〈判例・裁決例からみた〉国際税務Q&A 【第40回】「外国税額控除が適用される時期」
法人税法69条1項にいう、外国法人税を「納付することとなる」場合というのは、どのタイミングをいうのでしょうか。
〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第17回】「財産評価基本通達205項柱書の「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは」
① 被相続人は、平成17年9月に、株式会社Aに対し、期限の定めなく利息年6%の約定で5,000万円を貸し付け(本件貸付金)、Aの代表取締役及び関係者1名は、被相続人に対し、本件貸付金の連帯保証をした。
谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第37回】「特別の更正の請求規定の解釈適用における「やむを得ない理由」の意義と機能」-通謀虚偽遺産分割「更正の請求」事件・最判平成15年4月25日訟月50巻7号2221頁-
前回は、通常の更正の請求(税通23条1項)の許容性を錯誤に基づく概算経費選択の場合について検討したが、今回は、特別の更正の請求(同条2項)の許容性をその一場合(同項1号)について検討する。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例133(贈与税)】 「相続開始年分の贈与につき、「住宅取得資金贈与の非課税特例」を適用して相続財産から除外して相続税申告を行ったが、相続開始年分に相続取得した不動産を売却したため、所得制限により非課税特例の適用ができなくなってしまい、相続税申告を訂正した事例」
令和X年3月に死亡した被相続人甲(乙の実母)が令和X年の1月に依頼者である相続人乙に贈与した住宅取得資金1,000万円につき、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」(以下「住宅取得資金贈与の非課税特例」という)を適用して相続財産から除外して相続税申告書を作成して提出したが、乙が相続取得した不動産を令和X年中に売却したため、合計所得金額が2,000万円を超えてしまい、上記特例の適用が受けられなくなってしまった。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第36回】「1月1日に売却した家屋のその年の固定資産税等の納税義務者は売主であるとされた事例」
固定資産税は、賦課期日である毎年1月1日に固定資産の所有者に対して課する制度である(地方税法343①、359)。この場合の所有者は、土地又は家屋については、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者として登記又は登録がされている者(地方税法343②)である。
学会(学術団体)の税務Q&A 【第4回】「学会誌と出版業(法人税)」
本学会は、年4回学会誌を刊行しています。学会誌に関して、会員に対しては無償配布し、会員以外の購入希望者に対しては1冊当たり2,000円で有償頒布しています。本学会の会員の年会費は10,000円ですが、このうち、2,000円(会員以外の購入希望者に対する販売価格)×4回=8,000円は、実質的に学会誌の有償頒布の対価として出版業に含まれることになるのでしょうか。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第41回】
個人が詐欺やハッキングによる盗難等により、自身のウォレットで管理していた暗号資産を失った場合に雑損控除の対象になりうるのか。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第44回】「ヤオハン・ファイナンス事件(地判平7.11.9、高判平8.6.19、最判平9.9.12)(その2)」~租税特別措置法66条の6第3項~
本件に係る東京高裁の判決文は、一部を訂正、付加又は削除するほかは静岡地裁の判決を引用しており、また最高裁は上告を棄却していることから、以降では静岡地裁における判決文を検討するものとする。
日本の企業税制 【第126回】「賃上げ促進税制の強化」
令和6年度税制改正に係る「所得税等の一部を改正する法律案」が3月28日、参議院本会議で可決成立し、3月30日に官報特別号外第28号にて公布された。
令和6年度税制改正では、賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和し、物価上昇を上回る持続的な賃上げが行われる経済の実現を目指す観点から、所得税・個人住民税の定額減税の実施や、賃上げ促進税制の強化等が盛り込まれている。
相続税の実務問答 【第94回】「相続税の申告期限前に土地建物が被災した場合」
令和5年8月10日に父が亡くなりました。父の相続人は東京に住んでいる私一人です。父は、石川県U町の自宅に一人で住んでいました。父が亡くなった後、何度か帰郷し、実家の片づけをしながら、相続税の申告の準備をしていたところ、令和6年1月1日に能登半島地震が発生しました。この地震により、遺産である実家の建物の敷地に液状化現象が生じ、建物も傾いてしまいました。
相続税の計算に当たり、相続した財産の価額は相続開始時の時価によるとされていますが、相続開始後に相続財産である土地や建物が被災した場合の救済措置はないのでしょうか。