〔税理士・会計士が知っておくべき〕
情報システムと情報セキュリティ
【第2回】
「IT サービス(クラウド、SaaS、ASP)とは」
公認会計士 坂尾 栄治
クラウドとは
クラウド(cloud)という言葉は2009年頃から頻繁に使われるようになったが、正確には「クラウド・コンピューティング」の略である。
システムの絵を書くときにネットワークを雲のマークで表すのが一般的であるため、ネットワークの向こう側にデータを置いたり、ネットワークの向こう側のソフトウエアを利用したりすること、すなわち、データやソフトウエアの所在を意識することなく、アクセスしあるいは利用することをこのクラウド(雲)という言葉で表すようになった。
2006年8月にグーグルのCEOであるエリック・シュミットが唱えたところから、世間に広く知られるようになったといわれている。
クラウド・コンピューティングと呼ばれるサービスには、具体的には以下のようなものがある。
データやファイルを保存するストレージサービスとしては、sugar syncやEverNoteなどが、また、メール・サービスとしてはGmailやYahooMailなどがある。さらに、エコポイントで日本国内での認知度を一気に上昇させたSalesforce.comによるアプリケーションの提供や、amazonは、よりクラウドの概念を定着させ、また普及に弾みをつけたと思われる。
パブリック・クラウドとプライベート・クラウド
パブリック・クラウドとは、不特定多数の利用者を対象に提供されるクラウドを指す。通常、クラウド・コンピューティングといった場合は、このパブリック・クラウドを指す。
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