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改正電子帳簿保存法と企業実務 【第1回】「電子帳簿保存法の導入経緯」

筆者:袖山 喜久造

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改正電子帳簿保存法と企業実務

【第1回】

「電子帳簿保存法の導入経緯」

 

税理士 袖山 喜久造

 

(1) 電子帳簿保存法の創設

企業等の帳簿書類の保存義務は、法人税法のほか消費税法、所得税法、地方税法などに規定されており、書面で作成された帳簿の備付け及び保存、書面で作成又は受領した書類が対象とされている。

30年ほど前から一般的となったコンピュータ会計により、中小企業においても電子計算機により記帳し帳簿を作成できるようになったが、帳簿書類はデータで保存することが可能となったにもかかわらず、税法の規定により、法定保存期間中、紙で保存しなければならなかった。

平成10年7月に施行された電子帳簿保存法は、このような納税者の国税関係帳簿書類の保存に係る負担の軽減等を図るために、その電磁的記録等による保存等を容認した法律である。

納税者の国税関係帳簿書類の備付け、保存という行為は、申告納税制度の基礎をなすものであることから、電子帳簿保存法では、あらかじめ所轄の税務署長等の承認を受け、かつ、適正公平な課税の確保に必要な一定の要件に従った形で、電磁的記録等の保存等を行うことが条件とされている。

電子帳簿保存法においては、帳簿書類の保存方法の特例のほかに、法人税法等では規定されていなかった電子取引に係る取引情報の電磁的記録の保存について義務付けている。

所得税法及び法人税法では、取引に関して相手方から受け取った注文書、領収書等や相手方に交付したこれらの書類の写しの保存義務が定められているが、これらの書類に記載される取引情報等を電子取引により授受した場合には、この注文書、領収書等の原始記録の保存が行われない結果となりかねない状況となりつつあったため、電子帳簿保存法の第10条において当該電磁的記録の保存が義務付けられた。

電子取引については、当初はEDI取引等の限定的な取引手法として利用されてきたが、昨今ではメールによる取引情報の授受はごく一般的であり、このほか技術革新により新しい技術がどんどん採用され、取引の方法や形態がどんどん多様化しており、現状の電子帳簿保存法第10条の規定のみでは運用が困難になりつつあるといえる。

しかしながら、電子取引による取引情報の授受に該当するデータを保存していない場合には罰則規定もあることから、少なくとも廃棄することなく法定保存期間中、保存することが最低限必要である。

 

(2) e-文書法の施行、スキャナ保存制度の導入

平成17年4月に施行されたe-文書整備法により、国税関係書類についても電子保存ができる措置が義務付けられ、電子帳簿保存法の改正が行われた。このスキャナ保存制度が導入され、これにより紙でしか保存ができなかった国税関係書類のスキャンデータによる保存が容認された。


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筆者紹介

  • 袖山 喜久造

    (そでやま・きくぞう)

    税理士
    SKJ総合税理士事務所 所長

    国税庁調査課、国税庁調査部を含め15年間を大企業の法人税調査等事務に従事。大企業に対する電子帳簿保存法の審査指導担当の情報技術専門官を歴任。平成24年7月退職。同年税理士登録。

    税務コンサルタントのほか、電子帳簿保存法関連のコンサルタントを行う。ファルクラム租税法研究会研究員。

    【著書】
    ・『「電子帳簿保存法のデータ保存・スキャナ保存」完全ガイド』(税務研究会出版局)
    ・『徹底ガイド 国税 税務申請・届出手続のすべて』共著(清文社)

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