〈一から学ぶ〉リース取引の会計と税務 【第12回】「リース取引の税務上のポイント」
これまで本連載では、リース取引の会計について見てきました。今回は、リース取引の税務の概要について、会計と比較しながら簡単に確認します。
会計の勉強を始めた頃の筆者は、今回のような「会計と税務を比較する」「会計と税務の違い」と聞くと、頭にたくさん「?」が浮かびました(会計で計算された利益に基づいて、法人税を計算することは理解していたのですが・・・)。今回、当時の筆者と同じように、頭に「?」が浮かんでいる読者の方もいらっしゃると思います。
そのため今回は、まず会計と税務の違いを簡単に確認してから、リース取引の会計と税務の違いを見ていきたいと思います。
〔徹底解説〕東京国税不服審判所令和5年3月23日裁決~事業の移転を伴わない適格合併に対する包括的租税回避防止規定の適用を適法と判断~
本事案は、適格合併により被合併法人の繰越欠損金を請求人(合併法人)に引き継いだうえで、請求人において損金の額に算入したところ、原処分庁から包括的租税回避防止規定(法法132の2)の適用を受けたため、請求人が合理的な事業目的による合併であることから、包括的租税回避防止規定が適用されないものとして、原処分の全部又は一部の取消しを求めた事案である。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第57回】「信託型ストックオプションの課税関係」
当社はいわゆるスタートアップと呼ばれる企業です。役職員へインセンティブを与えるため、信託型ストックオプション制度を導入しています。
先般、国税庁がこれに対する見解を示したと聞きましたが、これはどのようなものでしょうか。
基礎から身につく組織再編税制 【第60回】「適格株式交換を行った場合の株式交換完全親法人、株式交換完全子法人、株式交換完全子法人の株主の取扱い」
今回は、適格株式交換を行った場合の株式交換完全親法人、株式交換完全子法人、株式交換完全子法人の株主の取扱いについて解説します。
〈徹底分析〉租税回避事案の最新傾向 【第16回】「制度濫用論への対応」
【第15回】で解説したように、ヤフー事件に係る調査官解説では、以下の点を考慮しながら、包括的租税回避防止規定の適用を判断すべきであるとされている。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例129(法人税)】 「所得拡大促進税制の適用において、雇用者給与等支給額を、支給ベースで計算すべきところ発生ベースで計算したため、特別控除額が過少となってしまった事例」
令和Z年3月期の法人税につき、「給与等の支給額が増加した場合の法人税額の特別控除」(以下「所得拡大促進税制」という)の適用において、雇用者給与等支給額につき、有利な支給ベース(ソフトウエア仮勘定に振り替えた人件費を給与等支給額に含める)で計算すべきところ、発生ベース(所得の金額の計算上損金の額に算入されたもののみを給与等支給額とする)で計算したため、特別控除額が過少となってしまった。これにより、法人税等につき過大納付税額が発生し、賠償請求を受けた。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第56回】「役員が関連法人から金員の支給を受けた場合の課税関係」
当社の役員は、様々な理由で関連法人から直接、金員の支給を受けることがあります。この場合に、税務上何らかのリスクはありますか。
〈徹底分析〉租税回避事案の最新傾向 【第15回】「法人税法132条の2」
新聞報道で有名であるため、その概要を知っている読者も少なくないと思われるが、法人税法132条の2に規定されている包括的租税回避防止規定について争われた最初の裁判例である。本事件は、ヤフー事件ともいわれており、同時に行われたスキームに係るIDCF事件(最一小判平成28年2月29日TAINSコード:Z266-12814)と同様に、制度濫用論に基づく最高裁判決が公表されたことで、その後の包括的租税回避防止規定に係る実務に大きな影響を与えている。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第60回】「提携先企業の事業承継」
私は、電子部品の製造・販売を行っているX社(非上場会社)の社長Aです。X社の株式は、私が100%所有しています。
製品の販売にあたっては、長年、Y社(Y社株式はB社長が100%所有)を販売代理店として、顧客の開拓、製品の改良ニーズの把握などのために協業してきました。最近になってB社長より、「今年で65歳となり、そろそろ引退しようと考えているため、Y社の電子部品販売事業を買い取ってくれないか」と打診がありました。なお、B社長には子供がおらず、他に後継者もいないため、廃業も視野に入れているとのことです。