さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第54回】「航空機リース事件」~名古屋地判平成16年10月28日(税務訴訟資料254号順号9800)、名古屋高判平成17年10月27日(税務訴訟資料255号順号10180)~
Xは、組合契約を締結して任意組合の組合員となった。そして、その組合が行った航空機リース事業に基づく所得は不動産所得であるとして、同事業における減価償却費等を損金計上し、損益通算の上、所得税の確定申告を行った。
これに対し、Y税務署長は、原告が締結したのは組合契約ではなく利益配当契約であって、得た所得も雑所得であるから、損益通算は許されないとして、Xに対する更正処分を行った。そこで、Xは、これを争って出訴した。
相続空き家の特例 [一問一答] 【第41回】「「相続空き家の特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定⑨(この特例を受けるための目的のみで相続の開始の直前に一時的に居住の用以外の用に供したと認められる部分)」-譲渡価額要件の判定-
Xは、昨年4月に死亡した父親の家屋(昭和56年5月31日以前に建築)とその敷地400㎡を相続により取得した後に、その家屋を取り壊して更地にし、本年10月に1億2,000万円で売却しました。
取り壊した家屋の、相続の開始の直前の状況は、父親が一人暮らしをし、その家屋は相続の時から取壊しの時まで空き家でした。
実は、父の生前中、「相続空き家の特例(措法35③)」には譲渡価額要件(1億円以下)があることを知り、相続の開始の直前、庭先の一部100㎡を柵で囲ってXの主宰するA社の資材置場として利用しました。
相続の開始の直前に一時的に居住の用以外に供した部分を除く300㎡に係る対価の額は9,000万円となります。
この場合、Xは、本特例の適用を受けることができるでしょうか。
〈令和元年分〉おさえておきたい年末調整のポイント 【第3回】「「令和2年分 扶養控除等(異動)申告書」受領時の注意点」
平成30年度税制改正では、「働き方改革」を後押しする観点から、特定の収入にのみ適用される給与所得控除と公的年金等控除の控除額が引き下げられ、所得の種類に関わらず適用される基礎控除の控除額が引き上げられた。これらの改正は、令和2年分の所得税から適用される。
この改正に伴い、令和2年分の所得税から、控除対象配偶者をはじめ、いくつかの所得金額要件に見直しが行われている。
連載第3回(最終回)は、改正事項が令和2年分の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に及ぼす影響と、扶養控除等申告書受領時の注意点について解説する。
相続空き家の特例 [一問一答] 【第40回】「「相続空き家の特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定⑧(贈与をしている場合)」-譲渡価額要件の判定-
Xは、昨年1月に死亡した父親の家屋(昭和56年5月31日以前に建築)とその敷地の全てを相続により取得し、その後、相続時精算課税制度を用いて、その家屋と敷地の持分4分の1(相続税評価額2,100万円、時価額2,625万円)ずつを、本年2月に長男及び長女へ贈与しました。
その贈与後にA社から予期せぬ買い申込みがあり、家屋を取り壊して更地にし、本年11月に、同社に対し共有物件として合計額1億500万円(Xは5,250万円、長男及び長女は2,625万円)で売却しました。
取り壊した家屋の、相続の開始の直前の状況は、父親が一人で暮らし、その家屋は相続の時から取壊しの時まで空き家で、その敷地も相続の時から譲渡の時まで未利用の土地でした。
「相続空き家の特例(措法35③)」を受けるXの持分2分の1に係る売買金額は5,250万円です。また、長男及び長女への贈与価額は相続税評価額で4,200万円であり、合計しても1億円以下です。
さらに、長男及び長女の持分はXの父親から相続したものではないことから、長男及び長女は1億円超に係る「居住用家屋取得相続人の範囲(措通35-21)」にも含まれません。
この場合、Xは、本特例の適用を受けることができるでしょうか。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例80(所得税)】 「平成31年4月1日前に譲渡したため、老人ホームに入居してから相続を迎えた空き家の譲渡について、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」の適用が受けられなかった事例」
平成30年分の所得税につき、平成31年度の税制改正で老人ホームに入居してから相続を迎えた空き家の譲渡について、平成31年4月1日以後の譲渡から「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」(以下単に「空き家の特例」という)の適用ができるようになったにもかかわらず、この改正に気づかず、「空き家の特例」は適用できない旨の説明をしたため、平成31年3月に譲渡を行い、結果として「空き家の特例」が適用できなくなってしまった。
措置法40条(公益法人等へ財産を寄附した場合の譲渡所得の非課税措置)を理解するポイント 【第16回】「「特別の利益を与えること」とは」
現物寄附を行った際、取得価額と時価との差額についてのみなし譲渡課税が非課税となる措置(措置法40条)を受けるための条件として、現物寄附を受領する公益法人等への寄附が「寄附者の所得税の負担を不当に減少させ、又は寄附者の親族その他これらの者と特別の関係がある者の相続税もしくは贈与税の負担を不当に減少させる結果とならないと認められること」が課されています。
この「不当減少」に該当するか否かの判断基準として、寄附者や役員等並びにその親族関係者に対し、特別の利益を与えないこと、という要件を満たす必要があるとされています。
ここで言うところの「特別の利益」とは、具体的にどのようなことを指すのですか。
〈令和元年分〉おさえておきたい年末調整のポイント 【第2回】「合計所得金額と配偶者控除及び配偶者特別控除の適用」
連載第2回は、配偶者控除と配偶者特別控除を適用するときにポイントとなる「合計所得金額」について、具体例を用いて解説を行う。
相続空き家の特例 [一問一答] 【第39回】「「相続空き家の特例」の譲渡価額要件(1億円以下)の判定⑦(買主が家屋取壊費用を負担して譲渡価額が決定している場合)」-譲渡価額要件の判定-
Xは、昨年6月に死亡した父親の家屋(昭和56年5月31日以前に建築)とその敷地を相続により取得した後に、その家屋を取り壊して更地にし、本年11月にA社に対し9,900万円で売却しました。
取り壊した家屋の、相続の開始の直前の状況は、父親が一人暮らしをし、その家屋は相続の時から取壊しの時まで空き家で、その敷地も相続の時から譲渡の時まで未利用の土地でした。
なお、その家屋の取壊費用300万円についてはA社が負担することを条件として、当該譲渡価額が決定されています。
この場合、Xは、「相続空き家の特例(措法35③)」の適用を受けることができるでしょうか。
〈令和元年分〉おさえておきたい年末調整のポイント 【第1回】「配偶者控除及び配偶者特別控除について」~平成30年分の見直し事項の再確認~
平成29年度税制改正により配偶者控除及び配偶者特別控除に見直しが行われ、平成30年分の所得税から適用されている。この見直しにより、平成29年分以前と平成30年分以後では、源泉徴収事務及び年末調整事務において、以下の点が変更されている(所法83、83の2、79②)。
相続空き家の特例 [一問一答] 【第38回】「「相続空き家の特例」を受けることができない被相続人居住用家屋の敷地等(土地及び建物が同一の被相続人からの相続により取得したものでない場合)」-相続空き家の特例の対象となる譲渡の範囲-
Xは、10年前に死亡した父親から相続した居住用家屋(昭和56年5月31日以前に建築)を、昨年2月に死亡した母親からの敷地相続後に取り壊し、その敷地を更地にして、本年11月に5,400万円で売却しました。
取り壊した家屋の、相続の開始の直前の状況は、母親が一人暮らしをし、その家屋は相続の時から取壊しの時まで空き家で、その敷地も相続の時から譲渡の時まで未利用の土地でした。
この場合、Xは、「相続空き家の特例(措法35③)」の適用を受けることができるでしょうか。