マイナンバーの会社実務
Q&A
【第1回】
「行政手続書類のマイナンバー対応スケジュール」
税理士・社会保険労務士 上前 剛
この連載では、会社内でマイナンバー(個人番号・法人番号)に関する実務を行う総務・経理・人事等の担当者向けに、特に間違いやすい点について解説を行っていきます。
〈Q〉
行政手続書類に関するマイナンバーへの対応について、今後のスケジュールを教えてください。
〈A〉
平成28年1月以降で対応が求められるもののスケジュールは、以下の通りである。
◆法人税の申告書
平成28年1月1日以降に開始する事業年度に係る申告書から法人番号を記載する。したがって、平成29年以降に提出する申告書から法人番号を記載することになるが、中間申告書を提出する法人、決算期を変更する法人、新設法人は、平成28年中に申告書に法人番号を記載することがある。
◆消費税の申告書
平成28年1月1日以降に開始する課税期間に係る申告書から法人番号を記載する。法人税の申告書と同様、平成29年以降に提出する申告書から法人番号を記載することになるが、中間申告書を提出する法人、決算期を変更する法人、課税期間の特例の適用を受ける法人、資本金1,000万円以上の新設法人は、平成28年中に申告書に法人番号を記載することがある。
◆償却資産申告書
平成28年度償却資産申告書(提出期限:平成28年2月1日)から法人番号を記載する。
◆法定調書合計表
平成28年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(提出期限:平成29年1月31日)から、法人番号及び添付の源泉徴収票・支払調書へ従業員・扶養親族・支払先の個人番号・法人番号を記載する。
平成27年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(提出期限:平成28年2月1日)には、法人番号及び添付の源泉徴収票・支払調書へ従業員・扶養親族・支払先の個人番号・法人番号の記載は不要である。
◆給与所得の源泉徴収票、退職所得の源泉徴収票
従業員交付用の源泉徴収票には、法人番号及び従業員・扶養親族の個人番号の記載は不要である。一方、税務署提出用の源泉徴収票には、平成28年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表に添付するものから、法人番号及び従業員・扶養親族の個人番号の記載が必要である。
◆報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書、不動産の使用料等の支払調書、不動産等の譲受けの対価の支払調書、不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
平成28年分以降の支払調書から、法人番号及び支払先の個人番号・法人番号の記載が必要である。
◆給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
平成28年1月1日以降に会社が提出を受ける給与所得者の扶養控除等(異動)申告書から、法人番号及び従業員・扶養親族の個人番号を記載する。
昨年(平成27年)の年末調整時に個人番号を記載した給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の提出を受けても差し支えなく、個人番号を記載しなかった場合には、平成28年分の給与所得の源泉徴収票の作成時までに個人番号の提供を受ければよい。
◆雇用保険被保険者資格取得届、雇用保険被保険者資格喪失届、高年齢雇用継続給付受給資格確認票、(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書、育児休業給付受給資格確認票、(初回)育児休業給付金支給申請書、介護休業給付金支給申請書、個人番号登録・変更届出書
平成28年1月1日以降に提出するものから、従業員の個人番号を記載する。
◆雇用保険適用事業所設置届、雇用保険適用事業所廃止届、雇用保険事業主事業所各種変更届
平成28年1月1日以降に提出するものから、法人番号を記載する。
◆日本年金機構へ提出する健康保険、厚生年金関連書類
個人番号の記載は当分の間、延期となった。
(了)
「マイナンバーの会社実務Q&A」は、隔週で掲載されます。