公認会計士・税理士 八ッ尾 順一
午前10時半から、合議体が始まる。
永途は、コピー機の前で、合議体に配る資料を3部作成している。
合議体のメンバーは、調査部出身の田中担当審判官、徴収出身の木下国税審判官、そして所得税出身の南川副審判官の三人である。そして、事件を担当している永途が論点整理等を説明することになる。
審査請求の審理は、この合議体で行うことになる。
しかし、三人の出身に鑑みると、圧倒的に法人税の知識と経験のある田中担当審判官の結論が合議体の結論になりそうである。
会議室に、永途が、分厚い資料を抱えながら入ると、既に三人は、雑談をしながら、にこやかに座っている。
永途は、慌てて「遅れてすみません・・・」と言うと、三人に資料を配る。
三人は、配られた資料をペラペラと捲り、読み始める。
しばらくすると、田中審判官が
「それでは、この事件について、永途さんに説明して貰おうか・・・」
と言う。
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