老コンサルタントが出会った
『問題の多い相続』のお話
【第7回】
「自筆証書遺言の改正で公正証書遺言は不要になるか?」
~過去の経験からの学び~
財務コンサルタント
木山 順三
〔ますます手軽になった「自筆証書遺言」〕
前回に続き、「遺言」について考えてみたいと思います。
皆さまご案内の通り、このたびの民法等の改正に伴い「遺言制度の見直し」が行われました。その中でも特に身近な項目として、①「自筆証書遺言の作成方法の緩和」(2019年1月13日から)と、②「自筆証書遺言の保管制度の新設」(2020年7月10日から)が挙げられます。
私のようなコンサルタントの身としては、遺言書作成のコンサル依頼を受けますと、極力「公正証書遺言」の作成をお勧めしているのですが、その作成の手軽さから、「とりあえず自筆(証書遺言)で。」と言われるクライアントが結構おられます。
今回の改正によって「自筆証書遺言」の作成がますます手軽になる反面、それが新たな問題を引き起こす恐れもあるのではないか・・・と懸念しています。
一方、私自身がこれまで関わってきた相続遺言の事案では、今回の改正でかなり助かるようになる一面があるのも事実です。
そこで以下では、私が過去に関与した3つの事案を思い起こすとともに、今後の遺言書作成に注意しなければならない点等を検討してみましょう。
〔事案1:阪神・淡路大震災の倒壊家屋から出てきた遺言書〕
Aさんは残念なことに、1995年に起きた阪神・淡路大震災により亡くなられました。残された家族は、奥様をはじめ長女・次女の子供2人でした。Aさんは大変きっちりとした性格の持ち主でしたので、日頃から「財産管理ノート」を作成し、財産の管理をやっておられました。
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