公開日: 2016/06/09 (掲載号:No.172)
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延滞税の除算期間に係る計算期間の特例の見直しについて~最高裁判決を受けた平成28年度税制改正事項~

筆者: 佐藤 善恵

延滞税の除算期間に係る計算期間の特例の見直しについて

~最高裁判決を受けた平成28年度税制改正事項~

 

税理士 佐藤 善恵

 

はじめに

延滞税は、法定納期限までに国税が完納されなかったときに、未納額及び遅延期間に応じて課されるものであるが(通法60)、長期間に遡って更正処分がされた場合等は、延滞税の計算期間から一定期間を除くこととされている(通法61)。

これが、いわゆる「除算期間」(計算期間の特例)である。

この除算期間は、税務調査による更正・決定等の時期が税務官庁の事務都合で左右されることから、それによる各納税者の延滞税の負担の違いを救済するといった趣旨によるものである。

平成28年度税制改正では、この除算期間について新たな条項が追加され見直しが行われることとなった(通法61②)。

なお、この改正は、最高裁平成26年12月12日判決が契機となったものであり、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用される。

本稿ではこの改正内容について解説を行う。

 

1 従前からの計算期間の特例

修正申告書の提出又は更正があった場合、偽りその他不正の行為に係る部分等を除き、次の期間が延滞税の計算期間から除かれる(通法61①)。したがって、重加算税が課された場合等は、この特例の適用はない(参考:昭和51年6月10日徴管2-35外「延滞税の計算期間の特例規定の取扱いについて」)。

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延滞税の除算期間に係る計算期間の特例の見直しについて

~最高裁判決を受けた平成28年度税制改正事項~

 

税理士 佐藤 善恵

 

はじめに

延滞税は、法定納期限までに国税が完納されなかったときに、未納額及び遅延期間に応じて課されるものであるが(通法60)、長期間に遡って更正処分がされた場合等は、延滞税の計算期間から一定期間を除くこととされている(通法61)。

これが、いわゆる「除算期間」(計算期間の特例)である。

この除算期間は、税務調査による更正・決定等の時期が税務官庁の事務都合で左右されることから、それによる各納税者の延滞税の負担の違いを救済するといった趣旨によるものである。

平成28年度税制改正では、この除算期間について新たな条項が追加され見直しが行われることとなった(通法61②)。

なお、この改正は、最高裁平成26年12月12日判決が契機となったものであり、平成29年1月1日以後に法定申告期限が到来する国税について適用される。

本稿ではこの改正内容について解説を行う。

 

1 従前からの計算期間の特例

修正申告書の提出又は更正があった場合、偽りその他不正の行為に係る部分等を除き、次の期間が延滞税の計算期間から除かれる(通法61①)。したがって、重加算税が課された場合等は、この特例の適用はない(参考:昭和51年6月10日徴管2-35外「延滞税の計算期間の特例規定の取扱いについて」)。

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筆者紹介

佐藤 善恵

(さとう・よしえ)

税理士
京都大学MBA、京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得満期退学、税法学会会員

同志社大学大学院総合政策科学研究科非常勤講師等・近畿税理士会 調査研究部専門委員を経て、2010~2014年大阪国税不服審判所 国税審判官、2016年5月~大阪市行政不服審査会委員(会長代理・税務第1部会部会長)、2019年4月~神戸学院大学法学部教授

HP http://www.yoshie-sato.com/

【主な著書等】
『仮想通貨をめぐる法律・税務・会計』(共著)ぎょうせい
Q&A 実務に役立つ法人税の裁決事例選』清文社
『税制改正のポイント(小冊子)』(共著)清文社
Q&A 税務調査・税務判断に役立つ 裁判・審査請求読本』清文社
『判例裁決から見る加算税の実務(第2版)』税務研究会出版局
社長のギモンに答える法人税相談室』清文社
『税理士のための相続をめぐる民法と税法の理解』(共著)ぎょうせい
『税務訴訟と要件事実論』(共著)清文社

 

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