〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第56回】「役員が関連法人から金員の支給を受けた場合の課税関係」
当社の役員は、様々な理由で関連法人から直接、金員の支給を受けることがあります。この場合に、税務上何らかのリスクはありますか。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第33回】「移転価格税制と住民訴訟(地判平7.3.6、高判平8.3.28)(その2)」~旧日米租税条約11条、25条1項、租税条約実施特例法7条、8条、国税通則法23条2項3号、同施行令6条1項4号~
本件地方税還付は、本件日米合意に端を発する手続きの流れによってもたらされた(前回図解参照)。Xは、この流れを遮断すべく、まず(1)Zらに相互協議を申し立てる権利がなかったとし、次いで(2)合意後の国税の減額更正処分の手続きに、さらに(3)国税に連動する地方税の減額更正手続きに、各々瑕疵があると主張した。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第126回】「消費税法判例解析講座(その3)」
帳簿の法定記載要件を充足しない限り消費税法上の「帳簿」とはいわないのであろうか。この点について、裁判所はどのように解しているのであろうか。
谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第21回】「国税通則法56条(~59条)」-国税の還付の意義と手続-
国税通則法第5章(56条以下)は、同法第3章の「国税の納付及び徴収」に関する規定に従って納付又は徴収された国税について、その還付の手続及びこれに関連する事項(充当、還付加算金及び国税の予納額の還付の特例)を定めている。還付という語は、一般に、下記のような意味で用いられるが(新村出編『広辞苑〔第7版〕』(岩波書店・2018年)676頁)、ここでは、下記の②の意味に準じて、国税の納税義務(税通15条1項括弧書参照)の履行として国庫に納付された金員を税務署長等が当該納税者に返すことを意味するものと解される。
〔疑問点を紐解く〕インボイス制度Q&A 【第33回】「適格請求書発行事業者ではない事業者が交付した書類を適格請求書と誤認して仕入税額控除を受けた場合」
もし、外注先が適格請求書発行事業者であると偽って適格請求書に似せた書類を当社に交付し、当社が誤認して仕入税額控除を受けてしまった場合、当社の仕入税額控除は否認されるのでしょうか。
さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第93回】「消費税国家賠償請求事件」~東京地判平成2年3月26日(判例タイムズ722号222頁)~
消費税法は、昭和63年に成立して施行され、平成元年4月1日以降の資産の譲渡等について適用されることとなった。
そこで、政治家であったXが、消費税法は違憲であるのに、国会議員はその違憲性を知りつつこれを成立させたものであり、当該立法行為は不法行為に該当するなどと主張して、Y(国)に対し、国家賠償として、自らが事業者に対して支払った消費税相当分の損害・慰謝料の支払を求めたのが本件である。
〈徹底分析〉租税回避事案の最新傾向 【第15回】「法人税法132条の2」
新聞報道で有名であるため、その概要を知っている読者も少なくないと思われるが、法人税法132条の2に規定されている包括的租税回避防止規定について争われた最初の裁判例である。本事件は、ヤフー事件ともいわれており、同時に行われたスキームに係るIDCF事件(最一小判平成28年2月29日TAINSコード:Z266-12814)と同様に、制度濫用論に基づく最高裁判決が公表されたことで、その後の包括的租税回避防止規定に係る実務に大きな影響を与えている。
事例でわかる[事業承継対策]解決へのヒント 【第60回】「提携先企業の事業承継」
私は、電子部品の製造・販売を行っているX社(非上場会社)の社長Aです。X社の株式は、私が100%所有しています。
製品の販売にあたっては、長年、Y社(Y社株式はB社長が100%所有)を販売代理店として、顧客の開拓、製品の改良ニーズの把握などのために協業してきました。最近になってB社長より、「今年で65歳となり、そろそろ引退しようと考えているため、Y社の電子部品販売事業を買い取ってくれないか」と打診がありました。なお、B社長には子供がおらず、他に後継者もいないため、廃業も視野に入れているとのことです。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第32回】
前回の必要経費の考察を踏まえると、暗号資産取引を行っている個人の方は、自身が行っている暗号資産の譲渡による所得が、業務に係る雑所得に該当するのか、それともその他雑所得に該当するのか、それはどのような基準で判断されるのかという点に関心を向けるであろう。