『デジタルフォレンジックス』を使った
企業不正の発見事例
【第3回】
「産業スパイの調査に使われるデジタルフォレンジックス」
PwCアドバイザリー合同会社
マネージャー
吉田 卓
1 はじめに
第3回では、産業スパイ事件におけるデジタルフォレンジックス調査について、筆者が実際に担当した、自動車メーカーにおける産業スパイ事件のケーススタディーを中心にして述べさせていただく。平時からの対策についても本稿の最後で述べているので、参考としていただければ幸いである。
ビジネスがグローバル化し、中国、韓国を中心とするアジア諸国の競合他社が急激に勢力を拡大しているが、その背後では、日本企業に在籍する優秀な技術者の「引き抜き」合戦が活発に行われていることは、周知の事実ではないだろうか。
個人の意思による、健全な転職を阻止することはできないが、転職する個人が会社の機密情報を持ち出し、転職先がそれを期待しているのが実態であり、その点に関して会社としては十分に注意をし、対策をとることが必要であることは言うまでもない。
2 産業スパイのスキーム
産業スパイに関する定義は、一般的に「企業のもつ経営や技術などに関する情報を不正に探知・入手する行為のこと。また、それらの行為をする人」とされている。
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