基礎から学ぶ統合報告
―IIRC「国際統合報告フレームワーク」を中心に―
【第2回】
「基礎概念における「価値」を理解する」
公認会計士 若松 弘之
前回は、現状の「開示情報の氾濫」と「非財務情報の有用性」を踏まえて、近い将来「統合報告」の取組みが、企業価値の判断に有用な開示手法になる可能性について述べました。
今回はまず、2013年12月にIIRCから公表(日本語版は2014年3月に日本公認会計士協会から公表)された「国際統合報告フレームワーク」(以下、「フレームワーク」という)の具体的内容から説明していきます。
1 統合報告書とフレームワークの関係とは?
フレームワークによると、統合報告書は
組織の外部環境を背景として、組織の戦略、ガバナンス、実績、及び見通しが、どのように短、中、長期の価値創造を導くかについての簡潔なコミュニケーション
であり、フレームワークに準拠して作成することが求められています。
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