公開日: 2016/12/08 (掲載号:No.197)
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家族信託による新しい相続・資産承継対策 【第2回】「家族信託普及の潮流」

筆者: 荒木 俊和

家族信託による

新しい相続・資産承継対策

【第2回】

「家族信託普及の潮流」

 

弁護士 荒木 俊和

 

1 はじめに

家族信託は近時になって相続・資産承継対策の手法として広まりを見せつつあるものであるが、本稿ではなぜ近時まで利用されてこなかったのか、どのようなきっかけで広まってきたのかについて解説する。

まず前提としての信託関係の法制度の変遷について触れた上で、普及の拡大を進めた団体の活動等について述べる。

 

2 信託法制の変遷

家族信託は、基本的に家族内で信託契約を締結し、資産の管理・処分を子、孫又は配偶者等に対して委ねるということが眼目となっている。

このため、家族信託を実行するためには信託法に則った信託契約を締結することが前提となる。

また、一方で家族間での信託といっても必ずしも信託業法による規制の対象外というものではないため、信託業法に違反しないよう運用することも不可欠である。

これらの観点から、日本における信託法制の変遷について概観する。

まず、日本においては明治時代から無尽会社や貸金業者において信託類似の業務が取り扱われてきたが、現在の信託銀行や信託会社のように健全性の担保された事業体ではなく、不健全な経営状態の会社も多く見受けられる状況があった。

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家族信託による

新しい相続・資産承継対策

【第2回】

「家族信託普及の潮流」

 

弁護士 荒木 俊和

 

1 はじめに

家族信託は近時になって相続・資産承継対策の手法として広まりを見せつつあるものであるが、本稿ではなぜ近時まで利用されてこなかったのか、どのようなきっかけで広まってきたのかについて解説する。

まず前提としての信託関係の法制度の変遷について触れた上で、普及の拡大を進めた団体の活動等について述べる。

 

2 信託法制の変遷

家族信託は、基本的に家族内で信託契約を締結し、資産の管理・処分を子、孫又は配偶者等に対して委ねるということが眼目となっている。

このため、家族信託を実行するためには信託法に則った信託契約を締結することが前提となる。

また、一方で家族間での信託といっても必ずしも信託業法による規制の対象外というものではないため、信託業法に違反しないよう運用することも不可欠である。

これらの観点から、日本における信託法制の変遷について概観する。

まず、日本においては明治時代から無尽会社や貸金業者において信託類似の業務が取り扱われてきたが、現在の信託銀行や信託会社のように健全性の担保された事業体ではなく、不健全な経営状態の会社も多く見受けられる状況があった。

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連載目次

家族信託による
新しい相続・資産承継対策

▷総論

▷よくある質問・留意点

▷外部専門家等の活用

▷家族信託におけるリスク・デメリット

▷信託契約作成上の留意点

▷家族信託の活用事例~不動産編~

▷家族信託の活用事例~株式編~

筆者紹介

荒木 俊和

(あらき・としかず)

弁護士・札幌弁護士会所属

アンサーズ法律事務所
 http://answerz-law.com

つなぐ相続アドバイザーズ
 http://www.tsunagu-s.jp

昭和57年 三重県生まれ
平成17年 一橋大学法学部卒業
平成20年 東京大学法科大学院修了
 同 年 司法試験合格
平成21年 司法修習修了(新62期)、弁護士登録
平成22年 森・濱田松本法律事務所入所
平成24年 札幌みずなら法律事務所(現・みずなら法律事務所)入所
平成26年 アンサーズ法律事務所設立
     株式会社つなぐ相続アドバイザーズ設立 取締役就任

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