ファーストステップ
管理会計
【第1回】
「管理会計は『ワタシ流』でOK!」
公認会計士 石王丸 香菜子
☆ はじめに ☆
皆さんは「管理会計」と聞くと、どのようなイメージを持ちますか?
「会計」というだけでも、細かくて難しいイメージなのに、その上に「管理」なんて堅苦しい言葉が乗っていては、とっつきにくい雰囲気ですね。
ですが、管理会計にそんなイメージを抱くのは間違いです。
管理会計は、実は自由で、応用の利く会計なのです。
◆管理会計の目的は何?
「会計」は、大きく「財務会計」と「管理会計」とに分けることができます。
企業には、多くの利害関係者がいます。企業の株主や債権者、税務当局などがこれに当たります。企業の会計情報を、こうした利害関係者に対して提供することを目的とするのが、「財務会計」です。
企業外部の人間に、企業の財政状態や経営成績などの情報を提供することが目的ですから、各企業が自由に処理をして、バラバラに開示するのでは困ります。そのため、一定の基準に従って会計処理を行い、定められたフォームで会計情報を開示することが求められます。金融商品取引法や会社法、税法などに基づき行う会計が、これに当たります。
一方、「管理会計」は、企業内部の経営者や管理者が、企業自身の情報を分析して利用するために行う会計を指します。
企業内部の情報を分析して、自らの意思決定に役立てることが目的ですから、細かい処理方法などが規則で定められているわけではありません。企業内部で役に立つ情報を得るために行う会計ですので、オーバーな言い方をすれば、管理会計は『ワタシ流』でいいわけです。
◆月末の主婦は無意識に管理会計を実践している?
一家の家計を預かる主婦は、家計簿をつけている方が多いのではないでしょうか。『ドラえもん』でも、のび太のお母さんが家計簿をつけながら、「今月も赤字だわ~」などと言うシーンがありますね。
家計簿をつけるのは、家計の支出を把握し、予定以上に使っていた場合には、原因を分析し、今後の家計管理に役立てるためです。管理会計もこれと同じで、企業内部の情報を分析し、将来の意思決定に役立てるために行います。
家計簿は、外部に開示するためのものではありませんから、定められたやり方をする必要はありません。管理会計も、企業内部の情報を分析するために行うものですから、どんな方法で行っても構わないのです。ですが、いくら管理会計が『ワタシ流』でいいとは言っても、あてずっぽうにデタラメなことをしていては、目的が果たせません。家計簿をまったくつけずに、ドンブリ勘定で浪費していては、家計がまわらなくなるのと同じです。
ですから、管理会計の考え方の基本を理解するのは、とても大切なことなのです。
◆まずは差異分析をしてみよう
家計簿をつけている人は、月末に何をしているでしょうか。
のび太のお母さんが毎月ぼやいているだけでは、ドラえもんがいても、野比家はいつか夜逃げしなければなりません。家計簿をつけて赤字だとしたら、その原因を分析して、来月以降の生活にこれを反映させているはずです。
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