公開日: 2019/08/08 (掲載号:No.330)
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老コンサルタントが出会った『問題の多い相続』のお話 【第8回】「その相続対策、早計ではありませんか?」~相続増税と時代の流れで、変わる“優先順位”~

筆者: 木山 順三

カテゴリ:

老コンサルタントが出会った

『問題の多い相続』お話

【8回】

「その相続対策、早計ではありませんか?」

~相続増税と時代の流れで、変わる“優先順位”~

 

財務コンサルタント
木山 順三

 

〔あらためて「常識とされる相続対策」について考えてみた〕

高齢化の社会経済情勢や国民の意識の変化を踏まえた改正相続法(「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」と「法務局における遺言書の保管等に関する法律」)が、7月から本格的に施行されました(一部未施行)。

また、既に平成27年1月1日以降の相続開始分からは相続税の基礎控除が従前の6割まで引き下げられ、これにより相続税の課税割合はそれ以前の4%から8%へと大幅に増加しています。

これら相続に関する法律の改正は、我々(の人生)に直接降りかかってくるものです。

この連載の【第1回】でも取り上げましたが、法改正や時代の流れ、人の意識の変化を踏まえた相続税の節税対策の是非について、少し別の角度から考察してみたいと思います。

 

〔世間一般の節税策の現状・・・〕

冒頭述べた相続税の税負担増になってから、特に富裕者層をはじめとして、節税対策により高い関心を示す情勢となってまいりました。

ただし、未だ大半の人たちは、
「自分だけはまだまだ死なない!」
「税金がかかるほど財産がない!」
と、極力(無理やり?)意識の外に置いている状態ではないでしょうか。

本来、節税策は、生前から予測を立て計画しておかねばなりません。

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老コンサルタントが出会った

『問題の多い相続』お話

【8回】

「その相続対策、早計ではありませんか?」

~相続増税と時代の流れで、変わる“優先順位”~

 

財務コンサルタント
木山 順三

 

〔あらためて「常識とされる相続対策」について考えてみた〕

高齢化の社会経済情勢や国民の意識の変化を踏まえた改正相続法(「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」と「法務局における遺言書の保管等に関する法律」)が、7月から本格的に施行されました(一部未施行)。

また、既に平成27年1月1日以降の相続開始分からは相続税の基礎控除が従前の6割まで引き下げられ、これにより相続税の課税割合はそれ以前の4%から8%へと大幅に増加しています。

これら相続に関する法律の改正は、我々(の人生)に直接降りかかってくるものです。

この連載の【第1回】でも取り上げましたが、法改正や時代の流れ、人の意識の変化を踏まえた相続税の節税対策の是非について、少し別の角度から考察してみたいと思います。

 

〔世間一般の節税策の現状・・・〕

冒頭述べた相続税の税負担増になってから、特に富裕者層をはじめとして、節税対策により高い関心を示す情勢となってまいりました。

ただし、未だ大半の人たちは、
「自分だけはまだまだ死なない!」
「税金がかかるほど財産がない!」
と、極力(無理やり?)意識の外に置いている状態ではないでしょうか。

本来、節税策は、生前から予測を立て計画しておかねばなりません。

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連載目次

「老コンサルタントが出会った『問題の多い相続』のお話」

  • 【第1回】
    二次相続対策が進まない・・・
    ~自宅が小規模宅地特例不適用の危機に~
  • 【第2回】
    二次相続人が複雑!
    ~生前の妻の居宅売却がベストか否か?~
  • 【第3回】
    高齢者独居老人の悩み
    ~受遺者が海外在住。誰が遺産の後始末を?~
  • 【第4回】
    アメリカ在住の一人娘への生前贈与
    ~終活とインバウンドの恩恵~
  • 【第5回】
    特別寄与料制度は前途多難
    ~費用対効果を考えれば生前贈与か遺贈がベター?~
  • 【第6回】
    超高齢者の相続対策
    ~予備的遺言内容の遺言書は必要か~
  • 【第7回】
    自筆証書遺言の改正で公正証書遺言は不要になるか?
    ~過去の経験からの学び~
  • 【第8回】
    その相続対策、早計ではありませんか?
    ~相続増税と時代の流れで、変わる“優先順位”~
  • 【第9回】
    二次相続対策、うまくいくもの、いかないもの
    ~これまでのお話の「その後」から学ぶこと~
  • 【第10回】
    特殊な状況だからこそ、相続リスクに注意すべし
    ~災害時のコンサル経験から学んだこと~
  • 【第11回】
    老コンサルタントが考える「相続事案情報獲得の心構え」とは
    ~顧客を紹介したい税理士像とともに~
  • 【第12回】
    二次相続をめぐる続きのお話
    ~Hさんのその後~

筆者紹介

木山 順三

(きやま・じゅんぞう)

木山財務コンサルタント事務所 代表
一般財団法人 京都大学名誉教授 森下正明研究記念財団 監査員

〈略歴〉

・1943年 大阪生まれ 大阪経済大学大学院 経営情報研究科修士課程修了

・1988年~1994年
住友信託銀行 西宮、枚方、阿倍野橋支店長歴任

・1994年~2004年12月
本店及びプライベートバンキング部にて理事・主管財務コンサルタントとして相続、遺言、資産運用、不動産の業務に従事

・2004年12月~2014年1月
三井住友信託銀行株式会社 プライベートバンキング部 参与歴任

・2004年12月~2014年4月
三井住友トラストウェルスパートナーズ株式会社 顧問歴任

・2013年9月~2018年3月
大阪電気通信大学 金融経済学部 客員教授歴任

NHK公開講座、ラジオNIKKEI等出演多数。ユーモアのある講演は好評。
その他、韓国の大手銀行の依頼で「遺言信託業務」について教示のため渡韓等。

【著書】
・『富裕者のための事例でわかる資産運用と相続対策』(清文社)
・『元気な間に親子で話す 役立つ相続事例集』(清文社)

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