組織再編税制の歴史的変遷と制度趣旨
【第52回】
公認会計士 佐藤 信祐
(《第8章》 平成18年から平成21年までの議論)
(3) 繰越欠損金
平成19年に『組織再編における繰越欠損金の税務詳解』(中央経済社)を上梓したが、その後、平成21年に第2版を上梓したため、本稿では、第2版に基づいて解説を行う。
① 繰越欠損金を利用するための適格合併
拙著『組織再編における繰越欠損金の税務詳解(第2版)』(中央経済社)37-38頁では、繰越欠損金を利用するために、支配関係が生じてから5年を経過しているグループ会社と合併を行う場合につき、ペーパー会社との合併を例に挙げて、清算をした場合と比較しても、事務上の手間が変わらないことから、包括的租税回避防止規定を適用することが困難であるとした。
その後、平成22年度税制改正により、清算により、完全子法人の残余財産が確定した場合であっても、適格合併を行った場合と同様に、繰越欠損金を引き継ぐことができるようになったため、現行法上は、なおさら包括的租税回避防止規定が適用されるリスクは少ないと解される。
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