公開日: 2022/04/14 (掲載号:No.465)
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谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」 【第1回】「国税通則法のコンメンタール的「読み物」の連載を始めるに当たって」-国税通則法制定の趣旨と国税通則法の「構造」の意義-

筆者: 谷口 勢津夫

谷口教授と学ぶ

国税通則法構造手続

【第1回】

「国税通則法のコンメンタール的「読み物」の連載を始めるに当たって」

-国税通則法制定の趣旨と国税通則法の「構造」の意義-

 

大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫

 

1 はじめに

一昨年(2020年)12月に連載「谷口教授と学ぶ『税法の基礎理論』」を終えるに際し(同第50回)、「谷口教授と学ぶ」をシリーズ化して、「国税通則法の構造と手続」及び「税法基本判例」の連載を昨年4月から始めさせていただく旨を述べたが、「税法基本判例」の連載は予定どおり始めたのに対して、「国税通則法の構造と手続」の方は、筆者の個人的な事情により、連載を1年間延期させていただいた。記してお詫び申し上げる次第である。

本連載は、国税通則法について基本的には逐条的に、場合によっては「節」あるいは「款」を単位にして、筆者の問題関心に基づき論点を選んで検討を加えようとするものである。その意味で、本連載は、形式の点ではコンメンタール的なものではあるが、内容の点では、条文の意味内容の正確な理解のために条文を逐条的に解説するコンメンタールではなく、他の「谷口教授と学ぶ」シリーズと同じく(「税法の基礎理論」(全50回完結)第1回、「税法基本判例」(昨年4月から連載中)第1回参照)、原則1回読み切りの「読み物」(コンメンタール的「読み物」)とすることを基本コンセプトとするものである。

なお、以下の叙述を読まれてお気づきになることと思われるが、本連載では、文献資料等の原典をできるだけそのまま引用するように心がけることにする。それは、「谷口教授と学ぶ」シリーズでは、そうすることによって、文献資料等について筆者の理解したところを、読者には、原典に当たって検討しながら読んでもらいたいと考えているからである(谷口教授と学ぶ「税法の基礎理論」第50回参照)。

 

2 国税通則法制定の趣旨

本連載において検討する論点は条文等ごとに筆者の問題関心に基づいて選ぶものであるが、その選定に当たっては、税制調査会「国税通則法の制定に関する答申(税制調査会第二次答申)」(昭和36年7月。以下「国税通則法答申」という)1頁にいう「国税通則法制定の趣旨」を重視することにする(ただし、その「趣旨」に対する見方には注意を要するが、この点についてはで国税通則法の「構造」に関して述べる)。同答申1-2頁は「国税通則法制定の趣旨」について次のとおり述べている(下線筆者)。少し長くなるがそのまま引用しておこう。

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谷口教授と学ぶ

国税通則法構造手続

【第1回】

「国税通則法のコンメンタール的「読み物」の連載を始めるに当たって」

-国税通則法制定の趣旨と国税通則法の「構造」の意義-

 

大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫

 

1 はじめに

一昨年(2020年)12月に連載「谷口教授と学ぶ『税法の基礎理論』」を終えるに際し(同第50回)、「谷口教授と学ぶ」をシリーズ化して、「国税通則法の構造と手続」及び「税法基本判例」の連載を昨年4月から始めさせていただく旨を述べたが、「税法基本判例」の連載は予定どおり始めたのに対して、「国税通則法の構造と手続」の方は、筆者の個人的な事情により、連載を1年間延期させていただいた。記してお詫び申し上げる次第である。

本連載は、国税通則法について基本的には逐条的に、場合によっては「節」あるいは「款」を単位にして、筆者の問題関心に基づき論点を選んで検討を加えようとするものである。その意味で、本連載は、形式の点ではコンメンタール的なものではあるが、内容の点では、条文の意味内容の正確な理解のために条文を逐条的に解説するコンメンタールではなく、他の「谷口教授と学ぶ」シリーズと同じく(「税法の基礎理論」(全50回完結)第1回、「税法基本判例」(昨年4月から連載中)第1回参照)、原則1回読み切りの「読み物」(コンメンタール的「読み物」)とすることを基本コンセプトとするものである。

なお、以下の叙述を読まれてお気づきになることと思われるが、本連載では、文献資料等の原典をできるだけそのまま引用するように心がけることにする。それは、「谷口教授と学ぶ」シリーズでは、そうすることによって、文献資料等について筆者の理解したところを、読者には、原典に当たって検討しながら読んでもらいたいと考えているからである(谷口教授と学ぶ「税法の基礎理論」第50回参照)。

 

2 国税通則法制定の趣旨

本連載において検討する論点は条文等ごとに筆者の問題関心に基づいて選ぶものであるが、その選定に当たっては、税制調査会「国税通則法の制定に関する答申(税制調査会第二次答申)」(昭和36年7月。以下「国税通則法答申」という)1頁にいう「国税通則法制定の趣旨」を重視することにする(ただし、その「趣旨」に対する見方には注意を要するが、この点についてはで国税通則法の「構造」に関して述べる)。同答申1-2頁は「国税通則法制定の趣旨」について次のとおり述べている(下線筆者)。少し長くなるがそのまま引用しておこう。

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連載目次

谷口教授と学ぶ「国税通則法の構造と手続」

筆者紹介

谷口 勢津夫

(たにぐち・せつお)

大阪学院大学法学部教授

1956年高知県生まれ。京都大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科博士後期課程単位修得退学。甲南大学法学部教授、大阪大学大学院高等司法研究科教授を経て2022年4月より現職。大阪大学名誉教授。ほかに大阪大学大学院高等司法研究科長・大阪大学法務室長、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨励研究員(Forschungsstipendiat der Alexander von Humboldt-Stiftung)・ミュンヘン大学客員研究員、日本税法学会理事長、租税法学会理事、IFA(International Fiscal Association)日本支部理事、資産評価政策学会理事、司法試験考査委員、公認会計士試験試験委員、独立行政法人造幣局契約監視委員会委員・委員長、大阪府収用委員会委員・会長、大阪府行政不服審査会委員・会長、公益財団法人日本税務研究センター評議員・同「日税研究賞」選考委員、公益財団法人納税協会連合会「税に関する論文」選考委員、公益社団法人商事法務研究会「商事法務研究会賞」審査委員、近畿税理士会・近畿税務研究センター顧問など(一部現職。ほか歴任)。

主要著書は『租税条約論』(清文社・1999年)、『租税回避論』(清文社・2014年)、『租税回避研究の展開と課題〔清永敬次先生謝恩論文集〕』(共著・ミネルヴァ書房・2015年)、『税法の基礎理論』(清文社・2021年)、『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)、『基礎から学べる租税法〔第3版〕』(共著・弘文堂・2022年)、『税法創造論』(清文社・2022年)、『税法基本判例Ⅰ』(清文社、2023年)など。
 
  

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