〈条文解説〉地方法人税の実務 【第3回】「課税標準・税額の計算(第9条~第11条)」
「基準法人税額」とは、確定申告書を提出すべき内国法人の法人税の課税標準である各事業年度の所得の金額につき、法人税法その他の法令により計算した法人税の額(附帯税を除く)をいう。
つまり、法人税法により計算した法人税額が地方税法による課税標準となる。
税務判例を読むための税法の学び方【39】 〔第5章〕法令用語(その25)
表題の一つに「不適当」を挙げておいたが、実は「適当」「不適当」は、法令用語とはされていない。
とはいえ前々回に挙げた所得税法第18条のように、「不適当」とされた場合には所轄国税局長により別の納税地を指定されるため、何をもって不適当とされるかについて明確であるべきであるが、制定当時の立法趣旨が記された「所得税、法人税制度史草稿(昭和30年大蔵省主税局調査課)」によっても「適当でない」とする限りである。
monthly TAX views -No.18-「軽減税率・インボイス導入と共に必要となる『マージン課税』」
今後年末に向けて、軽減税率導入の是非、範囲、時期、代替財源、インボイスの具体案などが議論され、何らかの決定がなされる。
今回で取り上げるのは、これらの案に加えて公表された、「マージン課税制度について」と題する一枚紙(以下、「一枚紙」)の話である。
《編集部レポート》 税賠保険に「事前税務相談業務担保特約」が登場
税理士業務にはリスクが付きまとうが、税理士の税務判断ミスにより顧問先に損失を生じさせた場合の賠償を考えると、やはり加入しておきたいのが税理士職業賠償責任保険(いわゆる「税賠保険」)だ。
この税賠保険に新たなラインナップ「事前税務相談業務担保特約」(事前相談特約)が加わった。商品の詳細を確認して、業務のリスクに合致する場合は加入を検討されたい。
生産性向上設備投資促進税制の実務 【第5回】「事前確認書(手続実施結果報告書)〔記載例〕」
「生産ラインやオペレーションの改善に資する設備の要件確認スキーム」においては、公認会計士や税理士が対象設備を確認し、投資利益率要件を満たしていることを確認することが要件となっている。
今回は公認会計士や税理士が記載する「事前確認書(手続実施結果報告書)」の記載例を紹介する。
貸倒損失における税務上の取扱い 【第21回】「判例分析⑦」
第20回目においては、法人税基本通達9-6-1(3)についての検討を行った。
第21回目にあたる本稿においては、法人税基本通達9-6-1(4)についての検討を行う前に、大阪地裁昭和33年7月31日判決(行集9巻7号1403頁、税資26号773頁)を紹介したい。本判決は、法人税基本通達9-6-1(4)が定められる前の判決であるため、本通達の判断を示すものではないが、放棄した債権が回収可能であったか否かという点について触れられている判決であり、貸倒損失の取扱いを理解するうえで、知っておくべき重要な判決であると言える。
〔大法人のための〕交際費課税の改正ポイント 【第2回】「改正後の取扱いに関するQ&A」
今回は、本改正によって生じる交際費等の取扱いの変更点について、大法人の現場で起こりそうな疑問点を想定し、Q&A形式で解説する(なお、本連載で取り扱う大法人の判定については、前回のフローチャートを参照)。
本稿で取り上げるQ&Aは、以下のとおりである。
〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第25回】 「『配偶者の税額軽減』の適用を受ける」
この「配偶者の税額軽減」とは、被相続人の配偶者が相続・遺贈で取得した財産については、次のいずれか大きい金額までは、配偶者は相続税の負担はないという特例である。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例15(相続税)】 「「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」の提出を失念したため、「配偶者の税額軽減」及び「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用が受けられなくなった事例」
《事例の概要》被相続人甲の相続税の申告に際し、遺産の範囲及び分割の方法について相続人間(A、B、C、Dの4名)で分割がまとまらず、当初申告を未分割で行い、同時に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出した。
その後、遺産分割が裁判に持ち込まれ、長期化してしまい、審判確定までに3年超を有してしまったため、3年を超えた場合に提出する「遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出すべきところ、これを失念した。その結果「配偶者の税額軽減」及び「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の適用が受けられなかった。
これにより、特例により減額できた金額400万円につき損害賠償請求を受けた。
組織再編・資本等取引に関する最近の裁判例・裁決例について 【第4回】「みなし共同事業要件の濫用(東京地裁平成26年3月18日判決)④」
第2回目、第3回目においては、【争点1】及び【争点2】についての原告及び被告の主張について解説を行った。第4回目に当たる本稿については、裁判所がどのような判断を行ったのかについて解説を行い、次回以降はその評釈を行う予定である。
判決文全体を閲覧すると、最終的には被告が勝訴しているが、被告が主張した理論構成ではなく、異なる理論構成により判決がなされており、法的三段論法のうち小前提たる事実の当てはめについては、どちらかというと原告の主張を一部認めた形となっている。