これだけ知っておこう!
『インド税制』
【第1回】
「税制の全体像と法人所得課税」
公認会計士・税理士
野瀬 大樹
●○●- はじめに -●○●
会計士として日系企業向けにインド税務に関するアドバイスを提供していると、よく「インドの税制は非常に複雑ですね」という感想をいただくことがある。
ただ、実務を担当している筆者の見解では、インド税制とはいえ基本的な構造自体は日本の税制と同じである。
では何が「複雑」なのかと言うと、その基本的構造から派生する税の種類、そして特例の多さ、さらには条文と実務上の対応の違いと言える。
特に間接税の複雑さは日本の比ではなく、「消費税が何種類もあり、かつ何を売るか、どこに拠点があるかによって税率も異なる」と思っていただけると理解しやすいのではないだろうか。
また、例外規定が多いのはインド税制の特徴で、それを網羅的に把握するのはインドの会計士であっても大変であるため、日本にある特に中小企業がこれを理解・把握するには当然困難が予想される。
しかしモディ政権により、さまざまな規制緩和が期待されるインドは、中国リスクが伝えられるようになった昨今、日本の中小企業としても意識せざるを得ない巨大市場であるので、本連載では簡潔かつ分かりやすくインド税制について解説してみたい。
1 インド税制の全体像
(1) インドの直接税
インドにおける直接税は、大きく分けて以下の4つ。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。