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「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例4(消費税)】 「合併事業年度の簡易課税制度の判定を納税義務の判定と同じであると思い込み、被合併法人の基準期間の課税売上高で行ってしまった事例」
「税理士損害賠償請求」 頻出事例に見る 原因・予防策のポイント 【事例4(消費税)】 税理士 齋藤 和助 《事例の概要》 合併法人である依頼者(以下「A社」という)と被合併法人(以下「B社」という)の合併事業年度の基準期間の課税売上高は、それぞれ800万円と2億円であった。 税理士は、納税義務の判定はB社の2億円で行い、課税事業者と判断した。しかし、簡易課税制度の判定を、A社の800万円ですべきところ、納税義務の判定と同じであると思い込み、B社の2億円で行ったため、原則課税と判断して申告書を作成、提出してしまった。 A社は過去に「簡易課税制度選択届出書」を提出していたため、正しく判定すると、簡易課税制度での申告であった。これを税務署から指摘され、更正処分を受けた。 これにより、原則課税と簡易課税との差額300万円につき損害賠償請求を受けた。 《賠償請求の経緯》 ・税理士は合併以前よりA社に関与しており、A社、B社の基準期間の課税売上高を確認していた。 ・A社は過去に「簡易課税制度選択届出書」を提出していた。 ・A社とB社の合併事業年度の基準期間の課税売上高はそれぞれ800万円と2億円であった。 ・税理士は、納税義務の判定はB社の2億円で行い課税事業者と判断した。 ・税理士は、簡易課税制度の判定もB社の2億円で行い原則課税と判断した。 ・合併事業年度は原則課税の方が有利であった。 《基礎知識》 ◆合併があった場合の納税義務(消費税法基本通達1-5-6) 法第11条各項《合併があった場合の納税義務の免除の特例》の規定は、合併により被合併法人の事業を承継した合併法人について、次に掲げる場合に該当するときは、納税義務を免除しないとする趣旨であることに留意する。 (1) 合併があった日の属する事業年度においては、合併法人の基準期間における課税売上高又は各被合併法人の当該基準期間に対応する期間における課税売上高のうちいずれかが1,000万円を超える場合 (注) 合併法人の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても被合併法人の当該基準期間に対応する期間における課税売上高が1,000万円を超える場合には、当該合併法人の当該合併があった日から当該合併があった日の属する事業年度終了の日までの間における課税資産の譲渡等について納税義務が免除されない。 (2) 合併があった日の属する事業年度の翌事業年度及び翌々事業年度においては、合併法人の基準期間における課税売上高と各被合併法人の当該基準期間に対応する期間における課税売上高との合計額が1,000万円を超える場合 ◆合併法人が簡易課税制度を選択する場合の基準期間の課税売上高の判定(消費税法基本通達13-1-2) 吸収合併又は吸収分割があった場合において、当該吸収合併に係る合併法人又は当該吸収分割に係る分割承継法人の法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》に規定する基準期間における課税売上高が5,000万円を超えるかどうかは、当該合併法人又は当該分割承継法人の基準期間における課税売上高のみによって判定するのであるから留意する。 〈合併があった場合の判定に用いる基準期間の課税売上高〉 《税理士の落とし穴》 《税理士の責任》 A社は過去に「簡易課税制度選択届出書」を提出していた。そして合併事業年度の消費税の申告の際、B社の基準期間の課税売上高が1,000万円を超えていたことから、課税事業者と判断した。 申告に当たり、簡易課税制度の判定も納税義務の判定と同じであると思い込み、B社の基準期間の課税売上高で判断し、5,000万円を超えていたことから、原則課税で申告書を提出した。 そして所轄税務署から、A社の基準期間の課税売上高が5,000万円以下のため、簡易課税での修正申告を慫慂され、はじめてその事実に気付いた。 過去に提出された届出書を確認し、提出期限までに不適用届出書を提出していれば原則課税は採れたことから、税理士に責任がある。 《予防策》 [ポイント①] 組織再編には注意する 組織再編の場合には、再編後の消費税の納税義務の判定等が複雑になるため、担当者だけでなく、所長もしくは有資格者等とチームを組んで複数人で検討を行うことが必要である。 [ポイント②] 選択不適用届出書提出の検討 当初、有利選択で提出した消費税の届出書は、その目的が達成された場合には不適用届出書を提出して、当初の状態に戻しておく。そして、改めて毎期末に翌期の消費税の検討を行えば、過去に提出した届出書の効力による事故を防ぐことができる。 (了)
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雇用促進税制・所得拡大促進税制の実務 ~要件・手続の確認から両制度の適用比較まで~ 【追補】「所得拡大促進税制に係る通達の新設」
雇用促進税制・ 所得拡大促進税制の実務 ~要件・手続の確認から両制度の適用比較まで~ 【追補】 「所得拡大促進税制に係る通達の新設」 公認会計士・税理士 鯨岡 健太郎 1 はじめに 平成25年6月27日、国税庁より「法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)」が公表された。 今回の改正では、平成25年度税制改正で新たに導入された所得拡大促進税制(雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除)に関し、新たな通達が設けられている。 そこで本稿では、新設された通達の内容について解説することとし、かねて連載していた「雇用促進税制・所得拡大促進税制の実務」(所得拡大促進税制の内容については、第3回の記事を参照)の補足としたい。 2 新たに設けられた通達 租税特別措置法関係通達(法人税編)において、第42条の12の4《雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除》関係として、以下の通達が新たに設けられた。 以下、個別に内容を説明していく。 3 中小企業者等であるかどうかの判定の時期(措通42の12の4-1) 青色申告書を提出する法人は、雇用者給与等支給増加額の10%相当額を(その事業年度の所得に対する)法人税の額から控除することができるが、控除限度額は法人税額の10%となる。ただしその法人が「中小企業者等」に該当する場合、所得拡大促進税制に係る税額控除限度額が法人税額の20%となる(措法42の12の4①)。 ここでいう「中小企業者等」とは、資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人のうち、以下のいずれにも該当しない法人をいう(措法42の4⑫五、措令27の4⑩) この点に関し、新設された通達では、ある事業者が「中小企業者等」に該当するかどうかは、所得拡大促進税制の適用を受ける事業年度終了の時の現況によって判定することを明らかにしたものである。 具体的には、その事業者の資本金の額又は出資金の額は事業年度終了時における額をもって判定し、発行済株式又は出資の所有関係についても、事業年度終了時の現況で判定するということである。 4 他の者から支払いを受ける金額の範囲(措通42の12の4-2) 所得拡大促進税制における計算基礎となる「雇用者給与等支給額」の算定に当たり、その給与等の支給に充てるため他の者から支払いを受ける金額がある場合には、その金額を控除する必要がある(措法42の12の4②三)。 この点に関し、「他の者から支払を受ける金額」の具体的な内容については、条文上必ずしも明確ではなく、第3回の連載記事においても「今後通達が整備される可能性がある」と記載したところであるが、今回の通達の新設によって具体的な取扱いが明らかとなった。 今回の通達は、雇用促進税制における通達(措通42の12-2)と全く同じ内容となっており、控除すべき額の具体例としては、①雇用者の数に応じて国等から支給される助成金の額、②出向先法人から支払いを受ける給与等負担金の額が挙げられている。 これらは例示列挙であるから、以上に該当しないものであっても、給与等に充てるために支払いを受ける額がある場合には、雇用者給与等支給額の金額の計算上控除しなければならない点につき留意が必要と考える。 5 出向先法人が支出する給与負担金(措通42の12の4-3) この通達は、出向先法人が支出する給与負担金について、出向先法人における取扱いを明らかにしたものである。 すなわち、出向先法人において、出向者が労働基準法第108条に規定する賃金台帳に記載されている場合には、出向先法人が出向元法人に対して支払う給与負担金の額は、当該出向者に対する給与支給額と同視して「国内雇用者に対する給与等の支給額」に含まれるということを明らかにしたものである。 したがって、出向先法人において所得拡大促進税制の適用を受ける場合には、「雇用者給与等支給額」の計算に当たり給与等支給額を含めることができる(ただし、当該出向者の賃金台帳への記載が必要)ということである。 (了)
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「移転価格事務運営要領」の改正について
「移転価格事務運営要領」の改正について 税理士法人トーマツ パートナー 税理士 小林 正彦 1 はじめに 国税庁は、平成25年6月28日付けで、「移転価格事務運営要領」(以下「事務運営要領」)の一部を改正することを明らかにした。 主な改正項目は、以下の4項目である。 改正事項は平成25年4月1日以降開始する事業年度の法人税に係る調査及び事前確認審査に適用し、それ以前は従前の例によるとされている。 以下、上記4つの項目について順に解説する。 2 ベリー比の適用に関する参考事例の解説 (1) ベリー比とは 平成25年度税制改正において移転価格算定方法のうちの取引単位営業利益法(TNMM)に営業費用総利益率(いわゆるベリー比)を利益指標とする方法が追加された(租税特別措置法施行令39条の12第8項4号及び5号)。 ベリー比は、営業費用と売上総利益の相関関係が高い取引に適した算定方法である。 例えば、商社の取引に典型的にみられるように、果たした機能に比して売上高が多額であるが総利益率は低い取引に適した算定方法である。 こうした取引に売上高営業利益率を適用した場合、過大な営業利益が算出されてしまう可能性がある。 従来からベリー比はTNMMの1つである総費用営業利益率法(ネット・コスト・プラス)の一種と解釈して現行規定でも適用可能との見解もあったが、反対意見もあり取扱いが明確でなかった。 今回、政令で認められたことから、適用に関する透明性が確保された。 ベリ―比を用いたTNMMが認められたことにより、我が国の移転価格算定方法の種類は以下の表のとおりとなった。 〈独立企業間価格の算定方法〉 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 では、ベリー比とはどのような方法なのかを、簡単な計算例でみてみよう。 〔4号ベリー比の計算〕 検証対象企業は関連者から仕入れた商品を120円で第三者に販売している。検証対象企業の営業費用が8円、第三者に120円で販売している場合、比較対象企業のベリー比(売上総利益/営業費用)が1.5とすると、関連者からの仕入取引の独立企業間価格Xは下記のとおり108円となる。 比較対象企業のベリー比=1.5とすると、 X=120-8×1.5=120-12=108 〔5号ベリー比の計算〕 検証対象企業は第三者から100円で仕入れた商品を関連者に販売している。検証対象企業の営業費用が8円、比較対象企業のベリー比(売上総利益/営業費用)が1.5とすると、関連者に対する売上取引の独立企業間価格Yは下記のとおり112円となる。 比較対象企業のベリー比=1.5とすると、 Y=100+8×1.5=100+12=112 (2) 事例集における売上高営業利益率法とベリー比の適用区分に関する解説 ベリー比の解説は、「参考事例集」の「事例6」の「前提条件2」として挿入された。 事例6はTNMMの適用に関する事例の解説であり、改正前は「前提条件1」として売上高営業利益率法、「前提条件2」として無形資産の使用許諾取引の場合の解説があったが、今回の改正で、「前提条件2」としてベリー比が挿入された。 【売上高営業利益率法の適用が最適となる条件】 ベリー比の導入に伴って、売上高営業利益率の適用の前提条件の記述も若干変更されている。改正前は、「売上総利益及び売上原価の金額を把握することができず」との前提条件を付していたが、これを削除している。 また、改正後は、「S社は独自性のある広告宣伝・販売促進活動を行っておらず、S社による独自の価値ある寄与があるとは認められない(独自の価値ある寄与をなす無形資産と所得の源泉との関係については、【事例10~15】参照)が、自らの販売計画に従ってP社から購入した製品Aを、一定の在庫を保有して管理し、再販売している。(下線部筆者)」として、下線部の文言が追加されている。 さらに、「比較可能性分析の結果、S社の果たした機能の価値は、営業費用ではなく、売上との間に関係があることが確認されている」との記述を追加している。 以上から、国税庁は、①主体的に立てた販売計画に基づいて一定の在庫を保有し管理していること、及び②機能の価値が営業費用ではなく売上との間に関係がある、といった条件を満たす場合に、売上高営業利益率法の適用が最適と考えていることがうかがわれる。 【ベリー比の適用が最適となる条件】 一方、ベリー比の適用条件については、事例6の「前提条件2」において、次の条件を設定している。 また、 との条件が設定されているが、この条件がベリー比を適用するうえでの積極的な条件になると考えられる。 以上から、国税庁は、①主体的な販売計画を持たず、独自性のある広告宣伝活動を行わず、在庫管理機能も持たず、実質的な仲介活動を行っており、②機能の価値が営業費用に反映されている場合にベリー比の適用が最適であると考えていることがうかがわれる。 事例6の解説の中で、取引単位営業利益法の適用における3つの利益指標である売上高営業利益率(リターン・オン・セールス)、総費用営業利益率(ネット・コスト・プラス)、営業費用売上総利益率(ベリー比)について、それぞれどのような場合に適切な方法となるかについての記述が追加されている。 3 事前確認の年次報告書の様式の制定 事前確認を取得した後、各対象年度における確認内容を順守していることについて報告書を提出することとされており(事務運営要領5-17)、一般的に「年次報告書」と呼ばれている。 従来は様式に定めがなく適宜の様式で提出していたが、このたび表紙の様式「独立企業間価格の算定方法等の確認に関する報告書」(別紙様式8)が定められた(事務運営要領5-17)ので、平成25年4月1日以降に開始する年度の報告書からはこの様式による必要がある。様式は以下のとおり。 「独立企業間価格の算定方法等の確認に関する報告書」(別紙様式8) ※画像をクリックすると、PDFファイルが開きます(国税庁ホームページへ)。 4 事前確認の適用に関する報告書の審査を「行政指導」に区分 事前確認適用報告書の審査は国税局調査部国際情報課など課税部局が行っていることから、その行為が「行政指導」なのか「調査」なのかが問題になる。行政手続法上の区分は、改正前の事務運営要領では「報告書等の検討は、法人税に関する調査に該当することに留意し」と規定され「調査」の扱いとなっている。 このため、審査の結果申告に非違があった場合には加算税が賦課される。ただし、報告書の検討があったことを知ったと認められる以前に自主的に修正申告書を提出する場合には、加算税を付さないとされている。 改正後は、取扱いが大きく変わり、原則として「調査」ではなく「行政指導」に該当することとなった。 このため改正後は、行政指導である限りにおいて、加算税は課されない。 ただし、確認法人が行政指導に応じない場合には、調査に移行することとされた。 5 過大支払利子税制の適用上の移転価格税制の適用 過大支払利子税制とは、関連者(直接・間接持ち分50%以上)への利子のネット支払額(支払い-受取り)が調整所得金額の50%を超える場合に利子費用の損金算入を認めないという制度である。利子の支払先の国において租税が課されない場合に適用される。 移転価格調査で、支払利率が独立企業間価格を超えている場合や受取利率が独立企業間価格を下回っている場合の取扱いが問題になるが、今回の改正で以下の取扱いが明らかにされた(事務運営要領2-25)。要するに、移転価格税制を優先して適用した結果算定される金額によることになる。 6 適用開始時期 改正後の事務運営要領の適用は、平成25年4月1日以降開始する事業年度の法人税に係る調査及び事前確認審査から開始し、それ以前は従前の例によるとされている(事務運営要領「経過的取扱い・・・改正通達の適用時期」)。 (了)
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相続税対策からみた生前贈与のポイント 【第2回】「貸家を贈与した場合の敷地の評価」
相続税対策からみた 生前贈与のポイント 【第2回】 「貸家を贈与した場合の 敷地の評価」 税理士法人タクトコンサルティング 税理士 山崎 信義 賃貸不動産を多数所有する個人が、所得税の節税対策のため、所得の少ない子に貸家の贈与を行う場合がある。 これは、子に家賃収入を移転させることにより子の財産と収入を増やすとともに、親の所得に対する税率と子の所得に対する税率の格差を利用して親子トータルでの税負担の軽減を図ろうとするものである。 このような所得税対策のため貸家の贈与を行う場合、相続税対策の面からは贈与後の敷地の評価額が問題となる。仮に目先の所得税の軽減が図られたとしても、敷地の相続税評価額が増加し、将来の相続税負担が大きくなるのであれば、実行の是非が問われることになるからだ。 そこで今回は、親が子に貸家を贈与し、その敷地を子に無償で使用させる場合の敷地の相続税評価について解説したいと思う。 1 貸家の敷地の評価 土地付き建物を所有している人が建物を他に貸し付けている場合における、その建物の敷地のことを「貸家建付地」という。 相続税評価上、貸家建付地の価額は の算式により計算する。 貸家の借家人には建物敷地の利用権があり、所有者であっても、その敷地の処分や利用について制限がされる。このため、相続税評価上、貸家建付地は土地所有者が自己使用地(自用地)としての評価額から借家人の有する敷地利用権相当額(自用地評価額×借地権割合×借家権割合×賃貸割合)を控除して評価する。 2 使用貸借により土地を貸した場合の評価 建物の所有を目的として無償による土地の借受け(使用貸借)をした場合は、借地借家法が適用されず、借主は借地権のような強い法的保護が受けられない。 このように使用貸借による土地の使用権は経済的価値が極めて低いと考えられるので、相続税評価上はゼロとされる。借主側の土地使用権の評価額がゼロとされることから、使用貸借に係る土地の貸主側の相続税評価は、自用地として評価される。 3 親から子に貸家の贈与があった後の敷地の評価 貸家とその敷地を所有する親が建物のみを子に贈与し、建物の敷地を使用貸借により貸し付けることにした場合、貸家贈与後のその敷地の相続税評価は、貸家の贈与前後で借家人の異動があったかどうかにより、次のとおりに取り扱われる。 (1) 貸家の贈与前後で貸家の借家人が同じ場合 使用貸借に係る土地を相続により取得した場合、相続税の計算上はその土地を自用地として評価する。しかし、贈与前は建物所有者である親がその敷地の所有者でもあるから、建物の所有者である親と建物の借家人との間で締結された賃貸借契約に基づき、建物の借家人は建物の敷地利用権を有している。判例においても、建物借家人の有する敷地利用権は建物が第三者に譲渡された場合でも侵害されないとしている(最判昭和38年2月21日民集17巻1号219頁)。 このことから、賃貸している建物の所有者が変わり、新たな建物所有者の敷地利用権が使用貸借に基づく利用権となっても、建物所有者の変更以前に有していた建物借家人の敷地利用権まで変更されたとはいえない。贈与前と同一の借家人が建物を賃借している場合は、土地所有者は建物敷地について引き続き処分や利用が制限されるので、土地評価は自用地としての評価額から相応の減額を行うのが当然といえる。 以上により、建物とその敷地の所有者が同一人で、その建物が他人に賃貸されているときに、その建物だけが贈与されて建物の敷地につき建物の贈与を受けた者に使用貸借が行われている状況で、その土地の相続があった場合、その土地の相続税評価額は、貸家建付地として評価される。 (2) 貸家の贈与前後で貸家の借家人が異なる場合 (1)の取扱いは、貸家の贈与前と贈与後で借家人が同一であることが前提である。 貸家の贈与後に借家人の異動があった場合には、贈与された貸家に係る敷地については使用貸借で貸した土地として自用地評価となる。 (3) 建物を同族会社に一括貸し、借家人に転貸する場合 建物を管理会社に一括で貸し、管理会社が入居者に建物を転貸している場合は、貸家の贈与後に入居者が変更したとしても借家人(管理会社)は贈与前と同じであるから、貸家の敷地は、貸家建付地として評価される。 したがって、不動産オーナーに賃貸管理業を営む同族会社がある場合、贈与前にその同族会社に建物を賃貸し、賃借人を同族会社に固定しておけば、建物贈与後も土地が貸家建付地として評価されることになる。 (了)
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鵜野和夫の不動産税務講座 【連載4】「路線価図の読み方(1)」
鵜野和夫の不動産税務講座 【連載4】 路線価図の読み方(1) 税理士・不動産鑑定士 鵜野 和夫 (一) 路線価と時価との関係は (二) 路線価の読み方は 図表1 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます。 (三) 借地や貸宅地の場合は (四) 路線価の付けられていない宅地は 図表2 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます(国税庁ホームページへ)。 図表3 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます(国税庁ホームページへ)。 (五) 倍率地域の宅地は 図表4 ※画像をクリックすると、別ページでPDFファイルが開きます(国税庁ホームページへ)。 (六) それから、画地の位置・形状による調整が (了)
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経理担当者のためのベーシック税務Q&A 【第4回】「不動産投資と税金」―借地権の税務―
経理担当者のための ベーシック税務Q&A 【第4回】 「不動産投資と税金」 ─借地権の税務─ 仰星税理士法人 公認会計士・税理士 草薙 信久 1 権利金の認定課税 法人が所有する土地を第三者に賃貸した場合には借地権が設定されることになり、一般的には、借地権の設定の対価として借地人から地主へ相応の権利金の支払いが行われます。 このため、関係会社間等の特殊な関係にある者の間で行われた取引において、権利金を収受する取引慣行があるにもかかわらずその収受がなされない場合には、税務上はこれらの行為があったものとみなして、権利金の認定課税が行われます(法法22、法令137、法基通13-1-1)。 ただし、次の2、3のいずれかの方法に該当する場合には、権利金の認定課税は行われません。 2 相当の地代を収受している場合 仮に権利金の収受がなされていなくても、その代わりに地代を高く設定していれば、権利金の認定課税の問題は生じません。この権利金の問題が生じない地代の額を『相当の地代』といいます。 この場合には、契約書においてその後の地代の改訂方法を定め、かつ、「相当の地代の改訂方法に関する届出書」を地主と借地人の連名で税務署長に提出します。(法令137、法基通13-1-2、平成元年3月30日直法2-2)。 3 土地の無償返還に関する届出書を提出している場合 仮に権利金の収受がなされていなくても、その代わりに立ち退きの際に立ち退き料を支払う必要がなければ、権利金の認定課税の問題は生じません。 この場合には、契約書において将来、借地人がその土地を無償で返還することを定め、かつ、「土地の無償返還に関する届出書」を地主と借地人の連名で税務署長に提出します。 なお、この届出書は、地主と借地人の間で借地権の設定がなく、かつ、権利金の収受がまったくないことを前提にしていますので、一部でも権利金を収受した場合には適用がありません(法基通13-1-7)。 4 地主と借地人が法人と法人の取引の場合 権利金を収受する取引慣行があり、かつ、権利金をまったく収受しておらず、地主と借地人が法人と法人の取引の場合に権利金の認定課税の問題が生じるのは、『相当の地代』を収受しておらず、かつ、「土地の無償返還に関する届出書」が提出されない場合です。 法人と法人の取引の場合の一般的な取扱いをまとめると、次のようになります。 5 自然発生借地権 「相当の地代の改訂方法に関する届出書」では、(1)原則として3年毎に『相当の地代』を改訂する方法と、(2)地代を据え置く方法を選択します。 ここで、(2)の方法を選択した場合には、計算上は土地の価額の変動に応じて借地権の額が算出されますので、いわゆる自然発生借地権の問題が生じる可能性があります(法基通13-1-8)。 6 地代の認定課税 「土地の無償返還に関する届出書」を提出していても、実際に収受している地代が『相当の地代』より少ない場合には、地代の認定課税の問題が生じる可能性があります。 この場合には、税務上は、その差額に相当する金額を借地人に贈与したものとして取り扱われます(法基通13-1-3)。 * * * 借地権を取り巻く課税の問題はとても複雑です。権利金の認定課税の問題以外にも、地代の認定課税や自然発生借地権の問題が生じる可能性があります。 本稿の内容は、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分がありますので、本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行うか、十分に内容を検討の上実行してください。 (了)
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税務判例を読むための税法の学び方【15】 〔第5章〕法令用語(その1)
税務判例を読むための税法の学び方【15】 〔第5章〕法令用語 (その1) 自由が丘産能短期大学専任講師 税理士 長島 弘 (前回はこちら) 1 法令用語の意義 今回より章を新たにし、法令用語について解説する。 「法令用語」と一口に言っても様々ある。立法技術的な表現のために用いられる法律専門の用語で、「立法技術用語」ともいわれるものがある。また、特定の意味内容を持つ用語で法律上一定の意義が与えられている(この意義の与えられ方も、法令により定義付けがなさせている場合と慣習や判例等により意味が与えられている場合とがある)ものがある。 前者の例としては、これまでに紹介した「又は」と「若しくは」、「及び」と「並びに」、「者」と「物」「もの」、「場合」と「とき」「時」、「その他」と「その他の」がそうである。 これらの立法技術用語は、①意味の違いの明確化、②条文構造の明確化、③表現の簡略化、④条文相互間の関係の明確化等のために、長い間使いならされてきた。 これらの立法技術用語については、その意味や使い方を定めた法令などはなく、もっぱら長年の慣習によって、その使い方が定着したものである。 これに対し、後者の例を一つ挙げる。 例えば「親族」という言葉は一般社会でも用いられているが、法令上は民法第725条において「次に掲げる者は、親族とする。 ①六親等内の血族、②配偶者、③三親等内の姻族」と定義が付されているため、民法以外の法律においても、通常この意義で用いられている。 狭義には立法技術用語ともいわれる前者を法令用語といい、後者のようなものは法律用語ではあるが法令用語には含めない考え方もある。 ここでは、前者を中心に解説していく。 2 「その他」と「その他の」 まずは、これまでに紹介したものの中から、詳細は後述するとした「その他」と「その他の」について解説する。先に「「A、Bその他C」と異なり「A、Bその他のC」の場合は、ABはCの例示とされ、内容的にCに含まれる。」と記した(第9回参照)。 この点を詳しく見てみる。 これまで取り上げた「又は」と「若しくは」、「及び」と「並びに」、「者」と「物」「もの」、「場合」と「とき」「時」は、いずれも日常用語としては特に区別することなく使われている(ただし「者」と「物」は使い分けられていよう)ものでも、法令用語としては明確に意識して使い分けているものである。 「その他」と「その他の」も同様であり、日常用語としてもよく使われており、その場合に特に意味の上で違いを意識して使われているとは思われない。しかし、この「の」が付くか付かないかだけの違いで、法令上は大きく意味が異なる。 まず、「その他の」は、通常、前に置かれた名詞又は名詞句が、後に続く一層意味内容の広い言葉の一部をなすものとして、その中に包含される場合に用いられる。これを「包括的例示」という。 所得税法第2条第1項第16号は「棚卸資産」の定義規定であるが、そこには「事業所得を生ずべき事業に係る商品、製品、半製品、仕掛品、原材料その他の資産(有価証券及び山林を除く。)で棚卸しをすべきものとして政令で定めるものをいう。」 とある。 この「その他の資産」の前にある商品、製品、半製品、仕掛品、原材料も資産の例であり、資産に包含されている。 これに対し、「その他」は、この言葉の前後の語句が独立しており、それぞれが、一応、別個の概念として並列的に並べる場合に使われる。これを「並列的例示」という。 所得税法第2条第1項30号イに寡婦の定義として「夫と死別し、若しくは夫と離婚した後婚姻をしていない者又は夫の生死の明らかでない者で政令で定めるもののうち、扶養親族その他その者と生計を一にする親族で政令で定めるものを有するもの」とある。 この中の「扶養親族その他その者と生計を一にする親族」の「その者と生計を一にする親族」は、前の「扶養親族」とは別の概念のものということになる。 もう一つ別の例を挙げる。 国税通則法第11条は、「国税庁長官、国税不服審判所長、国税局長、税務署長又は税関長は、災害その他やむを得ない理由により、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他書類の提出、納付又は徴収に関する期限までにこれらの行為をすることができないと認めるときは、政令で定めるところにより、その理由のやんだ日から2月以内に限り、当該期限を延長することができる。」と規定している。 この中には「その他」が2箇所出てくる。 最初の「災害その他やむを得ない理由」であるが、「災害」と「やむを得ない理由」とは別個の事情であり、「やむを得ない理由」とは災害以外の事情を指すのである。 また、次の「申告、申請、請求、届出その他書類の提出」においての「書類の提出」は、前にある「申告」「申請」「請求」「届出」とは異なる書類の提出を指すことになる。ただし「申告」「申請」「請求」「届出」もすべて通常は書類提出をもって行うのであるから書類の提出に含まれるため、ここにおいては「その他の」とした場合と大差ないように思える。 なお、続く「又は」がどう係るかであるが、「申告」「申請」「請求」「届出」が「書類の提出」に含まれるのであれば、「「書類の提出」、「納付」又は「徴収」」が「A、B又はC」の構造になることになる。 しかし文言に忠実に従えば「その他書類の提出」は「申告」「申請」「請求」「届出」と並列的なものであるから、「「申告」、「申請」、「請求」、「届出」、「その他書類の提出」、「納付」又は「徴収」」という「A、B、C、D、E、F又はG」の構造となり、これに後続する「に関する期限」が繋がることになる。 現在、例えば「申告」においては電子申告といった書類提出以外の方法もあるため、必ずしも「申告」は「書類の提出」に含まれないと考えれば、これはやはり「その他の」ではなく「その他」とすべき条文であり、「A、B、C、D、E、F又はG」の構造と捉えるべきである。 (了)
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〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載29〕 債務超過の適格分割型分割を行った場合の資本金等の額と利益積立金額の計算(その2)
〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載29〕 債務超過の適格分割型分割を行った場合の 資本金等の額と利益積立金額の計算 (その2) 税理士 掛川 雅仁 【解説】 1 債務超過である分割法人が分割型分割を行ったときの資本金等の額と利益積立金額の正負による場合分け 「その1」においても触れたが、分割法人が債務超過である場合には、その資本金等の額と利益積立金額とがプラスであるのかマイナスであるかによって、【表1】の太線内のように、【表2】のケースA・C・Dと関連付けて整理することができる。 【表1】 債務超過である分割法人が分割型分割を行ったときの資本金等の額と利益積立金額の正負による場合分け 【表2】 現行法人税法における分割移転割合の上限・下限 2 現行法人税法における分割移転割合の上限・下限と立法趣旨 平成22年度改正後の移転割合の計算において、移転簿価純資産価額(分子の金額)が前事業年度末簿価純資産価額(分母の金額)を超える場合には、単純に計算すると移転割合が1を超えてしまい、分割法人の資本金等の額を超える資本金等の額の減少が生じてしまい、その結果、分割後の分割法人の資本金等の額がマイナスとなりかねない。 そこで、このようなことが生じないように、法令8①十五ロ括弧書において、移転割合の計算上、分子の金額(移転純資産の帳簿価額)が分母の金額(分割前事業年度終了時の純資産の帳簿価額)を超える場合には、分子の金額は分母の金額と同額にする、と規定し、移転割合は1を上限とするとしている。 この結果、分割法人の資本金等の額を超える資本金等の額の減少は生じず、その結果、分割後の分割法人の資本金等の額がマイナスにもならず、最少でもゼロに留まるように手当てされている。 そのほか、上記【表2】のように移転割合計算上の分子と分母の額の各種ケースを想定し、移転割合の上限・下限を定めて、分割後の分割法人の資本金等の額がマイナスとなったり、不適切な増加が生じないように手当てをしている。 3 債務超過である分割法人の資本金等の額がプラスである場合にプラスの純資産を分割承継法人に移転させる分割型分割を行ったとき ところで、債務超過である分割法人がプラスの純資産を分割型分割により分割承継法人に移転した場合に、分割法人の分割直前の資本金等の額がプラス(つまり、利益積立金額のマイナスを原因として、債務超過になっている状況)であれば、上記【表1】のケースDに該当する。 この場合は、分割移転割合は1とすると定められているから(法令8①十五括弧書)、移転する資本金等の額は分割法人の分割直前の資本金等の額の全額となる。その結果、分割法人の分割後の資本金等の額は、次のように0となってしまう。 設例(平成22年度改正後) 次の貸借対照表の分割法人が資産500、負債300を分割承継法人へ移転した。 【分割法人の分割時の仕訳】 ※分割直前の資本金等の額がプラスであり、分割前事業年度終了時の純資産の帳簿価額がマイナス(債務超過)であり、移転純資産がプラスである場合には、分割移転割合は1とする。 = 400×1(分割移転割合は1とする) = 400 これに対して、実務家からは、次の違和感が呈されていたところである。 4 移転する資本金等の額が分割直前の資本金等の額全額となってしまう根本的な理由 このように、債務超過である分割法人の資本金等の額がプラスである場合にプラスの純資産を分割承継法人に移転させる分割型分割を行ったときにおいて、移転する資本金等の額が分割直前の資本金等の額全額となってしまう根本的な理由は、「その1」において指摘したように、平成22年度改正において、分割型分割におけるみなし事業年度を廃止したことを背景に、「まず資本金等の額の引継額を計算し、移転純資産の帳簿価額から資本金等の額を減算した金額を利益積立金額の引継額とすることが適当であると考えられます。」(『平成22年度税制改正の解説』297頁)として、改正前の組織再編成税制における利益積立金額と資本金等の額の増減に関する算定順序を逆転させたことにあると考えられる。 5 平成22年度改正前の適格分割型分割における資本金等の額と利益積立金額の増減金額に関する規定 ちなみに、平成22年度改正前の適格分割型分割における資本金等の額と利益積立金額の増減金額に関する規定を算式で示せば、次のとおりとなっていた。 【分割承継法人】 増加資本金等の額(旧法令8①六) = 移転資産の帳簿価額-(移転負債の帳簿価額+増加利益積立金額) 増加利益積立金額(旧法令9①四) = 適格分割型分割に係る分割法人の分割減少利益積立金額 【分割法人】 減少資本金等の額(旧法令8①十七) =移転資産の帳簿価額-(移転負債の帳簿価額+分割減少利益積立金額) 分割移転割合・・・期末利益積立金額等が0に満たない場合には0とし、小数点以下3位四捨五入 また、適格分割型分割で分割法人において減少する利益積立金額についても、次のように、分割前事業年度終了時の純資産の帳簿価額と移転純資産の帳簿価額とを、それぞれ上限と下限とする旨の規定が設けられていた。 【表3】 平成22年度法人税法改正前における減少利益積立金額の上限・下限 設例(平成22年度改正前) 次の貸借対照表の分割法人が資産500、負債300を分割承継法人へ移転した。 【分割法人の分割時の仕訳】 分割移転割合・・・期末利益積立金額等が0に満たない場合には0とし、小数点以下3位四捨五入 =▲900×0(分割移転割合は0とする) =0 減少資本金等の額(旧法令8①十七) =移転資産の帳簿価額-(移転負債の帳簿価額+分割減少利益積立金額) =500-(300+0) =200 このように、平成22年度改正前においては、移転純資産が200であれば、分割法人の減少資本金等の額は400全部ではなく、移転純資産の帳簿価額に対応する200だけ減少するように規定されていた。 以上のように、平成22年度改正後の法人税法の規定による計算と平成22年度改正前とでは、大きく異なっており、計算結果が異なるように改正されたことやその改正理由は一切説明されていない。 6 適格分割型分割と非適格分割型分割とで資本金等の額の減少額が異なる現行法 ところで、実務家から呈されていた第2の違和感として、次のものがあった。 これについては、現行の法令8①十五の本文括弧書には、「当該分割型分割が適格分割型分割でない場合において、当該計算した金額が当該分割型分割により当該分割法人の株主等に交付した分割承継法人の株式(出資を含む。以下この条において同じ。) その他の資産の価額を超えるときは、その超える部分の金額を減算した金額」という規定がある。 これは、非適格分割型分割においては、分割法人の減少する資本金等の額は、株主に交付した分割承継法人の株式その他の資産の時価を上限とするというものである。 このように、非適格分割型分割において、分割法人の減少する資本金等の額に上限を設けるのであれば、たとえ、平成22年度改正前と改正後とで、組織再編成税制における利益積立金額と資本金等の額の増減に関する算定順序を逆転させたとしても、適格分割型分割においても、適正な金額をもって、分割法人の減少する資本金等の額とするという上限規定があって然りだと容易に考え得るところである。 7 移転する資本金等の額のあるべき見直し内容 本稿で取り上げた設例では、その分割法人の減少する資本金等の額の適正な金額とは、適格分割型分割で移転する簿価純資産の額とすべきである。 このように見直すことで、平成22年度改正前と後で、次のように、同額の資本金等の額と利益積立金額が移転することになり、改正前後の整合性が保てることになる。 設例(平成22年度改正後の本来あるべき状態) 次の貸借対照表の分割法人が資産500、負債300を分割承継法人へ移転した。 【分割法人の分割時の仕訳】 ※分割直前の資本金等の額がプラスであり、分割前事業年度終了時の純資産の帳簿価額がマイナス(債務超過)であり、移転純資産がプラスである場合には、分割移転割合は1とする。 =400×1(分割移転割合は1とする) =200(ただし、移転純資産の額200を限度とする) 以上のように、特殊なケースの分割型分割であっても、平成22年度改正前と後で、同額の資本金等の額と利益積立金額が移転することになるように、改正前後の整合性を回復するような手当てが早急になされることが必要と考える。 (了)
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長時間労働と労災適用 【第4回】 「企業が取るべき対策」 特定社会保険労務士 大東 恵子 前回説明したように、企業は安全配慮義務違反により膨大な損害賠償を請求される可能性がある。 このため、企業は以下のように、損害賠償請求から自社を守るべき対策を講じる必要がある。 (連載了)