〔失敗事例から考える〕
この相続対策の問題はドコ!?
【第3回】
(最終回)
「贈与税の配偶者控除に関する失敗事例(その2)」
~贈与を原因とする所有権移転登記の要否~
公認会計士・税理士
木下 勇人
- 事 例 -
資産家の夫は余命2ヶ月の宣告を受けた妻に対し、贈与税の配偶者控除を使って自宅2,110万円に相当する持分(全体持分の5分の1)を贈与することを12月15日に決定した。
この決定の背景には、1人娘が義理の両親と2世帯住宅で一緒に住むことになったため、いわゆる「家なき子特例」が娘に使えなくなるということを顧問税理士から教えてもらったことがある。つまり、保有資産が少額である妻を経由して、娘に自宅の一部を相続させるほうが節税になると判断したわけである。
妻が意識を保てる期間はそう長くないため、顧問税理士へ早急に段取りを確認したところ、贈与契約を締結するだけでは要件を満たしておらず、当該贈与契約に基づく所有権移転登記が必ず必要との回答があった。
そこで、贈与契約と所有権移転登記の手続を同時に進めるため、税理士へ司法書士の紹介を依頼した3日後、妻の容態が急変し帰らぬ人となってしまった(贈与契約未了)。妻の推定相続人は、夫・長女の2名である。
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