〔実務で差がつく!〕相続時精算課税制度Q&A 【第1回】「令和6年以降の贈与で、申告期限内に相続時精算課税選択届出書のみを提出した後に申告漏れの財産があった場合又は評価誤りがあった場合の対応」
甲は令和6年7月に父から現金100万円の贈与を受けた。甲は相続時精算課税制度を適用するため、令和7年3月の贈与税申告において贈与金額が相続時精算課税に係る基礎控除額以下であることから「相続時精算課税選択届出書」のみを提出した。
その後、令和7年4月になり、甲は令和6年中に父から別途500万円の贈与を受けていたことが判明した。
この場合に贈与税の申告、納税はどうなるのか。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第69回】「遺留分の問題」
私には、配偶者はいませんが、長男Aと次男Bの2人の子供がいます。Aは自分で起業したY社を営んでおり、Y社の業績はとても好調です。Aは私以上に十分な財産を所有しており、私に相続が起きた場合にも遺産を受け取るつもりはないと言っています。
将来的にX社の経営はBに任せ、私の財産については、一部を公益財団法人Zに寄附して社会貢献活動に活用し、残りを全てBに相続させたいと考えています。
そろそろ遺言書を作成しようと思い、弁護士に相談したところ、そのような遺言書を作成すると遺留分の問題が生じるため、事前の対策を考えておいた方がよいとアドバイスされました。遺留分の問題とはどういうことでしょうか。教えてください。
Q&Aでわかる〈判断に迷いやすい〉非上場株式の評価 【第55回】「従業員持株会から同族株主が株式を取得した場合の留意点」
甲は令和9年10月1日に70歳になるタイミングで退職を考えており、後継者は長男を予定していましたが、長男が令和3年4月1日に新型コロナウイルスの感染が原因で死去してしまったため、後継者もいなく、また、新型コロナウイルスの影響も受け、A社の売上及び利益は減少し、従業員の退職も相次ぎ、従業員持株会の存続が難しくなっています。将来的には、A社を解散又はM&Aによる売却も検討しています。
〈適切な判断を導くための〉消費税実務Q&A 【第10回】「デジタルインボイスの基本とTax reportingの国際動向」
デジタルインボイスは「業務の効率化に資する仕組み」という認識でしたが、海外ではインボイスに含まれる情報の一部が税務当局に報告されていると聞きました。日本でも同じような取り組みはされるのでしょうか。
国際課税レポート 【第15回】「2025年トランプ税制改革」~加速する「アメリカ回帰」~
この法案は「One Big Beautiful Bill Act(大きく美しい1つの法案)」と呼ばれ、米議会予算局(CBO)によれば、今後10年間で歳出を1.25兆ドル削減する一方、歳入は3.67兆ドル減少すると見込まれている。その結果、差引で財政赤字は2.4兆ドル拡大し、米国の債務残高はGDP比で123.8%に達する見通しである。なお、CBOは2025年末時点の債務残高を29兆ドル、GDP比101.7%と推計している。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第69回】
以下、Uniswapの利用場面を念頭に流動性供給開始が課税イベント(含み損益に対する課税の契機となる事象)であるかを検討する。
monthly TAX views -No.148-「石破総理の「国債発行による消費税減税」への警鐘は間違っていない」
筆者は常々、日本の政治家はマーケット(市場)にあまりにも関心が低い、と思ってきた。このことが、野党政治家が安易に財源なき消費税減税を主張する要因の1つではないかとも考えている。
仕入税額控除制度における用途区分の再検討-ADW事件最高裁判決から考える- 【第5回】
本稿の最後に、用途区分の判定に関連する近時の裁決事例を2件取り上げ、若干の検討を行う。いずれも金融機関のATMの相互利用に関する課税仕入れが問題となった事案である。
法人税の損金経理要件をめぐる事例解説 【事例75】「医療法人の理事長に対する貸付金に係る利率の水準」
法人としては、当該貸付金につき得も損もしていないため、銀行融資に係る金利と同等の金利で貸し付けることに何の問題もないと考えておりますが、税法上はどのように考えるべきなのでしょうか、教えてください。
租税争訟レポート 【第79回】「法人税等の更正処分及び加算税の賦課決定処分の取消請求事件~事前確定届出給与/届出額より減額した給与の支給(第1審:東京地方裁判所令和6年2月21日判決、控訴審:東京高等裁判所令和6年10月2日判決)」
本件は,各種土木工事の設計、施工及び管理等を目的とする内国法人である原告が、原告代表者2人に対して支払った令和元年7月1日から令和2年6月30日までの事業年度(以下「本件事業年度」という)の賞与につき、法人税法34条1項2号イ所定の給与(以下「事前確定届出給与」という)に該当するとして、本件事業年度における原告の法人税に係る所得の金額の計算上、上記賞与の金額を損金の額に算入して法人税の確定申告等をしたところ、処分行政庁から、上記賞与の金額は原告が法34条1項2号イ及び法人税法施行令69条4項1号に基づいて届け出た金額と異なることなどから、上記賞与は事前確定届出給与に当たらず、損金の額に算入されないなどとして、法人税及び地方法人税の更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件各処分』という」を受けたため、本件各処分の取消しを求めた事案である。