件すべての結果を表示
会計
税務・会計
管理会計
解説
解説一覧
林總の管理会計[超]入門講座 【第1回】「管理会計と原価計算」
林總の 管理会計[超]入門講座 公認会計士 林 總 【第1回】 「管理会計と原価計算」 (了)
会計
税効果会計
税務・会計
解説
解説一覧
財務会計
税効果会計を学ぶ 【第8回】「繰延税金資産の回収可能性に関する監査上の基本的考え方」
-お知らせ- 適用指針等を織り込んだ最新版の『税効果会計を学ぶ』が好評連載中です。 税効果会計を学ぶ 【第8回】 「繰延税金資産の回収可能性に関する 監査上の基本的考え方」 公認会計士 阿部 光成 前回(第7回)において、監査上の取扱いとして、「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」(監査委員会報告第66号。(以下「監査委員会報告第66号」という)があることを述べた。 今回から、監査委員会報告第66号の内容について解説を行う。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅰ 会計基準・実務指針等を読む際の留意点 監査委員会報告第66号に限らず、会計基準・実務指針等を読む際には、本文の記載だけでなく、結論の背景などについても読み、理解する必要がある。 最近は、データベース化された会計基準等を用いて、検索機能を活用することが多いと考えられる。 検索機能は便利であるが、実務において、検索機能によりヒットした箇所のみを読み、実務に適用する傾向が一部においてみられる。 会計基準・実務指針等を理解するためには、本文の記載を読む際にも全体の流れを読み、また、なぜその規定を採用したのかについては結論の背景に記載されていることが多いので、これらを含めて会計基準・実務指針等を全体として理解することが必要と思われる。 Ⅱ 繰延税金資産の回収可能性に関する監査上の基本的考え方 1 監査人における留意点 監査委員会報告第66号は、監査人における留意点として次のことを述べている。 2 留意点の背景 監査上、上記の留意点が強調されるのは、繰延税金資産の回収可能性を判断する際には、当該資産が将来の税金負担額を軽減する効果を有するか否かについての判断が極めて重要となるためであり、将来の課税所得の十分性やタックスプランニングの存在等について、監査上慎重な検討が必要である。 このように慎重な判断が求められているが、これらは将来事象の予測や見積りに依存することとなり、その客観性を判断することが困難な場合が多い(監査委員会報告第66号2)。 3 過去の業績等の状況を主たる判断基準とすること 「個別財務諸表における税効果会計に関する実務指針」(会計制度委員会報告第10号。以下「個別税効果会計実務指針」という)21項(1)では、課税所得が発生する可能性が高いかどうかを判断するためには、過年度の納税状況及び将来の業績予測等を総合的に勘案し、課税所得の額を合理的に見積もる必要があると述べている。 後述するように、監査委員会報告第66号は、「将来年度の課税所得の見積額による繰延税金資産の回収可能性を過去の業績等に基づいて行う場合の判断指針」として、会社分類を例示して規定している。 同委員会報告では、将来年度の会社の収益力を客観的に判断することは実務上困難な場合が多いとし、会社の過去の業績等の状況を主たる判断基準として、将来年度の課税所得の見積額による繰延税金資産の回収可能性を判断する場合の指針を示している(監査委員会報告第66号5)。 そもそも繰延税金資産の回収可能性の判断は、将来の課税所得に依存するものであり、それを見積もることがポイントになる。 しかしながら、将来の課税所得を客観的に見積もることが実務上困難なことが多いので、監査委員会報告第66号は、会社の過去の業績等の状況を主たる判断基準としているものと解される。 このとき、ポイントは、会社の基礎収益力等をいかに的確に把握するかであり、端的にいえば、会社が本業においてどれだけ基礎収益力等を獲得する能力があるかが重要ということになると解される。 監査委員会報告第66号でも、それぞれの会社分類(例示区分)に直接該当しない場合であっても、それぞれの例示区分の趣旨を斟酌し、会社の実態に応じて、それぞれの例示区分に準じた判断を行う必要があると述べられていることに留意が必要である(監査委員会報告第66号5(1))。 Ⅲ 会社分類(例示区分)と繰延税金資産 監査委員会報告第66号における過去の業績等に基づいた回収可能性の判断指針をまとめると、次のようになる(監査委員会報告第66号5)。 (了)
労働基準関係
労務
労務・法務・経営
改正労働契約法──各企業への適用に当たっての注意点 【第4回】「不合理な労働条件の禁止規定の創設」
改正労働契約法 ──各企業への適用に当たっての注意点 【第4回】 「不合理な労働条件の禁止規定の創設」 特定社会保険労務士 奥田 エリカ [改正ポイント③] 期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止 (改正労働契約法20条) 同一の使用者と労働契約を締結している有期契約労働者と無期契約社員との間で、労働条件が相違する場合に、その労働条件の相違が期間の定めがあることによる不合理な労働条件であることを禁止するルールが創設された。 ◆期間の定めがあることによる不合理な労働条件とは 今回の改正による規定で禁止されるのは、労働者の職務内容、当該職務の内容・配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、労働条件が不合理と認められるものであってはならないとされる。不合理とされた労働条件の定めは無効となり、不法行為(故意・過失による権利の侵害)として損害賠償が認められうると解されている。この規定により無効となった労働条件は、原則的に無期契約労働者と同じ労働条件が認められることとなる。 対象となる労働条件とは、賃金、労働時間等の労働条件のみならず、災害補償、服務規律、福利厚生など、一切の待遇が含まれる。通達では、「とりわけ、通勤手当、食堂の利用、安全管理などについて労働条件を相違させることは、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して特段の理由がない限り、合理的とは認められないと解されるものであること」としている。 では、正社員には通勤手当を支給しているが、有期労働契約のパート労働者には不支給としているケースは、一律に不合理な労働条件とされてしまうのだろうか。 労働条件の相違が不合理と認められるか否かは、次の要素を考慮して行われる。 これに当てはめて検証すれば、上記パート労働者は、正社員とは異なる業務に従事している、責任の範囲も狭い、会社に徒歩圏内から通勤できること等を条件として採用している、といった場合には、交通費の不支給が一概に不合理ではない、と主張できるだろう。 したがって、本条で定める不合理な労働条件の判断は、ある程度、狭い範囲で適用されるのではないかと思われる。具体的には、有期労働契約の労働者が次の事項にあてはまるような場合には、正社員との労働条件の相違が不合理とみなされる確率が高くなる。 上記を踏まえ、一定の労働条件の相違を設けるならば、有期労働契約の締結・更新にあたって、労働者の従事する業務内容、責任の範囲、人事異動の有無などをできるだけ明確にし、正社員とのバランスも考慮して、当該労働者に十分な説明することが重要と思われる。 ま と め 以上、4回にわたり、労働契約法の改正に伴い、各企業がその改正を適用するにあたり、どのような検討課題が挙げられるのか、3つの改正ポイントごとに解説をしてきた。 労働力、そして一定の雇用調整機能として有期労働契約の労働者は欠かせないが、その雇用期間が長くなったときは、どう処遇していくのかを考える必要がある。法改正前から有期労働契約については、雇止め法理のルールは確立しており、有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準が適用されていた。 結局、契約期間に制限があるという事実のみで雇用管理が簡単になっているわけではないのである。 最後に、有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換については、「改正高年齢者雇用安定法」との関係も考慮する必要がある。 定年年齢を60歳と定めている会社において、定年後の労働者を1年ごとの有期労働契約で継続雇用しているケースは多いだろう。たとえ定年後の有期労働契約であっても、その期間が通算5年を超えると無期労働契約への転換申込権が発生することとなる。また、有期労働契約の雇止め法理や不合理な労働条件の設定に関しても、例外なく適用を受けることとなる。 いったん定年を迎えた者が、無期労働契約社員となる可能性があり、65歳以後の定年についても考慮する必要があるなど、法改正が行われた結果、会社にとっての「不合理さ」も発生してしまう。 会社及び人事担当者は、改正直後の話題性に振り回されず、実際の改正条文と自社の状況をよく見極め、周囲の動向も踏まえた上で適切な措置を取るべきであろう。 (連載了)
労働基準関係
労務
労務・法務・経営
会社が取り組む社員の健康管理【第8回】「衛生管理体制・業務上傷病への補償」
会社が取り組む 社員の健康管理 【第8回】 「衛生管理体制・業務上傷病への補償」 社会保険労務士 佐藤 信 1 はじめに 業務に起因する疾病については、労災補償や損害賠償の訴訟による法的制裁だけでなく、会社の信用失墜による経営への悪影響など多大な社会的責任を負うことがあるため、会社の規模にかかわらず、安全・衛生面での対策は十分に行っておく必要がある。 「会社が取り組む社員の健康管理」の最終回となる今回は、法に基づく衛生管理体制の整備、業務上傷病への補償について触れていくこととする。 2 安全配慮義務(健康配慮義務) 職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境を形成することを目的とする法令として、労働安全衛生法が定められている。 会社は、労働災害を防止するために、同法で定められた最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境を作り、労働条件を改善することで、労働者の安全と健康を守らなければならない。 また、平成20年3月に施行された労働契約法5条では「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」と、労働者に対する安全配慮義務(健康配慮義務)が明文化された。 危険作業や有害物質への対策はもちろんであるが、メンタルヘルス対策も使用者の安全配慮義務に含まれると解釈されている。 労働契約法に罰則はないが、安全配慮義務を怠った場合、民法709条(不法行為責任)、715条(使用者責任)、415条(債務不履行)等を根拠に多額の損害賠償を命じる判例が多数存在することは、労働者を使用する上で留意しておきたい。 3 衛生管理体制 労働安全衛生法では、労働者の健康を確保し快適な職場作りを進めるために、事業場の規模(注)に応じて衛生管理者、産業医等を選任し、これらの者に労働衛生対策を進めるために必要十分な権限を与え、管理体制を整備しなければならない。 (注) 事業場の規模・・・企業全体ではなく、本社・支店・営業所等など各事業場の労働者数により判断する。 (1) 常時50人以上の労働者を使用する事業場がすべきこと 次の選任、届出等の義務がある。 ① 衛生管理者の選任 職場において労働者の健康障害を防止するため、常時50人以上の労働者を使用する事業者は、その事業場専属の衛生管理者を選任しなければならない。 選任は、有資格者の採用ではなく既存の社員に資格を取得させ選任要件を満たすことも可能である。試験の実施については下記【参考2・3】を参照。 ② 産業医の選任 職場において労働者の健康管理等を効果的に行うためには、医学に関する専門的な知識が不可欠なことから、常時50人以上の労働者を使用する事業場においては、事業者は、産業医を選任し、労働者の健康管理等を行わせなければならない。 ③ 衛生委員会の開催 事業者は常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに、衛生に関することを調査審議し、事業者に意見を述べるため、衛生委員会を設置しなければならないとされ、開催ルールとして次のことが定められている。 委員会の構成者や審議事項については、下記【参考5】の資料を参照いただきたい。 (2) 常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場がすべきこと 次の選任、周知義務がある。 ※「衛生推進者」については、(1)で触れた「衛生管理者」と異なり、免許試験や選任後の届出(労働基準監督署)義務はない。 衛生管理者の選任が義務付けられていない中小規模事業場の衛生水準の向上を図るため、常時10人以上50人未満の労働者を使用する事業場では、衛生推進者を選任しなければならない。 ※衛生推進者の講習 衛生推進者を養成する講習は各種団体において実施されている。個々の団体による案内ページへのリンクは割愛させていただくが、「衛生推進者」「講習」などのキーワードにより検索することができる。 なお、10人未満の小規模事業場については(1)(2)のような体制を設けることまで義務付けられていないが、規模の大小にかかわらず、労働者の健康管理を行うことは重要である。 法で定められた規模に満たない職場であっても、厚生労働省が公開する安全・衛生に関する施策(下記【参考7】を参照)を取り入れるなど、労働者の健康面への配慮を実施していきたい。 4 労災補償 業務上災害を発生させたときは、会社は被災労働者に対し、療養・休業その他の各種補償を行わなければならない(労働基準法)。 ところが、小規模事業場など災害補償を十分に行えない職場では労働者が救済されないこともある。 そこで、労働者が確実に補償を受けられるようにするため、及び事業主の補償負担の軽減のために労災保険制度が設けられ、被災労働者が労災保険による補償給付を受けた場合は、会社は労働基準法の補償義務を免れる。 給付概要は次のとおりである。 事故等に基づくケガのほか、長時間労働に伴う心臓疾患や脳血管疾患なども、業務との因果関係が認められるときには給付の対象となることがある(第7回「過重労働についての認定基準」)。 (1) 業務災害・通勤災害による傷病等 (2) 定期健康診断等における異常の所見 定期健康診断の結果、異常の所見が認められるときは、労災保険から二次健康診断等給付が行われる。 (1)(2)で示した給付の詳細については、下記【参考8】を参照のこと。 5 おわりに 脳・心臓疾患や精神障害の増加傾向を見ると、労働者の健康管理面への対応や配慮が十分に行われていない会社もまだ多数あるものと思われる。 今回の記事で触れた衛生管理体制の整備を形式なものとせず、健康障害の予防や健康保持増進につなげていくためにも、労働者への周知や理解を得ることなどを通じて労使双方が協力し、対応を進めていく必要がある。 ◆ 連載のまとめ ◆ 「会社が取り組む社員の健康管理」として、全8回にわたり健康診断や職場の衛生管理体制等について触れてきた。 当連載が、企業が健康管理へ取り組むきっかけとなり、全労働者が健全な心身で職業生活を送り企業のさらなる発展につなげていくことにお役立ていただければなお幸いである。 (連載了)
労務・法務・経営
経営
NPO法人 “AtoZ” 【第4回】「NPO法人の管理運営②」~議事録の作成・役員報酬規程等規程の整備等~
NPO法人 “AtoZ” 【第4回】 「NPO法人の管理運営②」 ~議事録の作成・役員報酬規程等規程の整備等~ 税理士 岩田 聡子 1 議事録・報酬規程の重要性 NPO法人は、小規模法人が多く、管理運営に専念している者がいない法人も多く見られる。そのため、備え付けておかなければならない議事録・報酬規程が、どうしてもおろそかになりがちである。 しかし、NPO法人であっても法人である限りは、組織の活動等の基本的な規則である定款に従った運営を行わなければならない。 議事録とは法人が開く会議の議題から決定事項までその内容をすべて記録した文書であり、内部管理体制の整備のために必要不可欠なものである。 議事録の中には、定款でその作成が定められているものがある。 定款は、それぞれの法人が作成しているため、内容に異なるところもあるが、ここでは内閣府発行の「特定非営利活動促進法に係る諸手続の手引き」に記載された定款例(以下「定款例」)に基づいて、その定められている議事録を紹介する(手引きは内閣府HPからダウンロード可能)。 2 社員総会議事録 定款例の22条で総会の権能として定められているものは以下のとおりであり、これらを変更、決定するときには必ず社員総会を開き、議事録を作成しなければならない。 理事長等からの借入金により運営されているNPO法人も多いと思われるため、この定款を参考に設立した法人は、⑧の借入金について、議事録の作成を忘れないように注意が必要である。 この他、定款例48条にも、臨機の措置として、社員総会の決議の規定がある。 3 理事会議事録 定款例の31条において、理事会の権能として定められているものは以下のとおりである。理事会を開いた際も、議事録を作成しなければならない。 どのような事項を総会で決定するか、理事会で決定するかは、定款を作成するNPO法人の判断による。最初にきちんと振分けされていればよいのだが、実態にそぐわない場合には定款変更を検討することも必要である。 4 報酬規程等 NPO法人も通常の法人と同様、報酬・給与等を支払う場合、役員報酬規程・給与規程・報酬規程・旅費規程等の規程を作成し、これに基づいて支払っていくこととなる。 特に、役員報酬の決定については、規程があっても、定款で定められているとおり、総会又は理事会の決議、議事録が必要となることを留意しなければならない。 また、規程がない場合、役員に対し、役員としてではなく使用人として仕事をした部分について給与を支給する場合、指導者として指導者報酬を支払う場合等に、すべて役員報酬と指摘されてしまうこと等のリスクも想定される。 これらの他、理事会等で出席した理事のため、概算で交通費を支払う場合、旅費規程で定めていない場合には、これも役員報酬となる可能性があり、場合によっては、源泉税が生ずることも考えられる。 こうした規程の作成は、ノウハウがないため敬遠されがちであるが、該当する場合には、作成するとともに、規程通りに運用されているか、実態に合わせて随時改訂していくことも大切である。 5 社員総会の通知の方法 NPO法人が社員総会を開く場合には、その社員総会の5日前までに通知しなければならない(NPO法14④)。 社員総会の通知は、定款で定めた方法により、文書又は電磁的方法により通知することができる。 最近はメール等で通知することも多いかと思うが、定款に「電磁的方法による」と記載されていなければ、メールでの通知は認められないので、メール通知する際には記載の確認をする必要がある。 上記のとおり、NPO法人の管理運営にあたっては、様々な書類を作成し、内部環境を整備することが、NPO法人の内部管理体制の充実や、社会の信頼に答えられる活動の基礎となるのである。 (了)
読み物
連載
女性会計士の奮闘記 【第4話】「お客様の心配事を棚卸する」
女性会計士の奮闘記 【第4話】 「お客様の心配事を棚卸する」 公認会計士・税理士 小長谷 敦子 〈ワンポントアドバイス〉 まずは、時間をかけてお客様の悩みや望み聞いていきましょう。 その際、こちらからお客様の言葉を遮るのではなく、自由にしゃべってもらいます。 また、話を聞く際に、相槌を打ったり頷くことによって、お客様に気分よく安心して本音を語っていただくことができます。 そして、語っていただいたお客様の悩みや望みを経営計画表を使って整理しましょう。 (了)
読み物
連載
鵜野和夫 平成25年度税制改正を読む④ 「特定居住用宅地の特例」~「家無き子」が取得したとき
鵜野和夫 平成25年度税制改正を読む④ 「特定居住用宅地の特例」 ~「家無き子」が取得したとき~ 税理士・不動産鑑定士 鵜野 和夫 (一) (二) (三) (注1) 措法69条の4第3項2号ロ、措令40条の2第8項 (注2) 措法39条(相続財産に係る譲渡所得の課税の特例) (連載了)
お知らせ
会計
会計情報の速報解説
税務・会計
財務会計
速報解説一覧
連結会計
《速報解説》 「特別目的会社の連結範囲等に関する検討の中間取りまとめ」の解説
《速報解説》 「特別目的会社の連結範囲等に関する検討の中間取りまとめ」の解説 公認会計士 阿部 光成 平成25年3月29日、企業会計基準委員会は「特別目的会社の連結範囲等に関する検討の中間取りまとめ」(以下「中間整理」という)を公表した。 中間整理は、特別目的会社に関する連結の取扱いに関する現在までの検討状況について中間的に取りまとめを行ったものであり、論点整理や公開草案のようなコメントの募集は行われていない。 中間整理は大きく分けて、次の論点から構成されている。 以下では、中間整理の概要を述べ、整理の状況について解説を行う。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。 Ⅰ これまでの検討の経緯 これまでの検討の経緯として、次のことが述べられている。 そして、次の事項に関して現在までの検討状況についての中間的なとりまとめを行ったことについて述べている。 なお、中間整理では、仮にIFRS第10号の支配の考え方を取り入れた場合に生じ得る論点に関して設例に基づく検討を行っているが、これは一定の前提条件に基づくものであり、IFRS第10号の解釈を行うことを意図したものではないことに注意が必要である。 Ⅱ 特別目的会社の連結範囲 1 特別目的会社に対する支配力基準の適用 仮に我が国においてIFRS第10号の支配の考え方を取り入れた場合に、どのような論点が生じ得るかについて、専門委員会で行われた検討事項を述べている。 一定の要件を満たした特別目的会社については、資産を譲渡した企業の子会社に該当しないものと推定するという特別目的会社の連結に関する特則がある(連結会計基準7-2項)。 IFRS第10号では、次の3つの要件をすべて満たすときに、投資先を支配しているとされている(IFRS第10号7項)。この際、IFRS第10号B3項ほかも考慮する。 中間整理では、不動産の流動化(合同会社と匿名組合を用いた場合)、住宅ローンの証券化の例を用いて、IFRS第10号を適用したときの支配について検討している。 2 代理人の取扱い 我が国において、包括的に代理人の取扱いを定めた会計基準はない(連結会計基準49-6項参照)。 中間整理は、IFRS第10号をもとに、代理人の判定について検討を行っている。 意思決定者は、自らが代理人かどうかを決定する際に、意思決定者、管理されている投資先、及び他の当事者との間の全体的な関係、特に以下の4つの要因をすべて検討することが求められている。 中間整理は、不動産の流動化、未公開株式投資を目的とした投資事業組合の例を用いて検討している。 3 会社に準ずる事業体(組合及び信託の取扱い) 我が国の会計基準等では、組合は、法人格はないものの、連結会計基準において会社に準ずる事業体として明示されていることから、連結対象となり得る企業に含まれると解されている。また、信託は、財産管理の制度としての特徴も有しており、通常、会社に準ずる事業体に該当するとはいえない(実務対応報告第23号「信託の会計処理に関する実務上の取扱い」Q2のA3)と解されている。 専門委員会では、次の2つの案を検討していた。 改訂前のIAS第27号「連結及び個別財務諸表」(2008年修正)においては、子会社の定義の中で、パートナーシップ等の法人格のない事業体を含むとされており、IFRS第10号においても同様にパートナーシップ等の法人格のない事業体は子会社の範囲に含まれるといわれている。 IFRS第10号公表(平成23年(2011年)5月)以降、会社に準ずる事業体に関する論点についての検討は進められていない。 Ⅲ 資産の流動化に関する会計基準等の見直し 特別目的会社を利用して流動化した資産がある場合、資産を譲渡した会社の連結財務諸表に引き続き計上されるかどうかについては、対象資産の消滅の認識の判断と、当該特別目的会社を連結範囲に含めるかどうかの判断が必要となる。 資産の消滅の認識要件と特別目的会社の連結範囲との関係をどのように整理するかについては議論のあるところであるが、「連結財務諸表における特別目的会社の取扱い等に関する論点の整理」に対して、特別目的会社の連結範囲と、資産の消滅の認識要件に関する議論は同時になされるべきであるとのコメントが寄せられたため、専門委員会では、金融資産の消滅の認識及び不動産の流動化についても合わせて検討を行っている。 金融資産の消滅の認識については、IFRSにおいて現行モデルが維持されたことから、IFRS第10号の公表前において、仮に現行のIFRS第9号(IAS第39号)の認識中止モデルの考え方を我が国に取り入れた場合に生じ得る論点について検討を行っている。 検討の過程では、IFRS第9号の認識中止モデルに対し、主に以下の懸念が示されている。 このほか、不動産の流動化に関する取扱いに関する検討も述べられている。 IFRS第10号公表(平成23年(2011年)5月)以降、資産の流動化に関する会計基準に関する論点についての検討は進められていない。 (了)
お知らせ
会計
会計情報の速報解説
税務・会計
管理会計
速報解説一覧
《速報解説》 産業経理協会 「わが国企業における予算制度の実態に関するアンケート調査」の結果を公表~収益性重視がより鮮明に
《速報解説》 産業経理協会 「わが国企業における予算制度の 実態に関するアンケート調査」の結果を公表 ~収益性重視がより鮮明に! Profession Journal編集部 一般財団法人 産業経理協会は4月12日、2012年11月~12月にかけて実施した「わが国企業における予算制度の実態に関するアンケート調査」の集計結果を公表した。 本調査は、1992年、2002年と10年毎に定期的に実施されてきた調査の3回目にあたるもので、今回のアンケート対象企業は産業経理協会賛助会員企業469社、東証一部・二部上場の協会非賛助会員企業470社の合計939社、回収企業は185社・回収率は19.7%であった。 なお、報告は明治大学・﨑章浩教授、流通経済大学・吉村聡教授、明治大学・大槻晴海准教授が行った。 本調査の目的は、1992年調査、2002年調査と時系列的に比較することにより、わが国企業の予算制度がどのように変化してきているのかを明らかにすることを目的としている。 詳細な分析は今後行われることとなるが、アンケートの集計結果からは、次のような傾向が見られたとされる。 【1992年調査、2002年調査、2012年調査の3調査のいずれにも共通すること】 【2002年調査と2012年調査に共通すること】 【2002年と2012年調査とが異なること】 また、管理手法について、次のような実態が明らかになった。 なお、調査の詳細報告は、4月25日発行「産業経理 第73巻第1号」から4回に分けて掲載される。 (了)
相続税・贈与税
税務
税務・会計
解説
解説一覧
小規模宅地等の課税特例の改正とワンポイント
小規模宅地等の 課税特例の改正とワンポイント 税理士 笹岡 宏保 〔1〕 規定の概要(改正前の取扱い) 個人が相続又は遺贈により取得した財産のうちに、当該相続の開始の直前において、当該相続若しくは遺贈に係る被相続人又は当該被相続人と生計を一にしていた当該被相続人の親族(被相続人等)の事業(注1)の用若しくは居住の用に供されていた宅地等(注2)で一定の建物又は構築物の敷地の用に供されているもので一定のもの(注3)がある場合には、当該相続又は遺贈により財産を取得した者に係るすべての特例対象宅地等のうち、当該個人が取得した特例対象宅地等又はその一部でこの特例の規定の適用を受けるものとして選択したもの(選択特例対象宅地等)については、限度面積要件を満たす場合の当該選択特例対象宅地等(小規模宅地等)について、相続税の課税価格に算入すべき価額は、当該小規模宅地等の価額に下記に掲げる図表-1に掲げる小規模宅地等の区分に応じて、それぞれに定める割合を乗じて計算した金額とされている。 (注1) 事業に準ずるものとして相当の対価を得て継続的に行う不動産(土地等又は建物等)の貸付けを含む。 (注2) 土地又は土地の上に存する権利をいう。 (注3) 特定事業用宅地等、特定居住用宅地等、特定同族会社事業用宅地等及び貸付事業用宅地等(特例対象宅地等)に限る。 図表-1 小規模宅地等の区分と課税価格算入割合等 〔2〕 平成25年度における改正項目 (1) 特定居住用宅地等に係る適用限度面積の引上げ ① 改正の内容 特定居住用宅地等に係る特例の適用対象面積(上限)が330㎡(改正前は、240㎡(上記図表-1の(ロ)を参照))に引き上げられることとなった。 ② 適用時期 平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について適用される。 ③ ワンポイント (イ) 特定居住用宅地等の要件を充足する宅地の地積が240㎡超である場合には、改正後の取扱いを適用すると有利となる。 (ロ) 上記(イ)に該当しない場合であっても、特定事業用等宅地等と貸付事業用宅地等を小規模宅地等とする場合には、改正後の取扱いを適用すると有利になる場合が生じる(下記(2)①を参照)。 (2) 選択特例対象宅地等の区分に応ずる適用限度面積の引上げ ① 改正の内容 特例の対象として選択する宅地等のすべてが特定事業用宅地等又は特定同族会社事業用宅地等(これらを総称して、特定事業用等宅地等)及び特定居住用宅地等である場合には、それぞれの適用対象面積(400㎡+330㎡=730㎡)まで適用可能(注)とする。 (注) 改正前は、下記に掲げる【算式-1】に示す要件を充足していることが必要とされていた。 【算式-1】 改正前における限度面積要件(選択特例対象宅地等の区分が複数に及ぶ場合) なお、貸付事業用宅地等を選択する場合における適用対象面積の計算については、改正前における取扱いと同様に調整を行うことが求められており、この取扱いを示すと、下記に掲げる【算式-2】の要件を充足していることが必要とされる。 【算式-2】 改正後における限度面積要件(貸付事業用宅地等を含めて選択特例対象宅地等が複数の区分で選択される場合) ② 適用時期 平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について適用される。 ③ ワンポイント (イ) 小規模宅地等の課税特例の適用上限地積は、改正前は400㎡であったが、改正後は最大730㎡(特定事業用等宅地等(400㎡)及び特定居住用宅地等(330㎡)を選択)となる。 (ロ) 貸付事業用宅地等を選択特例対象宅地等とする場合には、従来どおり、一定の調整計算が求められることから、改正後における小規模宅地等の選択は、従前以上に変動要素が増加し、納税者に有利な選択肢を巡って、慎重な判断が求められることになる。 (3) 1棟の二世帯住宅の敷地に係る特定居住用宅地等の適用 ① 改正の内容 1棟の二世帯住宅で構造上区分のあるものについて、被相続人及びその親族が各独立部分に居住していた場合には、その親族が相続又は遺贈により取得したその敷地の用に供されていた宅地等のうち、被相続人及びその親族が居住していた部分に対応する部分を特例の対象とする旨の取扱いを条文として新設する。 ② 適用時期 平成26年1月1日以後に相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について適用される。 ③ ワンポイント 戸建型(1棟)の二世帯住宅については、改正によって特定居住用宅地等に該当する事例(又は該当する部分の面積)の増加が想定される。 (4) 被相続人が老人ホームに入所していた場合における留守宅の敷地に対する特例の適用 ① 改正の内容 老人ホームに入所したことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋の敷地の用に供されていた宅地等は、次の要件が満たされる場合に限り、相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものとして特例を適用する旨の取扱いを条文として新設(注)する。 (イ) 被相続人に介護が必要なため入所したものであること (ロ) 当該家屋が貸付け等の用途に供されていないこと (注) 改正前の取扱いでは、条文としての明確な取扱いは規定されておらず、下記【参考】に掲げる課税実務上の取扱い(運用)が示されていた。 ② 適用時期 平成26年1月1日以後に相続又は遺贈により取得した財産に係る相続税について適用される。 ③ ワンポイント 従来より論点とされていた被相続人が老人ホームに入所していた場合の留守宅の敷地問題(これに関しては、裁決及び裁判例が多数存在する)が条文化され、かつ、いわゆる所有権(又は終身利用権)の取得を要件とはしないこととされたため、実務上では大きな前進であると考えられる。 (了)