措置法40条(公益法人等へ財産を寄附した場合の譲渡所得の非課税措置)を理解するポイント 【第7回】「「公益の分配が適正に行われること」とは」
措置法40条の適用要件における「教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与する」ためには、公益の分配が特定の人に限られることなく適正に行われることが必要とされますが、この「公益の分配が適正に行われること」とは、具体的にどういうことですか。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q43】「株式報酬プランにより取得した外国親会社株式を売却した場合の課税関係」
私(居住者たる個人)は外資系企業(外国法人の日本子会社)に勤務していますが、報酬の一部として、日本子会社の親会社たる上場外国法人発行の株式を取得する権利であるリストリクテッド・ストック・ユニット(以下「RSU」)が付与(grant)されています。
このたび、RSUの付与から1年が経過して当該権利が確定(vest)し、外国親会社株式を海外の証券口座で受け取りました。その後すぐに当該株式を海外の証券会社経由で売却しましたが、どのような課税関係になりますか。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第44回】「サンヨウメリヤス土地賃借事件」~最判昭和45年10月23日(民集24巻11号1617頁)~
Xは、自身が代表取締役を務めるA株式会社に対し、自己所有の土地(50坪)を、建物所有を目的とし、期間20年、賃料1ヶ月1,000円で賃貸した。その際、Xは、A株式会社から、権利金100万円(更地価格の3分の2相当)を受領した。
Xは、この権利金100万円は譲渡所得に当たるとして所得税の確定申告をしたが、所轄税務署長は、当該権利金は不動産取得に当たるとして更正処分をした。Xはこれを不服として争ったが、最終的にY国税局長がXの審査請求を棄却したので、Xが、その取消しを求めて出訴した。
最高裁は、本件の権利金の性質を確定することなく譲渡所得と解した原審には、審理不尽の違法があるとして、高裁判決を破棄し差し戻した。なお、差戻控訴審は、本件の権利金の性質について検討した上で、不動産取得に当たるとして、Xの請求を棄却した。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例70(所得税)】 「「3,000万円の特別控除」は適用できるという税理士の誤ったアドバイスにより、居住用マンションを同族会社へ譲渡したため、修正申告となった事例」
同族会社の代表者である依頼者が、自身の居住用マンションの同族会社への譲渡を検討した際、税理士の誤ったアドバイス(「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」(以下単に「3,000万円の特別控除」という)は同族会社に譲渡した場合でも適用できる)により、居住用マンションの同族会社への譲渡を決断し、実行した。しかし、実際には「3,000万円の特別控除」の適用は認められないことから、税務調査で指摘され、修正申告となった。
税理士は依頼者より、「3,000万円の特別控除」の適用が受けられないのであれば譲渡は行わなかったとして、修正税額につき損害賠償請求を受けた。
措置法40条(公益法人等へ財産を寄附した場合の譲渡所得の非課税措置)を理解するポイント 【第6回】「「社会的存在として認識される程度の規模」とは」
措置法40条の適用要件における「教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与する」ためには、寄附を受けた公益目的事業そのものが社会的存在として認識される程度の規模を持っていることが必要とされますが、この「社会的存在として認識される程度の規模」とは、具体的にどのような内容ですか。
平成30年分 確定申告実務の留意点 【第3回】「雑損控除等の実務に関するQ&A」
最終回は、前回制度内容とその効果を解説した雑損控除について、適用にあたって判断に迷うケースをピックアップしQ&A方式で解説するとともに、昨年12月に国税庁が注意喚起を行った、住宅取得等資金の贈与特例と住宅借入金等特別控除をいずれも適用する場合の控除額の計算方法を取り上げることとする。
【Q1】 雑損控除の対象となる資産
【Q2】 雑損控除の適用対象となる親族の範囲
【Q3】 被災者生活再建支援金と雑損控除
【Q4】 雑損失の繰越控除の計算方法
【Q5】 住宅取得等資金の贈与と住宅借入金等特別控除
平成30年分 確定申告実務の留意点 【第2回】「平成30年に災害で被害を受けた場合の確定申告」
災害により住宅や家財等に被害を受けた納税者には、所得税法に定めのある雑損控除と災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(以下、災害減免法という)に定めのある所得税の軽減免除という2つの救済制度が設けられている(所法72①、災免法2)。
被災した納税者は、確定申告においていずれか有利な制度を適用することができる。
金融・投資商品の税務Q&A 【Q42】「国外に金融資産を有する場合の国外財産調書の提出義務」
私(居住者たる個人)は国内外の証券会社口座において株式(日本株、外国株両方)を保有しています。
先日、某新聞記事で、「個人が保有している海外の金融資産については、Common Reporting Standard(CRS)制度に基づき海外の税務当局から日本の税務当局に通知が行われ、この受領した金融口座情報について、日本の税務当局は国外財産調書等の情報とあわせて分析し、所得の事実を把握する。」といった旨の報道がありました。
私は、保有している株式についてこれまで国外財産調書を提出してきませんでしたが、詳細について教えてください。
~税務争訟における判断の分水嶺~課税庁(審理室・訟務官室)の判決情報等掲載事例から 【第23回】「課税処分取消訴訟の勝訴に係る還付加算金を雑所得として申告するにあたり、その訴訟に要した弁護士費用は必要経費に算入できないとした事例」
原告X(納税者)は、課税処分取消訴訟に勝訴して所得税及び住民税の過納金(計約7,321万円)及び還付加算金(計約1,661万円)を受領した。Xは、その還付加算金を雑所得として申告した後、前記訴訟に要した弁護士費用の按分額(過納金と還付加算金の金額に応じて按分して還付加算金に対応する金額)を雑所得の必要経費に算入すべきとの更正の請求を行った。これについて、税務署長は、更正をすべき理由がない旨の通知処分をしたために争いとなった。
本件の争点は、弁護士費用がXの雑所得に係る必要経費に当たるか否かである。