〈まずはこれだけおさえよう〉
民法(債権法)改正と
企業実務への影響
【第3回】
「定型約款」
堂島法律事務所
弁護士 奥津 周
司法書士法人F&Partners
司法書士 北詰 健太郎
1 定型約款の定義
要綱1
1 定型約款の定義
定型約款の定義について、次のような規律を設けるものとする。
定型約款とは、定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。以下同じ。)において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいう。
(※) 法制審議会にて決定された「民法(債権関係)の改正に関する要綱」47頁より抜粋。
(1) 約款に関する改正がなされた背景
電気やガスなどを利用する場合、電車や飛行機を利用する場合あるいは保険契約を締結する場合にみられるように、現代社会では「約款」を利用して契約が締結されることが多い。しかし、多くの読者の方も経験があると思われるが、一般的に約款に目を通す人は少なく、約款の条項について個別に交渉することは少ないのが実情である。
成立した契約内容(契約書記載の各条項の内容)に当事者が拘束されるのは、当事者が契約の内容を理解し、合意していることに根拠がある。そのため、約款を用いた契約の多くは、各条項をまったく見ることもなく契約をすることから、約款に定める各条項が契約内容となる根拠がないのではないかと指摘されていた。
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