公開日: 2023/06/22 (掲載号:No.524)
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暗号資産(トークン)・NFTをめぐる税務 【第20回】

筆者: 泉 絢也

暗号資産(トークン)NFTをめぐる税務

【第20回】

「NFTに関する税務上の取扱いに係るFAQ詳解⑪」

 

東洋大学法学部准教授
泉 絢也

 

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連載の目次はこちら

 

問13 財産債務調書への記載の要否

(問)国内外のマーケットプレイスで購入したNFTを保有しています。NFTは財産債務調書への記載の対象になりますか。

(答)保有しているNFTが、12 月31 日において暗号資産などの財産的価値を有する資産と交換できるものである場合、財産債務調書への記載が必要になります。

【関係法令等】
国外送金等調書法6の2①
国外送金等調書令12 の2⑧
国外送金等調書規則12③六、15①②、別表第三

所得税及び復興特別所得税 (所得税等)の確定申告書を提出しなければならない者又は一定の所得税の還付申告書を提出することができる者が、その年の総所得金額及び山林所得金額の合計額が 2,000 万円を超え、かつ、その年の12月31日において価額の合計額が「3億円以上の財産」又は「価額の合計額が1億円以上である国外転出特例対象財産(所得税法60条の2又は60条の3の国外転出時課税制度の対象となる財産)」を有する場合には、原則として、その者が同日において有する財産の種類、数量及び価額並びに債務の金額などを記載した財産債務調書を、翌年の3月15日まで(※1)に 所得税の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない(国外送金等調書法6の2①本文)。

(※1) 令和4年度税制改正により、令和5年分以後の財産債務調書の提出期限は「翌年の6月30日まで」とされた。

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暗号資産(トークン)NFTをめぐる税務

【第20回】

「NFTに関する税務上の取扱いに係るFAQ詳解⑪」

 

東洋大学法学部准教授
泉 絢也

 

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問13 財産債務調書への記載の要否

(問)国内外のマーケットプレイスで購入したNFTを保有しています。NFTは財産債務調書への記載の対象になりますか。

(答)保有しているNFTが、12 月31 日において暗号資産などの財産的価値を有する資産と交換できるものである場合、財産債務調書への記載が必要になります。

【関係法令等】
国外送金等調書法6の2①
国外送金等調書令12 の2⑧
国外送金等調書規則12③六、15①②、別表第三

所得税及び復興特別所得税 (所得税等)の確定申告書を提出しなければならない者又は一定の所得税の還付申告書を提出することができる者が、その年の総所得金額及び山林所得金額の合計額が 2,000 万円を超え、かつ、その年の12月31日において価額の合計額が「3億円以上の財産」又は「価額の合計額が1億円以上である国外転出特例対象財産(所得税法60条の2又は60条の3の国外転出時課税制度の対象となる財産)」を有する場合には、原則として、その者が同日において有する財産の種類、数量及び価額並びに債務の金額などを記載した財産債務調書を、翌年の3月15日まで(※1)に 所得税の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない(国外送金等調書法6の2①本文)。

(※1) 令和4年度税制改正により、令和5年分以後の財産債務調書の提出期限は「翌年の6月30日まで」とされた。

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連載目次

暗号資産(トークン)・NFT をめぐる税務

【第1回】 ★一般会員公開中★

〔連載に当たって〕

【第2回】 ★一般会員公開中★

第1章 暗号資産の税務と課税問題

第1節 暗号資産とは

1 暗号資産の定義

2 通貨該当性・強制通用力の有無

【第3回】 ★一般会員公開中★

3 暗号資産の私法上の性質・位置付け

(1) 総論

(2) 各論

《更なる考察》 「占有=所有」構成

《更なる考察》 私法の議論から得られる示唆

【第4回】

第2節 所得税における暗号資産の税務と課税問題

1 所得税法の暗号資産関連規定

(1) 暗号資産の定義

【第5回】

(2) 暗号資産の贈与・低額譲渡に関する規定

【第6回】

(3) 暗号資産を譲渡した場合の計算に関する規定

ア 棚卸資産と売上原価の計算

イ 暗号資産の譲渡原価の計算

ウ 暗号資産の取得価額

【第7回】

エ 年末時点での1単位当たりの取得価額

(ア) 総平均法と移動平均法

(イ) 評価方法の選定・変更等

【第8回】

(ウ) 相続等により取得した暗号資産の取得価額

【第9回】

(エ) 暗号資産の取得価額がわからない場合と5%通達の問題

NFTに関する税務上の取扱いに係るFAQ詳解

【第10回】

本連載の今後の進め方について

問1 NFTを組成して第三者に譲渡した場合(一次流通)

1 所得の定義

2 「デジタルアートの閲覧に関する権利」が前提とされたことに伴うリスク

3 NFT取引の着眼点とNFTに係る権利の設定という構成

4 一次流通の場合の所得区分

5 法人税の取扱い

【第11回】

問2 NFTを組成して知人に贈与した場合(一次流通)

1 贈与した個人の取扱い

2 贈与した法人の取扱い

問3 非居住者がNFTを組成して、日本のマーケットプレイスで譲渡した場合(一次流通)

【第12回】

問4 購入したNFTを第三者に転売した場合(二次流通)

1 二次流通の場合の所得区分

2 譲渡所得金額の計算

3 「デジタルアートの閲覧に関する権利」という前提

4 法人税の取扱い

【第13回】

問5 第三者の不正アクセスにより購入したNFTが消失した場合

問6 役務提供の対価として取引先が発行するトークンを取得した場合

【第14回】

問7 商品の購入の際に購入先が発行するトークンを取得した場合

【第15回】

問8 ブロックチェーンゲームの報酬としてゲーム内通貨を取得した場合

【第16回】

問9 NFTを贈与又は相続により取得した場合

【第17回】

問10 NFT取引に係る源泉所得税の取扱い

【第18回】

問11 NFT取引に係る消費税の取扱い①(デジタルアートの制作者)

【第19回】

問12 NFT取引に係る消費税の取扱い②(デジタルアートに係るNFTの転売者)

【第20回】

問13 財産債務調書への記載の要否

問14 財産債務調書へのNFTの価額の記載方法

問15 国外財産調書への記載の要否

【第21回】

2 暗号資産取引と所得区分(所得の種類)

(1) 暗号資産取引と所得区分の概要

【第22回】

(2) 譲渡所得該当性を否定する国税庁の根拠

【第23回】

(3) 国会における議論①:譲渡所得該当性を否定する根拠

【第24回】

(4) 国会における議論②:資産ではあるが、譲渡所得の基因となる資産ではない?

【第25回】

(5) 国会における議論③:譲渡所得を肯定する学説と外貨の取扱い

【第26回】

(6) 国税庁の見解に対する疑問

ア 「①清算課税説」

【第27回】

イ 「②支払手段性」

【第28回】

ウ 「③暗号資産の譲渡益の性質」と「④結論」

【第29回】

《更なる考察》邦貨と外貨の交換(両替)と所得税法33条の「譲渡」

【第30回】

3 所得税における暗号資産の信用取引

【第31回】

4 その他雑所得と必要経費

(1) 必要経費の問題

【第32回】

(2) 業務に係る雑所得とその他雑所得の区分とその判断基準

【第33回】

5 マイニング所得と雑所得

(1) マイニングとは

(2) 事案の概要

(3) 基礎事実(請求人による仮想通貨のマイニングについて)

(4) 当事者の主張と争点

(5) 審判所の判断

ア 審判所の判断枠組み

イ 結論と理由

【第34回】

6 異なる種類の暗号資産同士の交換は課税イベントか

【第35回】

7 暗号資産同士の交換時に課税しないという改正要望

【第36回】

8 暗号資産の所得は誰に帰属するか

【第37回】

9 暗号資産の節税コンサルティングの被害と損害賠償

(1) 事案の概要

(2) 事実関係

(3) 裁判所の判断

(4) 類似事案における重加算税の賦課

【第38回】

10 暗号資産に係る所得を分離課税にしてほしいという改正要望

【第39回】

11 詐欺・盗難等による暗号資産の損失①(譲渡原価等と現金類似の取扱い)

【第40回】

12 詐欺・盗難等による暗号資産の損失②(雑所得の基因となる資産の損失)

【第41回】

13 詐欺・盗難等による暗号資産の損失③(雑損控除)

【第42回】

14 秘密鍵を紛失した場合

【第43回】

15 暗号資産交換業者から暗号資産に代えて金銭の補償を受けた場合

(1) 国税庁の見解

(2) 損害賠償金の課税関係

【第44回】

(3) 補償金の非課税所得該当性

(4) タックスアンサーの回答の検討

【第45回】

16 暗号資産の損失と立証責任

(1) 事案の概要

(2) 基礎事実

(3) 争点

(4) 争点についての当事者の主張

【第46回】

(5) 審判所の判断

(6) コメント

【第47回】

17 ビットコインETFと分離課税(その1):概要

(1) SECによるビットコインETFの承認

(2) ETFとは

(3) ビットコインETFの特徴

【第48回】

18 ビットコインETFと分離課税(その2):問題意識①

【第49回】

19 ビットコインETFと分離課税(その3):問題意識②

【第50回】

20 ビットコインETFと分離課税(その4):本信託の概要

(1) 本信託と本件持分

(2) 本信託の設立

(3) 本信託の投資目的等

(4) 本信託とビットコイン等

(5) その他

【第51回】

21 ビットコインETFと分離課税(その5):本信託のスキーム図と主な関係者

(1) スキーム図

(2) 主な関係者

ア スポンサー(Sponsor)

イ 受託者(Trustee)

ウ 管理者(Administrator)

エ 名義書換代理人(Transfer Agent)

オ ビットコインカストディアン(Bitcoin Custodian)

カ キャッシュカストディアン(Cash Custodian)

キ 指定参加者(Authorized Participant)

ク 持分所有者(Shareholder)

ケ その他の関係者

【第52回】

22 ビットコインETFと分離課税(その6):本信託の仕組み

(1) 設定と償還(指定参加者による買注文と売注文)

ア バスケット単位による設定と償還

イ 発行プロセス

ウ 償還プロセス

(2) 資金の使途

(3) ハードフォークによって生ずる付随的権利等の取扱い

(4) 持分所有者に対する分配

(5) 本信託の終了

【第53回】 10/17公開

(6) 受益権と本件持分

ア 概要

イ 本件持分の発行方式等

ウ 本件持分の発行方式・譲渡方式等

(7) 米国連邦所得税の課税関係

ア スポンサーの意図

イ 信託課税

ウ 米国持分所有者に対する課税

(8) 非米国持分所有者への課税

(9) 米国における情報申告とバックアップ源泉徴収

・・・  以下、順次公開 ・・・

筆者紹介

泉 絢也

(いずみ・じゅんや)

東洋大学法学部准教授
博士(会計学)

2023年3月末まで千葉商科大学商経学部准教授、2023年4月より東洋大学法学部准教授。中央大学ビジネススクール非常勤講師。
(一社)アコード租税総合研究所研究顧問。
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。博士(会計学・中央大学)。
Twitter:@taxlaw17
ブログ:https://note.com/cryptotax/

【著書】
・泉絢也『逐条解説 法人税法第22条の2 収益認識会計基準に対応する法令・通達の論点整理』(清文社2023)(単著)
・泉絢也=藤本剛平『事例でわかる! NFT・暗号資産の税務』(中央経済社2022)(共著)
・泉絢也『パブリックコメントと租税法』(日本評論社2020)(単著)
・酒井克彦編『30年分申告・31年度改正対応 キャッチアップ仮想通貨の最新税務』(ぎょうせい2019)(共著)
・松嶋 隆弘=渡邊涼介編著『仮想通貨はこう変わる!!暗号資産の法律・税務・会計』(ぎょうせい2019)(共著)

【論文】
・「仮想通貨(暗号通貨、暗号資産)の譲渡による所得の譲渡所得該当性-アメリカ連邦所得税におけるキャピタルゲイン及び為替差損益の取扱いを手掛かりとして-」税法学581号3頁以下
・「NFT(ノンファンジブルトークン)の譲渡による所得は 譲渡所得か?もしそうであれば非課税所得か?」千葉商大論叢59巻3号143頁など
・「法人税法における暗号資産税制の問題点(1)・(2完)-期末時価評価課税の改正提言-」千葉商大論叢60巻1号73頁、千葉商大紀要60巻1号61頁
など多数

関連書籍

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