公開日: 2018/07/12 (掲載号:No.276)
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税理士のための〈リスクを回避する〉顧問契約・委託契約Q&A 【第11回】「他の専門家の成果物を前提として業務を行う場合」

筆者: 米倉 裕樹、元氏 成保、橋森 正樹

税理士のための

〈リスクを回避する〉
顧問契約委託契約

【第11回】

「他の専門家の成果物を前提として業務を行う場合」

 

弁護士・税理士
米倉 裕樹
弁護士・ 関西大学法科大学院教授
元氏 成保
弁護士・税理士
橋森 正樹

 

Aは税理士Yに対し、父親(既に死亡している)の養親であるBの相続税の申告の相談をした。その際、YはAの要望により、Bの遺産である不動産の相続登記申請手続に必要な事項全般について依頼することを前提に、Aに対して司法書士Zを紹介した。結局、Aはその紹介に基づいて、Yを介して、Zに対して同不動産の相続登記申請手続に必要な事項全般を依頼することとなった。

Aは、自らが収集した戸籍謄本などの関係書類をZに手渡し、相続関係図の作成を依頼し、Zはその依頼に基づいて相続関係図を作成した。しかしその際、実は、Aは父親(既に死亡)とBとの養子縁組前に出生しているので、民法887条2項但書に基づき、父親を代襲して相続人となることはできず、Bの相続人は、Bの実子であるXのみだったのだが、Zは誤ってXとAの2名が相続人であるとする相続関係図を作成し、それをYに交付した。

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税理士のための

〈リスクを回避する〉
顧問契約委託契約

【第11回】

「他の専門家の成果物を前提として業務を行う場合」

 

弁護士・税理士
米倉 裕樹
弁護士・ 関西大学法科大学院教授
元氏 成保
弁護士・税理士
橋森 正樹

 

Aは税理士Yに対し、父親(既に死亡している)の養親であるBの相続税の申告の相談をした。その際、YはAの要望により、Bの遺産である不動産の相続登記申請手続に必要な事項全般について依頼することを前提に、Aに対して司法書士Zを紹介した。結局、Aはその紹介に基づいて、Yを介して、Zに対して同不動産の相続登記申請手続に必要な事項全般を依頼することとなった。

Aは、自らが収集した戸籍謄本などの関係書類をZに手渡し、相続関係図の作成を依頼し、Zはその依頼に基づいて相続関係図を作成した。しかしその際、実は、Aは父親(既に死亡)とBとの養子縁組前に出生しているので、民法887条2項但書に基づき、父親を代襲して相続人となることはできず、Bの相続人は、Bの実子であるXのみだったのだが、Zは誤ってXとAの2名が相続人であるとする相続関係図を作成し、それをYに交付した。

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連載目次

筆者紹介

米倉 裕樹

(よねくら・ひろき)

弁護士・税理士

【経歴等】
立命館大学法学部卒
1999年大阪弁護士会登録(第51期)
弁護士法人北浜法律事務所 パートナー弁護士
近畿弁護士会連合会税務委員会委員長(平成27年5月~同29年4月)

【著書・論文等】
相続税 税務調査[指摘事項]対応マニュアル」(清文社2018年出版)共著
弁護士と税理士の相互質疑応答集」(清文社2017年出版)編者・共著
税理士が実際に悩んだ相続問題の法務と税務」(清文社2014年出版)
有利な心証を勝ち取る民事訴訟遂行」(清文社2015年出版)
「弁護士は民事裁判をどう見ているか(調査結果の分析)」(日本弁護士連合会「自由と正義」共著、2013年8月号)
「Doing Business in Japan」(53版改訂版以降、執筆担当Consumption Tax(消費税)共著、LexisNexis社、2013年~)
そこが危ない!消費増税をめぐる契約実務Q&A」(清文社2013年出版)等

  
 


元氏 成保

(もとうじ・しげほ)

弁護士・関西大学法科大学院教授

【経歴等】
2001年3月  京都大学法学部卒
2002年10月 大阪弁護士会登録(第55期)
共栄法律事務所 パートナー弁護士
関西大学法科大学院教授(租税法、行政法)
近畿弁護士会連合会税務委員会 副委員長

【著書・論文等】
相続税 税務調査[指摘事項]対応マニュアル」(清文社2018年出版)共著
弁護士と税理士の相互質疑応答集」(清文社2017年出版)編者・共著
「固定資産税の台帳課税主義とその限界」(滝井繁男先生追悼論集 日本評論社2017年出版)
「新実務家のための税務相談 民法編」(有斐閣2017年出版)共著
「租税法判例実務解説」(信山社2011年出版)共著
「職務発明に関して従業者等が使用者等から受け取る金員の所得区分」(水野武夫先生古稀記念論文集 法律文化社2011年出版)

  


橋森 正樹

(はしもり・まさき)

弁護士・税理士

【経歴等】
早稲田大学法学部卒
2002年大阪弁護士会登録(第55期)
橋森・幡野法律会計事務所 所長
近畿弁護士会連合会税務委員会 委員長(平成29年5月~)

【著書・論文等】
相続税 税務調査[指摘事項]対応マニュアル」(清文社2018年出版)共著
「企業税務講座」(労働調査会発行2011年から連載)
弁護士と税理士の相互質疑応答集」(清文社2017年出版)編者・共著
「Q&A高齢者施設・事業所の法律相談-介護現場の76問-」(日本加除出版2015年出版)共著
「事例解説 教育対象暴力-教育現場でのクレーム対応-」(ぎょうせい2015年出版)編者・共著
「事例にみる遺言の効力」(新日本法規2011年出版)共著等

  

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