企業の不正を明らかにする
『デジタルフォレンジックス』
【第6回】
「デジタルフォレンジックスの現場」
~調査編①~
プライスウォーターハウスクーパース株式会社
シニアマネージャー
池田 雄一
1 はじめに
【第4回】および【第5回】で解説したとおり、証拠として収集されたデータは、よほどの理由がない限り現地で調査を行うことはなく、ラボに持ち帰りデジタルフォレンジック調査を行う。
そこで今回からは、前回までの証拠収集編に続き、デジタルフォレンジックの調査編として2回にわたり、実際の調査アプローチや調査に使用されるツールなどについても触れていきたい。
2 案件の性質に合わせる調査アプローチ
「デジタルフォレンジックス」が「コンピュータフォレンジックス」や「モバイルフォレンジックス」などの複数の分野の総称である旨は【第1回】で触れたが、「デジタルフォレンジックス」が適用されるあらゆる調査案件において、そのアプローチは大きく分けて「文系的アプローチ」と「理系的アプローチ」の2種に分類される。
案件の性質によって、「文系的アプローチ」、「理系的アプローチ」のどちらか、または2種のアプローチを織り交ぜた「ハイブリット型アプローチ」がとられる。
(1) 「文系的アプローチ」とは
「文系的アプローチ」と聞くと、完全に理系な調査手法として認識されているであろう「デジタルフォレンジックス」と相反する印象を持つかもしれないが、実際に行われているデジタルフォレンジックス調査には文系的要素も少なからず含まれる。
「文系的アプローチ」とは、その名の通り、コンピュータそのものに関する知識を必要としない調査アプローチである。
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