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フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第40回】「親会社が存在しない会社間における株式交換(対価が新株発行の場合)」

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第40回】 「親会社が存在しない会社間における株式交換 (対価が新株発行の場合)」   仰星監査法人 公認会計士 西田 友洋   【はじめに】 今回は、親会社が存在しない会社間における株式交換(対価が新株発行の場合)を解説する。また、株式交換前に株式の持ち合いはなく、かつ、株式交換後も結合企業(株式交換完全親会社)は、被結合企業(株式交換完全子会社)の元々の株主の子会社又は関連会社には該当しない場合を前提とする。なお、親会社が存在しない会社間における株式交換(対価が新株発行の場合)に関する全ての論点を取り扱っているわけではない。 株式交換とは、株式会社がその発行済株式の全部を他の株式会社に取得させることをいう(会社法2条31項)。そして、親会社が存在しない会社間における株式交換(対価が新株発行の場合)は企業結合の会計処理上、「取得」(【第39回】参照)に該当する。 「取得」の場合、「パーチェス法」で会計処理する(企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準(以下、「基準」という)」17)。パーチェス法とは、被取得企業から受け入れる資産及び負債の取得原価を、原則として、対価として交付する現金及び株式等の時価とする会計処理をいう(企業会計基準適用指針第 10号「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針(以下、「適用指針」という)」29)。 ※各ステップをクリックすると、それぞれのページに移動します。 ※画像をクリックすると、別ウィンドウでPDFが開きます。    結合企業(株式交換完全親会社)の個別財務諸表上では、以下の会計処理を行う。 (1) 取得原価の算定 結合企業が取得する被結合企業(株式交換完全子会社)株式の取得原価は、結合企業が交付する株式の時価(株式交換日の株価)で算定する(基準23、適用指針110)。 外部のアドバイザー等に支払った報酬・手数料等の取得関連費用がある場合、個別財務諸表上、被結合企業株式の取得原価に含めて会計処理する。連結財務諸表上は、発生時に費用処理する(適用指針110、会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針」56)。 (2) 新株発行により増加する資本の処理 新株発行により増加する資本は、払込資本(資本金、資本準備金、その他資本剰余金)として会計処理する。払込資本の内訳項目は、会社法の規定に基づき会計処理する(適用指針111)。 【留意点】 結合企業の株主は、株式交換において取引が発生していないため、会計処理は必要ない。    被結合企業(株式交換完全子会社)の株主は、株式交換により被結合企業株式を引き渡す代わりに、結合企業株式を受け取る。 株式が変わっただけで、株主の投資が精算されているわけではないため、投資が継続されていると考え、被結合企業株式の株式交換日直前の適正な帳簿価額に基づき、結合企業株式の取得価額を算定する(企業会計基準第7号「事業分離等に関する会計基準」43)。 【留意点】 被結合企業にとっては、株主が入れ替わるのみであるため、通常、会計処理は必要ない。ただし、完全子会社が発行している新株予約権等が結合企業に承継された場合、株式交換の効力発生日の前日に自己株式を保有している場合等においては、会計処理が必要となる。    被結合企業の資産及び負債を時価評価した上で、投資と資本を相殺し、のれん(又は負ののれん)を算定する(適用指針116)。 【留意点】 株式交換日が被結合企業の決算日以外の日である場合、株式交換日の前後いずれかの決算日(みなし取得日)に株式交換が行われたものとみなして会計処理することができる。この場合、株式交換の効力発生日をみなし取得日にすることになる。 ただし、みなし取得日は、企業結合の主要要件が合意されて公表された日以降としなければならない(適用指針117)。   《設例》 P社は、S社を株式交換により100%子会社とした。 株式交換にあたって、P社は新株発行によりS社の株主にP社株式を交付(株式交換時の時価は8,000)した。 新株発行により、増加する資本は、その他資本剰余金とする。 取得関連費用は発生していない。 S社株主が保有していたS社株式の帳簿価額は6,000であった。 S社の貸借対照表(時価評価後)は以下のとおりである。法定実効税率は30%とする。 (※) S社の土地の帳簿価額は500であるが、時価は1,000である。また、分離して譲渡可能な無形資産があり、合理的に算定された価額は1,000である。 〈会計処理〉 1 P社(結合企業)の会計処理 (※1) 時価 2 S社(被結合企業)の株主の会計処理 3 連結財務諸表における会計処理 (※2) (500+1,000)×(1-30%)=1,050 (※3) (500+1,000)×30%=450 (※4) 差額 企業結合年度において、取得とされた企業結合に係る重要な取引がある場合には、以下の事項を注記する。また、連結財務諸表における注記と個別財務諸表における注記が同じとなる場合には、個別財務諸表においては、連結財務諸表に当該注記がある旨の記載をもって代えることができる(基準49)。 なお、計算書類では、上記のような注記は必ずしも求められていない。 *  *  * 以上、4のステップをまとめたフロー・チャートを再掲する。 ※画像をクリックすると、別ウィンドウでPDFが開きます。 (了)

#No. 246(掲載号)
#西田 友洋
2017/11/30

収益認識会計基準(案)を学ぶ 【第15回】「適用時期等」

収益認識会計基準(案)を学ぶ 【第15回】 (最終回) 「適用時期等」   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 本シリーズの最終回として、今回は、「収益認識に関する会計基準(案)」(以下「収益認識会計基準(案)」という)で提案されている適用時期等について解説する。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 収益認識会計基準(案)の適用対象となる企業 第364回企業会計基準委員会(2017年7月14日)の審議事項(2)-6の16項及び第361回企業会計基準委員会(2017年5月30日)の審議事項(5)-9の55項を考えると、収益認識会計基準(案)は、上場企業だけでなく、会社法監査対象企業にも適用されることが予定されている。 また、基本的には、連結財務諸表と個別財務諸表において同一の会計処理が定められている(収益認識会計基準(案)93項)。 連結財務諸表と個別財務諸表で同一の内容とする場合、中小規模の上場企業や連結子会社等における負担が懸念されるが、重要性等に関する代替的な取扱いの定めを置くこと等により一定程度実務における対応が可能となると述べられている(収益認識会計基準(案)93項)。 個別財務諸表における金額は、関連諸法規等に用いられ、特に法人税法上の課税所得計算の基礎となるため、法人税との関係に配慮すべきであるとの意見があったように(収益認識会計基準(案)93項)、実務上、法人税法における収益認識に関する取扱いの動向にも注意しておく必要があると考えられる。   Ⅲ 適用時期 適用時期に関する規定は次のとおりである(収益認識会計基準(案)78項~80項)。   Ⅳ 経過措置 1 遡及適用 本会計基準の適用初年度においては、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱い、原則として、新たな会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用する(以下「原則的な取扱い」という)(収益認識会計基準(案)81項)。 ただし、適用初年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の適用初年度の累積的影響額を、適用初年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用することができる(収益認識会計基準(案)83項に注意)。 本会計基準を原則的な取扱いに従って遡及適用する場合、次の①から④の方法の1つ又は複数を適用することができる(収益認識会計基準(案)82項)。 2 その他 上記のほか、次の経過措置が規定されている。   Ⅴ 「収益認識に関する会計基準(案)」等に寄せられたコメント 収益認識会計基準(案)へのコメント募集期間は、平成29年10月20日までであり、多くのコメントが寄せられている。 企業会計基準委員会のホームページでは、寄せられたコメントが公開されているが、なかでも、日本経済団体連合会 金融・資本市場委員会 企業会計部会のコメントでは、次のことが記載されており、収益認識会計基準(案)の適用時期については、注意が必要であると考えられる。   Ⅵ 終わりに 本「収益認識会計基準(案)を学ぶ」シリーズでは、公開草案にしたがって、収益認識に関する会計処理及び表示について解説を行ってきた。 公開草案でも述べられているように、収益認識に関する会計処理は日常的な取引に対して行われるものであり、本会計基準の適用により従来と収益を認識する時期又は額が大きく異なる場合、企業において経営管理及びシステム対応を含む業務プロセスを変更する必要性が生じる可能性がある(収益認識会計基準(案)134項)。 このため、収益認識会計基準(案)が会計基準として確定した後は、早めに、会計処理だけでなく、経営管理及びシステム対応への影響を検討することをお薦めする。 今回の連載が、少しでも実務に役立てば幸いである。 (連載了)

#No. 246(掲載号)
#阿部 光成
2017/11/30

「無期転換ルール」の確認とその対応 【第1回】「労働契約法の改正内容」

「無期転換ルール」の 確認とその対応 【第1回】 「労働契約法の改正内容」   特定社会保険労務士 TOMAコンサルタンツグループ(株) 取締役副理事長 TOMA社会保険労務士法人 代表社員 麻生 武信   1 はじめに 有期労働契約が通算で5年を超えて反復更新された場合は、無期労働契約に転換する、いわゆる有期契約労働者の「無期転換ルール」を定めた改正労働契約法が、平成25年4月に施行され、まもなく5年が経過しようとしています。有期雇用のパートタイマー、契約社員等を雇用しているすべての企業は、平成30年4月までに、この対応が迫られています。 本稿では、「無期転換ルール」の施行が目前に迫る中、未だ対応策を決めていない企業に向け、あらためて法改正内容の確認と、企業として取り組むべきことについて2回に分けてご説明いたします。   2 「無期転換ルール」とは 有期契約労働者の「無期転換ルール」とは、同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて反復更新された場合は、労働者に、「無期労働契約への転換を申し込む権利(無期転換申込権)」が発生し、これを行使することで、無期労働契約に転換するというものです。対象者は、契約社員、パート、アルバイトなどの名称にかかわらず、すべての有期契約労働者です。 この5年のカウントは、施行日の平成25年4月1日以後に開始する有期労働契約が対象となり、施行日前に既に開始している有期労働契約は5年のカウントには含める必要はありません。 【平成25年4月開始で契約期間が1年の場合の例】 (※) 厚生労働省ホームページより また、有期労働契約と有期労働契約の間に、空白期間(同一使用者の下で働いていない期間)が6ヶ月以上あるときは、その空白期間より前の有期労働契約は5年のカウントには含めないことや、通算対象の契約期間が1年未満の場合は、その2分の1以上の空白期間があれば、それ以前の有期労働契約は5年のカウントに含めないといった、いわゆる“クーリング”も認められています。 他にも改正労働契約法では、「同一の使用者」の判断方法は、事業場単位ではなく、契約締結の法人単位で判断され、無期転換申込権の発生を免れるために派遣・請負を偽装した場合は、「同一の使用者」として扱うことや、無期転換を申し込まないことを契約更新の条件とするなど、あらかじめ労働者に無期転換申込権を放棄させることはできないことも定められています。 最後に、無期転換後の労働条件については、「別段の定め」がない限り、直前の有期労働契約と同一となることが義務付けられていますが、いわゆる「正社員」にすることが義務付けられているわけではありません。   3 検討の視点とは 「無期転換ルール」に対応するにあたり、企業は次の視点で検討することが必要です。 (1) 自社の業務の特性上、無期契約にして問題はないか? 無期転換をするということは、定年60歳(再雇用で65歳まで)の雇用が義務付けられるわけですから、こうした労働者に現在従事させている業務を、今後、継続的に与えることができるか想定できなければなりません。 業務の特性上、一定の体力が求められる業務や、年齢的な要素が求められる職種の場合は、安易に無期転換させるわけにはいきません。 (2) 業務量の変動に対応できるか? これまで会社として、有期労働契約者で雇用してきた大きな理由は、業務量の変動にあわせて、労働力を柔軟にコントロールしたいと考えているからだと思います。したがって、有期労働契約者に従事させていた業務が、今後、どのような見通しであるのかを十分見極めて判断することが必要です。 一方、現在の労働市場は、労働力人口の減少と景気を反映し人手不足の傾向にあり、特に中小企業においては人材採用難が深刻となっています。有期労働契約者の無期化を避けたいと考えても、実際には新たな人材を確保することが難しいといった状況も考慮せざるをえないでしょう。 (3) 無期転換した後の労働条件をどうするか? 有期労働契約者との労働条件は、一般的に正社員に比べて不利に設定されている傾向がありますが、無期転換後もこの労働条件を継続した場合、職務内容によっては、「不合理な労働条件の格差」となる場合があります。今後、「同一労働同一賃金」の考えのもと、法令が整備される見通しですので、注意が必要です。 *  *  * 次回は、実際に企業がとるべき対策の具体的な進め方について解説します。 (了)

#No. 246(掲載号)
#麻生 武信
2017/11/30

《速報解説》 国税庁、HP上の「質疑応答事例」を更新~「地積規模の大きな宅地の評価」含む25問を新設、既存事例の内容更新も~

《速報解説》 国税庁、HP上の「質疑応答事例」を更新 ~「地積規模の大きな宅地の評価」含む25問を新設、既存事例の内容更新も~   Profession Journal編集部   国税庁は2017年11月24日にホームページ上の質疑応答事例を更新し、新たに25問が追加された。 新設された25問の内訳は、財産評価が12問、法人税関係が6問、消費税が4問、所得税2問、印紙税1問となっている(源泉所得税、譲渡所得、相続税・贈与税、酒税関係、法定調書については新設事例なし)。新設事例以外にも29年度税制改正の内容を織り込み内容が更新されているものがあるので留意されたい。 なお、新設及び内容の見直しのあった主な事例については、このページ下部にリンク先一覧を掲載している。 まず新設25問のうち12問が、平成30年1月1日から新制度に切り替わる「地積規模の大きな宅地」(旧広大地)の評価に関するもの。評価対象の宅地が「共有地の場合」「工業専用地域とそれ以外の用途地域にわたる場合」「指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合」「基準容積率が指定容積率を下回る場合」「正面路線が2以上の地区にわたる場合」「倍率地域に所在する場合」等における判定方法及び計算例が新設された。 本改正については既に財産評価基本通達が改正され改正通達に関する情報やチェックシート、広報用のチラシが国税庁から公表されているが、Q&A等は公表されていないため、上記のように予測されるパターンごとの分かりやすい解説については目を通しておきたい。なお、上記質疑応答事例の新設に合わせ、タックスアンサーには「地積規模の大きな宅地の評価(No.4609)」が追加されている。 財産評価関係では他に、上記改正通達により株式保有特定会社(現「株式等保有特定会社」)の判定基準に新株予約権付社債が加えられたことに伴い関連する2問の内容が更新されている。 法人税関係では、いわゆる「9号買換え」(改正により7号)の適用に当たって買換資産が複数の土地等である場合の面積要件(300㎡以上)の判定に係るものの他、組織再編税制に関し、夫が発行済株式の全部を保有する会社が、妻が発行済株式の全部を保有する会社を吸収合併する場合の適格合併要件における「同一の者による完全支配関係」の判定事例が新設。さらに29年度改正を受け、いわゆるスピンオフが適格分割に該当するための判定事例が2問追加されるとともに、既存事例の解説にも税制改正を踏まえた見直しが行われている。法人税関係では他に、役員給与課税の見直しに伴い利益連動給与に関する事例3問がそれぞれ業績連動給与による内容に変更された。 所得税関係では、相続により取得した賃貸用の建物を引き続き賃貸の用に供した場合の減価償却費の計算における耐用年数について、中古資産に係る見積りによる使用可能期間に基づく年数とすることはできないとした事例、及び、災害特例の常設化に伴い、家屋が災害により居住できなくなった場合の住宅ローン控除の適用に関する事例が追加された。 消費税関係では、訪日旅行ツアーを主催する海外の旅行会社に対し日本の旅行会社が日本国内の旅程部分に係る役務を提供する取引を行った場合に、当該役務について輸出免税の対象とはならないとした事例、地方公共団体からPFI法に基づき公共施設等運営権の設定を受け事業を行った場合の設定対価の支払いに係る消費税の取扱いなど、4問が新設。また、既存の事例である「非課税となる有価証券の範囲と課税売上割合の関係」において、「資金決済に関する法律第2条第5項に規定する仮想通貨」が非課税となる有価証券等の譲渡の範囲に追加されている。 なお印紙税関係では、金融機関の外務員が預金者から預金として金銭を受け入れた場合に作成する「受取書」に入金依頼書等が画像(タブレット端末機で撮影されたもの)で表示されたものの取扱いに関する事例が1問追加されている。 なお、各事例には次の文言が記載されており、実際には各取引等の状況により判断の異なるケースがあるため留意されたい。 新設及び内容の見直しのあった事例とリンク先は下記のとおり。   〈新たに追加された事例及び主な更新事例〉 〈所得税〉 相続により取得した減価償却資産の耐用年数(必要経費15) 家屋が災害により居住できなくなった場合(税額控除39) (更新) 住宅借入金等特別控除の適用を受けていた者が死亡した場合(旧「死亡した場合や住宅が焼失した場合」)(税額控除38) 〈源泉所得税〉  新設なし 〈譲渡所得〉  新設なし 〈相続税・贈与税〉  新設なし 〈財産の評価〉 地積規模の大きな宅地の評価-共有地の場合の地積規模の判定(地積規模の大きな宅地の評価1) 地積規模の大きな宅地の評価-工業専用地域とそれ以外の用途地域にわたる場合の用途地域の判定(地積規模の大きな宅地の評価2) 地積規模の大きな宅地の評価-指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合の容積率の判定(地積規模の大きな宅地の評価3) 地積規模の大きな宅地の評価-基準容積率が指定容積率を下回る場合の容積率の判定(地積規模の大きな宅地の評価4) 地積規模の大きな宅地の評価-正面路線が2以上の地区にわたる場合の地区の判定(地積規模の大きな宅地の評価5) 地積規模の大きな宅地の評価-倍率地域に所在する場合の評価方法(地積規模の大きな宅地の評価6) 地積規模の大きな宅地の評価-市街地農地等(地積規模の大きな宅地の評価7) 地積規模の大きな宅地の評価-計算例①(一般的な宅地の場合)(地積規模の大きな宅地の評価8) 地積規模の大きな宅地の評価-計算例②(用途地域が工業専用地域とそれ以外の地域にわたる場合)(地積規模の大きな宅地の評価9) 地積規模の大きな宅地の評価-計算例③(指定容積率の異なる2以上の地域にわたる場合)(地積規模の大きな宅地の評価10) 地積規模の大きな宅地の評価-計算例④(正面路線が2以上の地区にわたる場合)(地積規模の大きな宅地の評価11) 地積規模の大きな宅地の評価-計算例⑤(倍率地域に所在する場合)(地積規模の大きな宅地の評価12) (更新) 判定の基礎となる「株式等」の範囲(旧「判定の基礎となる「株式及び出資」の範囲」)(株式等保有特定会社の株式の評価1) 受取配当金等収受割合が負数となる場合の計算方法(旧「受取配当金収受割合が負数となる場合の計算方法」)(株式等保有特定会社の株式の評価2) 〈法人税〉 「特定資産の買換特例(第7号)において買換資産が複数の土地等である場合の面積要件の判定について」(特定資産の買換え等7) 「株主が個人である場合の同一の者による完全支配関係について」(組織再編成2) 「独立して事業を行うための分割に係る適格要件(非支配要件)の判定について」(組織再編成17) 「単独新設分割型分割(スピンオフ)に係る適格要件のうち役員引継要件における「重要な使用人」について」(組織再編成18) 「租税条約に定める限度税率を超える外国法人税の額の取扱い」(税額控除3) 「3カ月以内に定時株主総会が招集されない常況にある場合(招集月の確認資料)」(申告、納付及び還付等5) (更新) 中小企業投資促進税制(旧租税特別措置法第42条の6)の特定生産性向上設備等の判定について(特別償却9) 生産性向上設備投資促進税制(旧租税特別措置法第42条の12の5)の適用対象資産について(リース資産)(特別償却12) 生産性向上設備投資促進税制(旧租税特別措置法第42条の12の5)の適用対象資産を2以上取得した場合の特別償却と税額控除の選択適用(特別償却13) 生産性向上設備等を段階的に事業の用に供した場合の生産性向上設備投資促進税制(旧租税特別措置法第42条の12の5)の適用について(特別償却14) 一部を自社使用し、一部を賃貸の用に供している建物に設置したエレベーターの生産性向上設備投資促進税制(旧租税特別措置法第42条の12の5)の適用について(特別償却15) 確定額を限度としている算定方法(業績連動給与)(旧「確定額を限度としている算定方法(利益連動給与)」)(報酬、給料、賞与及び退職給与等11) 算定方法の内容の開示(業績連動給与)(旧「算定方法の内容の開示(利益連動給与)」)(報酬、給料、賞与及び退職給与等12) 業績連動指標の数値が確定した日(業績連動給与)(旧「利益の状況を示す指標の数値が確定した時期(利益連動給与)」)(報酬、給料、賞与及び退職給与等13) 企業グループ内の分割型分割における株式の保有関係について(旧「共同事業要件の場合の株式継続保有要件について」)(組織再編成13) 分割後に分割法人が解散することが予定されている場合における適格要件の判定について(支配関係継続要件)(旧「分割後に分割法人が解散することが予定されている場合における適格要件の判定について(共同事業要件)」)(組織再編成14) 生産性向上設備投資促進税制(旧租税特別措置法第42条の12の5)の適用対象資産について供用事業年度後の事業年度に国庫補助金等の圧縮記帳制度の適用を受ける場合の取得価額の取扱い(税額控除5) 生産性向上設備投資促進税制(旧租税特別措置法第42条の12の5)の対象設備であることについての証明書を取得するため工業会等に対して支払った発行手数料の取扱いについて(税額控除6) (削除) いわゆる「三角分割(分割型分割)」に係る具体的な適格判定について(旧「組織再編成37」) いわゆる「三角株式交換」に係る具体的な適格判定について(旧「組織再編成39」) 〈消費税〉 「共同生活援助に係る生活支援員の業務を受託した場合の消費税の取扱い」(非課税(社会福祉事業)3) 「訪日旅行ツアーを主催する海外の旅行会社に対して日本国内の旅程部分に係る役務を提供する取引」(輸出取引等の範囲6) 「コンセッション事業における公共施設等運営権の設定に係る消費税の取扱い」(資産の譲渡等の時期7) 「国、地方公共団体等の申告期限の特例の適用」(国等に対する特例8) 〈印紙税〉 「入金依頼書等が画像で表示された受取書」(金銭又は有価証券の寄託に関する契約書(第14号文書)3) 〈酒税関係〉  新設なし 〈法定調書〉  新設なし (了)

#No. 245(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2017/11/28

《速報解説》 年末にかけての経営力向上計画の申請に留意~固定資産税の軽減特例は認定期限を過ぎると適用期間短縮も~

《速報解説》 年末にかけての経営力向上計画の申請に留意 ~固定資産税の軽減特例は認定期限を過ぎると適用期間短縮も~   Profession Journal編集部   本年も間もなく12月に入るが、中小企業庁HP上では10月に「年末にかけての経営力向上計画の申請について」を公表し、注意を呼びかけている。これは中小事業者に対して、中小企業等経営強化法による固定資産税の軽減特例を受けるために必要な経営力向上計画の認定期日に関する注意喚起だ。 この特例は中小事業者等が適用期間内に中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を取得した場合、当該設備に係る固定資産税が3年間にわたって半減されるもの。 平成28年度税制改正において、中小企業等経営強化法に基づく税制措置である固定資産税の軽減特例が創設され、今年度は新たに法人税の特例措置である「中小企業経営強化税制」が創設された。 それぞれの税制措置の適用には対象設備に係る経営力向上計画の認定が必要であるとともに、どちらも認定を受けるまでの工程に「原則」と「例外」がある。 また、固定資産税(地方税)と法人税(国税)の税制措置であるため、既報の通り、同一年度中の重複適用を検討している場合、認定を受ける期限が異なることに注意が必要だ。 これらをふまえ、以下では3月決算法人を前提に、年末に向けた留意点をいくつかのパターンで確認してみよう(いずれも既に工業会証明書を取得しているものとする)。   〇 原則:申請➡認定➡取得を想定した場合 【原則】 経営力向上計画の認定を受けてから設備を取得 (固定資産税特例(地方税)適用の流れ) (※) 中小企業庁ホームページ「中小企業等経営強化法に基づく税制措置 ・ 金融支援活用の手引き (平成29年度税制改正対応版)」より 【原則】を前提に、すでに計画の申請をしており、認定及び対象設備取得を待っている状態の場合、どうしても固定資産税の軽減特例及び中小企業経営強化税制を同一年度中に重複適用したい、また資金繰りや財務状況等を勘案して年内に認定を受け取得まで進めたい場合は、認定状況について申請先(担当省庁)に確認をしたい。 確認の結果、認定が年内に間に合う場合は重複適用が可能と想定されるが、間に合わない場合は同一事業年度の重複適用は見送り、設備の取得を来年以降(※)にせざるを得ない(固定資産税の軽減特例は適用期間内(平成29年4月1日~平成31年3月31年)の取得であれば、3年間の適用が可能)。 (※) ただし、経営力向上計画に記載された実施期間内に対象設備を取得することが必要。 なお、中小企業経営強化税制は固定資産税の軽減特例とは異なり、設備取得等と認定のタイミングが前後する次の《原則》《例外》のいずれにおいても、事業年度末(3月決算法人の場合3月31日)までに認定を受ければよいとされているので、認定が来年1月1日から3月31日の間にずれ込んでも適用は可能だ。 《原則》 経営力向上計画の認定を受けてから設備を取得 (中小企業経営強化税制(国税)適用の流れ) (※) 中小企業庁ホームページ「中小企業等経営強化法に基づく税制措置 ・ 金融支援活用の手引き (平成29年度税制改正対応版)」より 《例外》 設備取得後に経営力向上計画を申請する場合 (中小企業経営強化税制(国税)適用の流れ) (※) 中小企業庁ホームページ「中小企業等経営強化法に基づく税制措置 ・ 金融支援活用の手引き (平成29年度税制改正対応版)」より ただし、申請から認定を受けるまでの標準処理期間が30日であることを考えると、《原則》《例外》ともに余裕があるとはいいがたいので、こちらも留意されたい。 では、先に対象設備を取得する【例外】パターンはどうか。   〇 例外:取得➡(60日以内)➡申請受理➡(標準30日)➡認定を想定した場合 【例外】 設備取得後に経営力向上計画を申請する場合 (固定資産税特例(地方税)適用の流れ) (※) 中小企業庁ホームページ「中小企業等経営強化法に基づく税制措置 ・ 金融支援活用の手引き (平成29年度税制改正対応版)」より すでに対象設備を取得して申請も終え、認定を待っている場合、【原則】と同様に認定状況について申請先(担当省庁)に確認したい。 確認の結果、認定が年内に間に合えば同一年度中の重複適用が可能と想定されるが、間に合わない(来年の認定となる)場合は、すでに対象設備を取得しているため、固定資産税の軽減特例は平成31・32年度の2年適用に短縮となる(平成30年度の課税標準は2分の1にはならない)ので注意が必要だ。 また、すでに対象設備を取得しているが申請をしていない場合、申請から認定までの標準処理期間が30日であることを考えると、12月に入ってからの申請だと認定が間に合わず、こちらも固定資産税の軽減特例が平成31・32年度の2年適用となるリスクがある。冒頭で述べたように中小企業庁が注意喚起を行っているのは、このケースを想定してのことだ。 なお、こちらも中小企業経営強化税制は事業年度末(3月決算法人の場合3月31日)までに認定を受ければよいので、認定が来年1月1日から3月31日の間にずれ込んでも適用される(ただし上記と同様、その後の工程に係る期間には留意)。 このように、現況によって年内又は年度内に求められる対応が異なることから、顧問先が上記税制措置の適用を検討していた場合、現在の設備取得、申請、認定状況について改めて確認の上、各パターンに応じた効果的な施策を検討・提案したい。 なお、29年度税制改正では上記特例措置以外にも複数の設備投資減税が措置されているため、詳しくは下記の連載を参照されたい。 (了)

#No. 245(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2017/11/27

《速報解説》 軽減税率対策補助金を受けられるレジ改修等の事業完了期限、 「平成31年9月30日」まで大幅延長へ

 《速報解説》 軽減税率対策補助金を受けられるレジ改修等の事業完了期限、 「平成31年9月30日」まで大幅延長へ   Profession Journal 編集部   既報のとおり、2019年(平成31年)10月の消費税率引上げまで2年を切り各企業が軽減税率(複数税率)への対応を求められている中、レジシステムの改修等の費用に対し一定の補助を受けられる「軽減税率対策補助金」に係る事業完了・申請受付期限が来年(平成30年)の1月31日とせまっていた。 ただし、各企業の対応の遅れを見てか、中小企業庁は11月22日付けで、上記補助事業の完了期限を平成31年9月30日まで延長することを公表した。 つまり消費税率引上げ及び軽減税率の導入が平成31年10月1日であるから、その前日までに対象となる改修等の事業を完了していれば補助を受けられることになる。 なお、補助金の申請受付期限について中小企業庁は、「事業完了期限に合わせて設定することとし、具体的な時期については、後日、軽減税率対策補助金事務局および中小企業庁ホームページにおいて公表します」としている。 (了)

#No. 245(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2017/11/24

《速報解説》 会計士協会・監査役協会より「監査役等と監査人との連携に関する共同研究報告」の改正(公開草案)が公表される~会社法改正・CGコード等、近年の制度改正を反映~

《速報解説》 会計士協会・監査役協会より「監査役等と監査人との連携に関する共同研究報告」の改正(公開草案)が公表される ~会社法改正・CGコード等、近年の制度改正を反映~   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 平成29年11月20日、日本公認会計士協会と日本監査役協会は、「「監査役等と監査人との連携に関する共同研究報告」の改正について」(公開草案)を公表し、意見募集を行っている。 これは、会社法の改正(平成26年6月改正)、コーポレートガバナンス・コードの策定(平成27年6月策定)などを受けたものである。 意見募集期間は平成29年12月4日までである。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 公開草案の主な内容 1 研究報告の位置付け 監査役等と監査人は、それぞれ監査をその職務とし、企業統治の一翼を担い、その職務を通じて企業不祥事の発生防止をはじめとした企業活動の健全化を図り、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に貢献している。 近年では、子会社等における不祥事の発覚も見られることから、監査役等と監査人の連携を考える上においても、企業集団の観点からの企業統治の考え方が重要であると述べている。 2 監査役等と監査人との連携と効果 監査役等と監査人の連携は会計監査が中心となる。 しかしながら、監査役等が業務監査から得る情報は監査人の監査にも有用であり、また、監査人から得られる情報は監査役等にとって会計監査だけでなく業務監査にも有用である。 このため、両者の連携の目的としては会計監査の観点にこだわることなく、監査役等と監査人それぞれが担う監査の実効性を確保し、有効性及び効率性を高めるとの観点からも、相互の連携を強化することが求められるとしている。 3 会社法における関連規定 監査役等による株主総会に提出する会計監査人の選任・解任・不再任議案の決定に関する規定について述べている(会社法344条1項3項、399条の2第3項2号、404条2項2号)。 4 コーポレートガバナンス・コードにおける規定 コーポレートガバナンス・コードは、監査役会が対応を行うべきこととして、「外部会計監査人候補を適切に選定し外部会計監査人を適切に評価するための基準の策定」(補充原則3-2①(i))、「外部会計監査人に求められる独立性と専門性を有しているか否かについての確認」(同3-2①(ⅱ))を求めている。 また、取締役会及び監査役会に対し、「十分な監査時間の確保」、「経営陣幹部へのアクセス(面談等)の確保」、「監査役、内部監査部門、社外取締役との十分な連携の確保」、「不正を発見し適切な対応を求めた場合や不備・問題点を指摘した場合の会社側の対応体制の確立」(同3-2②)など、監査人の監査環境の整備を求めている。 上記のほか、公開草案は、監査法人のガバナンス・コードにおける規定などについても述べている。 (了)

#No. 245(掲載号)
#阿部 光成
2017/11/22

プロフェッションジャーナル No.245が公開されました!~今週のお薦め記事~

2017年11月22日(水)AM10:30、 プロフェッションジャーナル  No.245を公開! プロフェッションジャーナルのリーフレットは 全国のTAC校舎で配布しています! -「イケプロが実践するPJの活用術」「第一線で活躍するプロフェッションからPJに寄せられた声」を掲載!-   - ご 案 内 - プロフェッションジャーナルの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》は随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2017/11/22

山本守之の法人税“一刀両断” 【第41回】「デンソー事件を検証する」

山本守之の 法人税 “一刀両断” 【第41回】 「デンソー事件を検証する」   税理士 山本 守之   Ⅰ デンソー事件の内容 1 事件の概要 いわゆるデンソー事件とは、自動車関連部品の製造販売を行う内国法人(デンソー)がシンガポールに設立した子会社(A社)について、タックスヘイブン対策税制の適用の除外要件を満たすかが争われた事件です。 課税庁は、A社の主たる事業が株式の保有であり、課税対象留保金額に相当し益金の額に算入するとして更正された処分が争われました。 この事件の一審から最高裁までの流れは次のようになっています。 2 一審から上告審までの流れ 上述のとおり、この事件の争点はA社がタックスヘイブン対策税制の適用除外を満たすか否かです。一審の名古屋地裁では法人側(A社)の主張を認めましたが、控訴審の名古屋高裁は適用除外要件を満たしていないと判断して法人の主張を棄却しました。 争点となったのはA社が行う「地域統括事業」で、名古屋地裁は、地域統括事業は株式の保有に係る事業に含まれる1つの業務に過ぎないので、別個独立の業務とは言えないとした上で、実質的にも主たる事業は株式の保有であり、適用除外要件の1つである事業要件を満たしていないと判示して、法人側の主張を破棄したのです(高裁段階は国側勝訴)。 これに対して上告審では、次のようにタックスヘイブン対策税制の適用の趣旨説明をしています。 この考え方によって、A社が行っていた地域統括業務は、地域企画、調達、財務、材料技術、人事、情報システム及び物流改善という多岐にわたる業務から成り、設立された地域における地域統括会社として集中生産・相互保全体制を強化し、各拠点の事業運営の効率化やコスト低減を図ることを目的とするものということができ、個々の業務について対価を得て行われたことも併せて考慮すると、その地域統括業務が株主権の行使や株式の運用に関連する業務等であるということはできないと認定しました。 つまり、その地域において事業活動を行う積極的な経済合理性を有することが否定できないから、株式の保有に係る事業に含まれると解することはタックスヘイブン対策税制の趣旨とも整合しないと判断したのです。 総論として、海外子会社(A社)が行っていた地域統括事業は株式の保有に係る事業に含まれず、主たる事業と認めるのが相当と判示し、法人の主張を認める法人勝訴としました。 租税訴訟においては、第一審納税者勝訴、控訴審国側勝訴、最高裁で納税者逆転勝訴となるのもが少なからずあります。 税務訴訟をめぐる古い考え方では、訴訟で勝つか負けるかは高裁段階が分かれ目であり、最高裁は憲法違反など一定のものしか受け付けないから高裁判決を最終なものとして覚悟しようということでした。 しかし、今回のデンソー事件のように、最近の租税訴訟では上告審(最高裁)で納税者が逆転勝訴することが少なくないのです。これは高裁までは裁判官は所詮官僚ですが、最高裁では弁護士や外交官出身者も裁判官になっており、民間の感覚が強く表れるからです。   Ⅱ 最高裁の判示を考える デンソー事件は、タックスヘイブン対策税制のうち海外子会社の所得の帰属について争われていましたが、平成29年10月24日の最高裁判決によって納税者が勝訴しました。 1 判示事項 判示事項の1及び2によると「株主権の事業」とすることは問題とされていました。 つまり、株式の所有を通じて経営指導をしていることを「株式の所有に係る事業」という2項から決め付けられない(幅広い範囲)というべきであるというのです。 また、地域統括業務は、株主権の業務、株式運用の業務とはいえないとする3・4の判示があります。 「主たる事業」(措法66の6③④)は具体的、客観的に判断すべきですから、一方的に認定すべきではないとする判示があります。 上告人(デンソー)の子会社Aは「地域統括事業」を行っていましたが、相当の規模で実体を有しており、「主たる業務」と考えるべきです。 上告人(A社)に対する高裁判決は違法として、最高裁は納税者の主張を認めました。 2 判決文の示すもの 判決文は、Aの事業を次のように勘案しています。 また、高裁の処分については次のように述べています。 (了)

#No. 245(掲載号)
#山本 守之
2017/11/22

マイナポータルと税理士業務

  マイナポータルと税理士業務   税理士 鈴木 涼介   1 マイナポータルとは マイナポータルとは、マイナンバー制度の一環で設けられたオンラインサービスであり、政府が運営しているものである。マイナンバー制度の根拠法である「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(以下「番号法」という)では、「情報提供等記録開示システム」という名称で規定されている(番号法附則6③)。 マイナポータルが設けられた趣旨は、国の行政機関や地方公共団体等が情報提供ネットワークシステムを通じて行った国民や住民の情報のやりとり(情報連携)について、その情報の本人が容易に開示請求できるようにするためである(番号法附則6③)。すなわち、マイナンバー制度の下では、情報提供ネットワークシステムを通じて特定個人情報(個人番号をその内容に含む個人情報。以下同じ)を大量に情報連携することから、不正な情報連携が行われないように、本人が確認できるようにするための手段が設けられているのである。 その他、マイナポータルは、国民の利便性を向上させる観点から、様々なサービスが利用できるようになっている(番号法附則6④)。   2 マイナポータルにおけるサービス マイナポータルは、平成29年1月16日に一部機能(利用者フォルダの開設、e-Taxとの認証連携等)の先行稼動を開始し、同年7月18日から情報提供ネットワークシステムによる情報連携の試行運用に合わせ、一部の機能(情報提供等記録表示、自己情報表示等)の運用を開始している。本格的な運用は、同年11月13日から開始した。 マイナポータルのサービスは以下のとおりである。 (出典:内閣官房番号制度推進室「マイナンバー 社会保障・税番号制度概要資料」)   3 税務面からみた利便性 (1) e-Taxとの連携 マイナポータルにおける「もっとつながる」機能(上記2参照)を利用して、マイナポータルとe-Taxをつなげることができる。 従来、e-Taxにログインするには、e-Taxにおける利用者識別番号と暗証番号を入力する必要があったが、マイナポータルとe-Taxをつなげることにより、マイナンバーカードでマイナポータルにログインすれば、そのままe-Taxにログインでき、メッセージボックスの情報を確認することができる。また、現在は利用できるサービスは少ないが、納税証明書や源泉所得税、法定調書等に関する手続を行うこともできる。 なお、現時点では、所得税確定申告書をe-Taxで送信する場合において、マイナポータル経由でe-Taxにログインした場合でも、送信の際には、従来どおりe-Tax用の利用者識別番号と暗証番号を入力する必要がある。 (2) 医療費通知を活用した医療費控除の簡素化 平成29年度税制改正により、平成29年分以後の所得税確定申告において、医療費控除の領収書添付に代わり、医療費控除の明細書添付が必要となったところであるが、健康保険組合等の医療保険者から交付を受けた通知書(例:医療費のお知らせ等)を添付すると、医療費控除の明細書の記入を省略できることとなっている。 この医療保険者から交付される通知書について、マイナポータルで内容を確認できるようにするために、平成29年度内にシステム改修を行い、平成30年1月以降、実施可能な医療保険者から段階的に開始することとされている。その結果、その内容をe-Tax上の申告書にそのまま転記することにより、医療費控除を受けるための手間が省けることとなる。 (3) ふるさと納税額通知を活用した寄附金控除の簡素化 ふるさと納税に係る寄附金控除の適用を受けるためには、地方公共団体における領収書等を添付する必要がある。 この点について、その地方公共団体からマイナポータルへ「ふるさと納税受領金額等の通知」を行い、それをe-Tax上の申告書に添付できるようにするために、平成29年度から法制度の検討及びシステム改修を行い、平成31年1月以降できる限り速やかにサービスを開始することとされている。 (4) その他 現在、財務省及び国税庁において、確定申告及び年末調整手続の電子化が検討されている。例えば、年末調整においては、保険料控除証明書や住宅ローン控除に係る残高証明書等について電子データで交付を受け、それをそのまま雇用者に電子データで提出して年末調整手続を完結させるという流れが検討されている。 こういった仕組みを構築するに当たって、マイナポータルの「民間送達サービスとの連携」や「もっとつながる」機能が活用される可能性がある。   4 税理士業務への影響 マイナポータルは、上記3のとおり、税務面からみた利便性も向上することから、当然、税理士業務へ影響を与えるものであるが、それがどの程度かは、現段階においては未知数である。 マイナポータルは、本人に代わって代理人にそのサービスを利用させることができるが、その代理人の設定には、代理人のマイナンバーカードが必要であるため、本人と一緒にパソコンの前で設定する必要がある。すなわち、税理士が、納税者の代理人として税務代理を行う場合に、マイナポータルから納税者の情報を得ようとするときには、まず、納税者とともに、代理人設定を行う必要があるということである。 税理士に税務代理を委嘱する納税者は、必ずしも近隣の方というわけではないことから、この点は今後見直されることが望まれる。 また、代理人として利用できるサービスは、「やりとり履歴」、「あなたの情報」、「お知らせ」(上記2参照)の3つに限定されているが、税務代理を行う上で、必ずしもこれらのサービスから得られる情報の全てを閲覧する必要はなく、逆に、これら以外のサービスから得られる情報(例えば「民間送達サービスとの連携」や「もっとつながる」機能から得られる情報)が必要になることも考えられることから、実務上、マイナポータルがどの程度活用できるのかは未知数である。 いずれにせよ、マイナポータルは、税理士業務に影響を与えるものであることから、その動向について注視していく必要がある。 (了)

#No. 245(掲載号)
#鈴木 涼介
2017/11/22
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