令和5年度税制改正における『グループ通算制度』改正事項の解説 【第1回】
令和5年度税制改正では、グループ通算制度特有の取扱いについても改正が行われている。
グループ通算制度に係る改正事項は次のとおりとなる。
「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例123(相続税)】 「配偶者と長男が貸付事業用宅地を2分の1ずつ取得したため、両者に100㎡ずつ「小規模宅地等の特例」を適用したが、配偶者は「配偶者に対する相続税額の軽減」により納付税額がゼロであったため、全部長男に適用した方が有利であった事例」
被相続人甲の相続税の申告につき、配偶者乙と長男丙が貸付事業用宅地を2分の1ずつ取得したため、両者に貸付事業用宅地等として100㎡ずつ「小規模宅地等についての相続税の課税価額の計算の特例」(以下「小規模宅地等の特例」という)を適用して申告したが、配偶者乙は「小規模宅地等の特例」を使わなくても「配偶者に対する相続税額の軽減」により納付税額がゼロであった。これを相続税申告書のチェックを行った別税理士に指摘され、当初申告と「小規模宅地等の特例」を全額長男丙に適用した場合との差額につき損害が発生したとして、賠償請求を受けたものである。
暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第20回】
(問)国内外のマーケットプレイスで購入したNFTを保有しています。NFTは財産債務調書への記載の対象になりますか。
固定資産をめぐる判例・裁決例概説 【第28回】「リゾートマンションの固定資産税評価額が10万円を超える決定は違法ではないとされた事例」
今回は、リゾートマンションとして新潟県南魚沼市(近くに石打丸山スキー場等がある)に建築されたマンションの一住戸の固定資産税評価額(150万8,711円)について、客観的価値である10万円を超える部分は違法であるとして争った事例を検討する。
〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第18回】「りそな外税控除否認事件(地判平13.12.14、高判平15.5.14、最判平17.12.19)(その1)」~法人税法69条~
ここでは都市銀行による外国税額控除余裕枠の利用取引に関する訴訟事案(※1)の1つである「りそな外税控除否認事件」について、その概要及び最高裁の見解を説明した上で主たる論点に検討を加えてみることにする。「りそな外税控除否認事件」に関しては様々な論点があり、それらを検討することは国際租税判例を学ぶ上で意義があると理解する。
日本の企業税制 【第116回】「新しい資本主義実行計画改訂版案にみる税制改正の課題」
6月6日に開かれた政府の新しい資本主義実現会議(第19回)では、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版案」(以下「実行計画2023改訂版案」又は「改訂版案」という)が提示された。
〈ポイント解説〉役員報酬の税務 【第50回】「取締役に対する自己株式の処分につき、安価であったために税務上の評価額との差額が給与等であるとされた事例」
当社は、自己株式の処分を検討しており、ちょうど後継者に株式を保有させるタイミングなので、本人に買い取ってもらうことを検討しています。
ここで、後継者はまだ資力が乏しいため、自己株式の税務上の評価額よりも安価で譲渡することが可能なら実行したいです。資本等取引であれば所得の計算に影響しないとは認識しているのですが、何か問題点はありますか。
基礎から身につく組織再編税制 【第53回】「適格株式分配を行った場合の現物分配法人、現物分配法人の株主の取扱い」
今回は、適格株式分配を行った場合の現物分配法人、現物分配法人の株主の取扱いについて解説します。
相続税の実務問答 【第84回】「売買契約中の土地の課税関係(買主に相続が開始した場合)」
父(乙)は、U社(甲)との間で、令和5年3月1日にT市に所在する宅地250平方メートル(以下「T土地」といいます。)を9,000万円で購入する契約をしていました。契約書にはおおむね次のような記載があります。
① 契約締結日(令和5年3月1日)に乙は甲に手付金500万円を支払う。
② 令和5年6月1日に、乙は甲にT土地の売買代金の残代金8,500万円を支払う。
③ 同日に、甲は、所有権移転登記に必要な書類を乙に渡し、T土地を引き渡す。
④ 上記②及び③の義務を双方が履行した時に、T土地の所有権は乙に移転する。
ところが、父は、T土地の引渡しを受ける前の5月1日に亡くなってしまいました。相続人は長女である私と母の2名です。私たち相続人は協議の上、父の預金を私が相続し、その預金を解約し、T土地の売買代金の残代金8,500万円をU社に支払い、T土地を私の名義とする登記をしました。相続税の申告において父の財産及び債務をどのように扱えばよいのでしょうか。
酒井克彦の〈深読み◆租税法〉 【第120回】「節税商品取引を巡る法律問題(その14)」
財務省の資料によると、国税庁の近年の広報活動の経費についての予算額は次のとおりである(※)。