判断につき加重平均法を採用した事例」
役員給与の額が不相当に高額な部分であるかどうかの判断については、同業類似法人の支給額が重要だと考えています。しかし、実際に役員給与の額について否認される場合、必ず同業類似法人の情報によることになるのでしょうか。
国家安全保障から見る令和7年度及び近年の税制改正-防衛特別法人税等の企業への影響- 【第9回】
法人税では、仮装経理に基づく過大申告について内国法人が修正経理を受け入れ、過大申告をした事業年度の更正が行われた場合、減額された法人税額は原則として還付されず(仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の還付の特例)、5 年繰越控除が行われる(法法135、70)。
相続税の実務問答 【第113回】「人身傷害保険金に対する相続税課税」
私の父が、自動車を運転中に自損事故を起こし、死亡しました。相続人は私一人です。父は、自動車保険契約を締結しており、その保険料を支払っていました。この保険契約に適用される普通保険約款中の人身傷害条項に基づき、相続人である私に2,000万円の人身傷害保険金が支払われました。この保険金は、相続税の申告に含める必要があるでしょうか。
