国境を越えた役務の提供に係る
消費税課税の見直し等と実務対応
【第2回】
「国境を越えた役務の提供に係る消費税の従来の取扱い」
国際医療福祉大学大学院准教授
税理士 安部 和彦
○●○ 本連載の構成 ○●○
【第1回】 改正前の国内取引の判定基準
【第2回】 国境を越えた役務の提供に係る消費税の従来の取扱い(本稿)
【第3回】 内外判定基準の見直し
【第4回】 リバースチャージ方式の導入
【第5回】 国外事業者申告納税方式と登録国外事業者制度
【第6回】 国外事業者が行う芸能・スポーツ等に係る消費税の課税方式の見直し
【第7回】 リバースチャージ方式等の導入に伴う実務上注意すべき取引
3 国境を越えた役務の提供に係る消費税の従来の取扱い
(1) デジタル財取引に対する消費税課税
EU等における付加価値税と同様に、わが国の消費税の課税対象となる取引は前述のとおり、国内取引、すなわち国内において事業者が行った資産の譲渡等である(消法4①)。したがって、国外において事業者が行った取引(国外取引)には消費税が課されない。
ところが近年、このような課税原則では対処できない取引が問題となっていた。それは、海外の事業者が提供する「電子書籍」や「ネット配信」に対して、果たして消費税の課税ができるのかという問題である。
すなわち、物品の輸入に関しては税関が消費税の徴収実務の一端を担うことにより対応可能であるが、「電子書籍」や「ネット配信」といったサービスの輸入に関しては税関の役割を果たすプレーヤーがおらず、制度の執行が問題となるわけである。
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