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《速報解説》 「監査基準の改訂について」(確定版)の公表

《速報解説》 「監査基準の改訂について」(確定版)の公表   公認会計士 阿部 光成   Ⅰ はじめに 企業会計審議会は平成26年2月18日付で「監査基準の改訂に関する意見書」を公表し、確定版の「監査基準の改訂について」(以下「改訂監査基準」)が明らかとなった。 公開草案は、実施時期等について、平成26年4月1日以降に発行する監査報告書から適用するとしていた。 改訂監査基準は、平成27年4月1日以後に開始する事業年度又は会計期間に係る監査から適用するとし、ただし、平成26年4月1日以後に発行する監査報告書から適用することを妨げないとしている。 後述するように、特別目的の財務諸表には多種多様な財務諸表が想定されることから、監査人は、特別目的の財務諸表の監査を行うに当たり、当該財務諸表の作成の基準が受入可能かどうかについて十分な検討を行うとともに、上記の実施時期等については、監査契約書の締結のタイミングにも注意が必要と考えられる。 なお、文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅱ 主な改正事項 改訂監査基準は、特定の利用者のニーズを満たすべく特別の利用目的に適合した会計の基準に準拠して作成された財務諸表に対して、「監査」という形で信頼性の担保を求める要請に応えたものであり、従来の適正性に関する意見の表明の形式に加えて、準拠性に関する意見の表明の形式を監査基準に導入するものである。 1 監査の目的 改訂監査基準における監査の目的は、次のとおりである。 このため、改訂監査基準では、一般目的の財務諸表と特別目的の財務諸表とのそれぞれについて適正性に関する意見の表明と準拠性に関する意見の表明とがあり得ることになる。 改訂監査基準は、適正性に関する意見の表明に際して、財務諸表における表示が利用者に理解されるために適切であるかどうかの判断には、財務諸表が表示のルールに準拠しているかどうかの評価と、財務諸表の利用者が財政状態や経営成績等を理解するに当たって財務諸表が全体として適切に表示されているか否かについての一歩離れて行う評価が含まれるが、準拠性に関する意見の表明の場合には、後者の一歩離れての評価は行われないという違いがあると述べている(改訂監査基準二・1)。 2 実施基準 監査の実施に当たっては、準拠性に関する意見の表明の場合であっても、適正性に関する意見の表明の場合と同様に、リスク・アプローチに基づく監査を実施し、監査リスクを合理的に低い水準に抑えた上で、自己の意見を形成するに足る基礎を得なければならないことから、「第三 実施基準」が当然に適用される。 特別目的の財務諸表には多種多様な財務諸表が想定されることから、実施基準の「一 基本原則」において、監査人は、特別目的の財務諸表の監査を行うに当たり、当該財務諸表の作成の基準が受入可能かどうかについて十分な検討を行わなければならない。 3 報告基準 適正性に関する意見の表明について特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される財務諸表の場合を付記するとともに、これに加えて、準拠性に関する意見の表明について規定し、監査人が準拠性に関する意見を表明する場合には、作成された財務諸表がすべての重要な点において、当該財務諸表の作成に当たって適用された会計の基準に準拠して作成されているかどうかについての意見を表明しなければならないことを明確にしている。 準拠性に関する意見には、財務諸表には重要な虚偽の表示がないことの合理的な保証を得たとの監査人の判断が含まれている。 この判断にあたり、監査人は、経営者が採用した会計方針が、会計の基準に準拠して継続的に適用されているかどうか、財務諸表が表示のルールに準拠しているかどうかについて形式的に確認するだけではなく、当該会計方針の選択及び適用方法が適切であるかどうかについて、会計事象や取引の実態に照らして判断しなければならないことにも留意が必要であると述べられている(改訂監査基準二・3)。   Ⅲ 実施時期等 改訂監査基準は、平成27年4月1日以後に開始する事業年度又は会計期間に係る監査から適用する。 ただし、平成26年4月1日以後に発行する監査報告書から適用することを妨げない。 (了)

#No. 58(掲載号)
#阿部 光成
2014/02/27

Profession Journal No.58が公開されました!

2014年2月27日(木)AM10:30、Profession Journal  No.58 が公開されました。 Profession Journalの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》については随時公開してまいります。 Web情報誌 Profession Journalは、プロフェッションネットワークのプレミアム会員専用の閲覧サービスです。 Profession Journalについての詳細はこちら。 バックナンバー一覧はこちら。

#Profession Journal 編集部
2014/02/27

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載54〕 「生産性向上設備投資促進税制」を利用する上での注意点(後編)

〔税の街.jp「議論の広場」編集会議 連載54〕 「生産性向上設備投資促進税制」を利用する上での注意点 (後編)   公認会計士・税理士 有田 賢臣   (4) 特別償却の適用を受ける場合 ① 特別償却限度額 法人が上記(前編参照)の適用要件を満たす場合には、生産性向上設備の償却額について、普通償却限度額と特別償却限度額との合計額まで損金の額に算入することができる。特別償却限度額は、事業供用日と設備の種類により次のとおりとされている(新措法42の12の5①②)。 ② 適用除外資産 他の特別償却と同様に、法人が所有権移転外リース取引により取得した生産性向上設備については、特別償却は適用しないこととされている(新措法42の12の5⑩)。なお、税額控除については、所有権移転外リース取引であっても適用可能である。 (注) 所有権移転外リース取引とは、法人税法施行令第48条の2第5項第5号に規定する所有権移転外リース取引をいう。 ③ 特別償却不足額がある場合の償却限度額の計算の特例 他の特別償却と同様に、特別償却不足額については、1年間の繰越しができることとされている(新措法52の2①、措令30)。 (注) 特別償却不足額には、合併等特別償却不足額を含むこととされている。 ④ 準備金方式による特別償却 他の特別償却と同様に、特別償却の方法として、特別償却の適用を受けることに代えて、準備金方式による特別償却(特別償却準備金の積立て)ができるとともに、特別償却準備金積立不足額については、1年間の繰越しができることとされている(措法52の3、措令31)。 (注) 特別償却準備金積立不足額には、合併等特別償却準備金積立不足額を含むこととされている。 ⑤ 申告要件 この特別償却は、確定申告書等に生産性向上設備の償却限度額の計算に関する明細書の添付がある場合に限り、適用することとされている(新措法42の12の5⑪)。 (注) 確定申告書等とは、法人税法第2条第30号に規定する中間申告書で同法第72条第1項各号に掲げる事項を記載したもの及び同法第2条第31号に規定する確定申告書をいう(措法2②二十七)。すなわち、仮決算をした場合の中間申告書及び確定申告書をいい、確定申告書には、その確定申告書に係る期限後申告書を含むこととされている。   (5) 税額控除の適用を受ける場合 ① 税額控除限度額 法人が上記の適用要件を満たす場合において、特別償却の適用を受けないときは、税額控除限度額の税額控除の適用を受けることができることとされているが、この税額控除限度額は、事業供用日と設備の種類により次のとおりとされている(新措法42の12の5⑦⑧)。 ただし、法人税額から控除する金額は、法人の適用対象年度の所得に対する法人税額の20%に相当する金額を限度とすることとされている(新措法42の12の5⑦)。 ② 申告要件 この税額控除は、確定申告書等、修正申告書又は更正請求書に、その控除の対象となる生産性向上設備の取得価額、控除を受ける金額及びその控除を受ける金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用することとされている(新措法42の12の5⑬)。 ただし、この場合における控除される金額は、その確定申告書等に添付された書類に記載された生産性向上設備の取得価額を基礎として計算した金額に限るものとされているので、修正申告や更正の請求において、この税額控除の適用を受ける機械及び装置を追加すること等はできない。 (注) 修正申告書とは、国税通則法第19条第3項に規定する修正申告書をいい、更正請求書とは、同法第23条第3項に規定する更正請求書をいう(措法2②三十・三十一)。なお、確定申告書等については、上記(4)⑤の(注)を参照のこと。 ③ 法人税法の規定との調整 (イ) 法人税法第67条 《特定同族会社の特別税率》 特定同族会社の特別税率の適用については、その留保金額を計算する場合に控除される法人税額から、この制度における税額控除により控除する金額がある場合には、その金額を控除することとされている(法法67③、新措法42の12の5⑮)。 (ロ) 法人税法第70条の2 《税額控除の順序》 供用年度において、これらの法人税法の規定による税額控除の適用がある場合には、まずこの制度における税額控除による控除をし、次に仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う法人税額の控除(法法70)による控除をした後に、所得税額の控除(法法68)及び外国税額の控除(法法69)による控除をすることとされている(法法70の2、新措法42の12の5⑮)。 (ハ) 法人税法第72条 《仮決算をした場合の中間申告書の記載事項等》 仮決算をした場合の中間申告書に記載される法人税額は、法人税法第2編第1章第2節の規定及びこの制度における税額控除を適用するものとした場合に計算される法人税額とすることとされている(法法72①二、新措法42の12の5⑮)。 (ニ) 法人税法第74条 《確定申告》 確定申告書に記載される法人税額は、法人税法第2編第1章第2節の規定及びこの制度における税額控除を適用して計算した法人税額とすることとされている(新法法74①二、新措法42の12の5⑮)。   (6) 他の特別償却等との重複適用の排除 他の特別償却等と同様に、租税特別措置法の規定によるこの制度以外の特別償却等又は震災税特法の規定による特別償却等の適用を受ける減価償却資産については、この制度の適用対象資産から除くこととされている(新措法53等)。   (7) 適用関係 産業競争力強化法の施行の日(平成26年1月20日)以降に取得等をし、かつ、事業の用に供した設備が対象となる。 平成26年3月31日までに終了する事業年度にて対象設備を取得等し事業に供用した場合は、その年度では税制措置が受けられず、翌事業年度に税制措置を受けることとなる点に留意が必要である。 具体的には、下記事例のとおり、12月決算先については平成26年3月末までに行った投資について今年度に税制措置を適用できるが、3月決算先については平成26年3月末までに行った投資について今年度(平成26年3月期)は税制措置を適用できず、来年度に今年度分と来年度分の措置がまとめて適用されることとなる。 〈事例〉 (経済産業省「生産性向上設備投資促進税制について(平成26年1月)」より)   2 実務上の留意点 (1) 適用可能性に関する検討手順 「【A】先端設備」として適用を受けることが可能であれば、「【B】生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」と比べて格段に使い勝手が良い。したがって、まずは、「【A】先端設備」に該当するか否かを検討すべきである。 「【A】先端設備」の対象設備及び最低取得価額をクリアする設備を購入する場合には、設備メーカーに相談の上、最新モデルとして証明書を交付してもらえるか、設備メーカーを通じて工業会等への問い合わせを依頼すれば足りる。 「【B】生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」として適用を受けるには、生産性向上設備投資計画申請書を自ら作成し、経済産業局に提出する必要があるが、その「申請書」には次の資料を添付する必要がある。 ⑦の生産性が向上することの裏付けとなる資料を揃えられるか否かが、適用可能性を判断する一つのポイントになると思われる。 また、②事業報告書を作っていない場合には、一から作らなければならない。 ⑧確認書の交付を受けるために、公認会計士又は税理士からどのような手続を受けるかについては、「様式3(確認書)」に記載されている「実施した手続」が参考になる。 次に「実施した手続」の一部を掲載する。 ここからも分かるように、「申請書」の記載事項が、添付資料や会社からの説明内容と整合しているかという点について確認が行われるのであり、投資計画に係る将来予測の正確性に関する結論や保証がなされるわけではない。 この点は、公認会計士又は税理士側も正しく認識しておく必要があり、確認書に「合致した(しない)」と記載するのであって、「妥当である」「適切である」というような記載はしてはならないとされている。   (2) 中小企業投資促進税制の上乗せ措置との比較 「【A】先端設備」又は「【B】生産ラインやオペレーションの改善に資する設備」の要件を満たす場合、中小企業者等に該当する法人は、中小企業投資促進税制の上乗せ措置についても適用可能性を検討する必要がある。 税額控除を選択するのであれば、中小企業投資促進税制の上乗せ措置の方が生産性向上設備投資促進税制よりも税額控除限度額が大きい。 〈生産性向上設備投資促進税制〉 〈中小企業投資促進税制の上乗せ措置〉 特別償却を選択する場合でも、「平成28年4月1日から平成29年3月31日まで」に設備を取得する場合には、中小企業投資促進税制の上乗せ措置の方が生産性向上設備投資促進税制よりも特別償却限度額が大きい。 〈生産性向上設備投資促進税制〉 〈中小企業投資促進税制の上乗せ措置〉 なお、中小企業投資促進税制の方が対象設備の範囲が狭いため、中小企業者等に該当する法人であっても、設備の種類によっては、生産性向上設備投資促進税制しか適用できない場合もある。 〈中小企業投資促進税制の対象設備〉   (3) 特別償却と税額控除の選択 特別償却と税額控除のいずれを選択するかという点については、税金の観点で言えば、特別償却は期ずれ(税金の先送り)に過ぎず、税額控除は絶対的な税金の減額になるため、税額控除が有利とされている。 ただし、税額控除額は法人税額の20%に相当する金額を限度とするとされており、かつ、控除不足額を翌年度以降に繰り越す規定もないことから、適用年度において法人税額が小さい場合には、特別償却を選択することもあると思われる。 また、特別償却額は所得を一時的に大きく下げることができるため、それに伴って自社株式の株価も大きく下がる場合がある。自社株式の贈与などを検討している法人は、特別償却を選択する方が良い場合もある。 (了)

#No. 58(掲載号)
#有田 賢臣
2014/02/27

平成26年3月期 決算・申告にあたっての留意点 【第4回】「交際費の損金不算入特例の改正及びその他の留意点」

平成26年3月期 決算・申告にあたっての留意点 【第4回】 (最終回) 「交際費の損金不算入特例の改正 及びその他の留意点」   OAG税理士法人 税理士 中島 加誉子   最終回となる今回は、多くの法人に影響のある交際費の損金不算入特例の改正及びその他の留意点を解説する。 なお、交際費課税制度に関しては、平成26年度税制改正で損金不算入となる適用対象法人の拡充等が予定されているので留意されたい(論末の〔追記〕参照)。 【交際費の損金不算入特例の改正】 中小法人が支出する交際費について、年800万円までが損金に算入できることとなった。 〈適用対象法人〉 〈適用事業年度〉 〈定額控除限度額〉 〈損金不算入額〉 〈連結納税制度〉 【参考図】 (経済産業省「平成25年度税制改正について」より)   【特定信頼性向上設備の特別償却】 平成25年度税制改正により、電気通信基盤充実臨時措置法の実施計画に基づきバックアップ用のサーバー等の取得等をして、東京圏以外の地域において事業の用に供した場合に特別償却ができることとなった。 〈適用対象法人〉 〈適用時期〉 〈適用対象資産〉 〈適用要件〉 〈特別償却限度額〉   【その他の留意点】 【医療用機器等の特別償却】 青色申告法人で医療保健業を営むものが新品の医療機器を取得等し事業の用に供した場合には12%又は16%の特別償却ができるが、平成25年4月1日からはその対象機器の範囲が見直されている。 【タックスヘイブン対策税制】 平成25年4月1日以後に開始する事業年度より、タックスヘイブン対策税制の合算所得について、その特定外国子会社等が本店所在地国以外の国で課税される場合には、外国税額控除の適用上、その合算所得は非課税国外所得に該当しないこととなった。 【社会保険診療報酬の所得の計算の特例】 医業又は歯科医業を営む法人で保険診療が5,000万円以下のものについては、実額経費にかかわらず、社会保険診療報酬を四段階の階層に区分して、各階層の金額に一定割合を乗じた額を社会保険診療に係る経費とすることができるが、平成25年4月1日以後に開始する事業年度からは、この特例の適用対象法人から総収入金額が7,000万円超の法人が除外されることとなった。 *   *   * 以上、平成26年3月期決算・申告における主だった留意点を述べてきた。 これからいよいよ決算を迎えることになるが、これらの留意点を踏まえ、入念な決算準備・検討等が必要となる。今回の連載が読者の決算・申告に際し一助となれば幸いである。 (連載了)

#No. 58(掲載号)
#中島 加誉子
2014/02/27

「税理士損害賠償請求」頻出事例に見る原因・予防策のポイント【事例11(事業所税)】 「事業所税の対象とならない月極駐車場の床面積を課税対象に含めて計算したため過大納付となった事例」

「税理士損害賠償請求」 頻出事例に見る 原因・予防策のポイント 【事例11(事業所税)】   税理士 齋藤 和助   《事例の概要》 平成X5年から平成Y5年分の事業所税につき、対象とならない月極駐車場の床面積を課税対象に含めて計算していたところ、課税団体である横浜市から連絡があり、更正期限までの平成Y1年から平成Y5年分の過大納付税額が還付されることになった。 このため、更正が受けられなかった平成X5年から平成Y0年分の事業所税の過大納付税額850万円につき損害賠償請求を受けた。   《賠償請求の経緯》 依頼者は横浜市で貸ビルと月極駐車場を所有し、不動産賃貸管理業を営んでいた。 平成X5年から平成Y5年分の事業所税につき、課税対象外の月極駐車場を課税対象に含めて申告書を提出。 申告書は依頼者が作成し、税理士は署名押印だけを行った。 横浜市より上記期間中、平成Y1年から平成Y5年分の事業所税過大納付分が還付となる。 《基礎知識》 ◆事業所税の納税義務者等(地法701の32他 ) 事業所税は、事業所等において法人又は個人の行う事業に対し、当該事業所等所在の指定都市等において、当該事業を行う者に資産割額及び従業者割額の合計額によって課する。この場合、いわゆる貸ビル等にあっては、その所有者ではなく、その全部又は一部を借りて現実にそこで事業を行っている者(テナント)が納税義務者となる。ただし、貸ビル等の貸主がビルの管理を行っている場合、管理のための施設は当該貸主が納税義務者となる。 ◆事業所税の課税標準(地法701の40 ) 事業所税の課税標準は、資産割にあっては、課税標準の算定期間の末日現在における事業所床面積とし、従業者割にあっては、課税標準の算定期間中に支払われた従業者給与総額とする。 ◆駐車場の取扱いについて(「事業所税貸付申告の手引き」横浜市) 貸ビル等内の駐車場について使用者が特定されている場合は、当該使用者の事業所床面積として算定する。 (1) 月極貸し、年貸し等の駐車場の場合 月極駐車場のように特定の者が専用借りする場合の駐車場に係る床面積は、当該専用借りする者の事業所床面積として算定する。 この場合、駐車場を専用借りする者が、貸ビル等の入居者(=テナント)であるかどうかは問わない。 (2) 時間貸し等の駐車場である場合 時間貸し駐車場のように不特定多数の者が使用する場合の駐車場に係る床面積は、当該駐車場を管理・運営する者の事業所床面積として算定する。 ◆更正、決定等の期間制限(地法17の5 ) 更正又は決定は、法定納期限の翌日から起算して5年を経過した日以後においては、することができない。 賦課決定は、法定納期限の翌日から起算して3年を経過した日以後においては、することができない。ただし、地方税の課税標準又は税額を減少させる賦課決定は、法定納期限の翌日から起算して5年を経過する日まですることができる。   《税理士の落とし穴》   《税理士の責任》 不動産賃貸管理業を営む依頼者は貸ビルと月極駐車場を所有しており、貸ビルの自社使用部分と月極駐車場の床面積を合計して事業所税の申告をしていた。しかし課税団体である横浜市においては、月極駐車場は専用使用するものの事業所床面積に算入されるため、依頼者の事業所床面積には含まれなかった。税理士は長年にわたってこれに気づかず、横浜市より更正決定の連絡があってはじめてその事実に気づいている。事業所税の申告を依頼された際に課税対象となる床面積の範囲を確認していれば過大納付は防げたことから、税理士に責任がある。   《予防策》 [ポイント①] 根拠となる資料を提出してもらい、変更があったら連絡をもらう 事業所税の申告は本事例のように依頼者が作成して税理士が確認し、署名押印するケースがほとんどであろう。なぜなら、事業所床面積まで税理士が把握することは困難だからである。しかし、署名押印をするのであれば、課税標準が適正であるか、税額が正しく計算されているかどうか等を確認する義務がある。 提出初年度に、根拠となる図面等の提出を受け、変更がある都度、報告を受けるような仕組みを作る必要がある。   [ポイント②] 地方税の課税標準には注意する 地方税の場合、課税団体側で課税標準が異なる場合がある。本事例も、目的税たる事業所税の趣旨からすれば、月極駐車場は貸し手側の床面積に算入するのが通常であろう。実際に貸し手側の床面積に算入して事業所税を計算している課税団体は少なくない。 したがって、地方税の申告の際には、このような場合を想定し、課税団体の発行する「申告の手引き」に目を通し、場合によっては、市税条例、市条例施行規則等を確認する必要がある。 (了)

#No. 58(掲載号)
#齋藤 和助
2014/02/27

居住用財産の譲渡所得3,000万円特別控除[一問一答] 【第20問】「居住の用に供されなくなった後、敷地の贈与を受けて譲渡した場合」-居住用財産の範囲-

居住用財産の譲渡所得 3,000万円特別控除 [一問一答] 【第20問】 「居住の用に供されなくなった後、敷地の贈与を受けて譲渡した場合」 -居住用財産の範囲-   税理士 大久保 昭佳   Q Xは父親(生計は別)から土地を無償で借り受け、昨年3月まで居住していました。 本年7月に父親から敷地の贈与を受け、同年10月にその土地建物を売却しました。 この場合、Xの譲渡所得の全部について「3,000万円特別控除」の特例の適用を受けることができるでしょうか? A 建物部分については「3,000万円特別控除」の特例の適用を受けることができるが、土地部分については同特例の適用を受けることができない。 〈解説〉 建物部分については、居住の用に供されなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡しているので、「特例」を受けることができる。 しかし、土地部分については、Xが所有者となってからXが居住の用に供した事実がないことから、「特例」の適用を受けることはできない。 (了)

#No. 58(掲載号)
#大久保 昭佳
2014/02/27

〔しっかり身に付けたい!〕はじめての相続税申告業務 【第16回】 「課税対象となる生前贈与財産に注意する」

〔しっかり身に付けたい!〕 はじめての相続税申告業務 【第16回】 「課税対象となる生前贈与財産に注意する」   税理士法人ネクスト 公認会計士・税理士 根岸 二良   相続税の課税対象となるのは、原則的には、他界した人(被相続人)の相続財産であるが、前回説明した、「死亡保険金」や「死亡退職金」は、法律上相続財産に該当しなくとも、相続税の計算においては「みなし相続財産」として相続税の対象となる(相続税法3条)(*1)。 これ以外にも、法律上は相続財産ではないが、相続税の対象となる財産として、一定の生前贈与財産がある。 そこで今回は、この生前贈与財産について、説明を行う。 *   *   * 生前贈与財産は、贈与を行った後は、被相続人の所有財産でなく、贈与を受けた者(受贈者)の所有財産になる。贈与があると、受贈者は贈与税を申告・納税する必要が生じる(*2)。贈与税は、原則、暦年課税制度により計算される。ただし、一定の条件を満たす場合には、相続時精算課税制度を適用して贈与税を計算することもできる(相続税法21条の9)。 これらは、法律上は、贈与を行った後は、受贈者の所有財産となるため、贈与者が他界した場合、贈与者(被相続人)の相続財産には、法律上該当しない。ただし、以下の贈与財産については相続税の対象となり、また、支払った贈与税がある場合には、相続税から控除されることとなる。 (1)  相続時精算課税制度を適用した贈与財産(相続税法21条の15) 相続時精算課税制度を適用して贈与を行った財産については、法律上は相続財産ではないが、相続税の課税対象となる。なお、相続税の計算を行う際、贈与財産の評価は、相続時の時価ではなく、贈与時の評価額となる(相続税法21条の15)。 (2)  暦年課税制度を適用した贈与財産のうち、相続開始前3年以内に、相続・遺贈で財産を取得した者が贈与を受けた財産(相続税法19条) 暦年課税制度を適用して贈与を行った場合には、原則として、贈与者(被相続人)の他界時には、相続税の対象とはならない。ただし、贈与者(被相続人)から受贈者へ、相続前に駆け込みで贈与を行った場合(相続前3年以内に)、受贈者が、相続・遺贈で財産を取得した者である場合には、(贈与税の基礎控除以下、つまり110万円以下の贈与で贈与税が課税されていなくても)相続税の対象となる。 なお、この場合も、相続税の計算上、贈与財産の評価は、相続時の時価ではなく、贈与時の評価額となる(相続税法19条)。 少しわかりづらいので、具体的なケースで説明を行う。 父親が子供へ110万円の現金を贈与した場合、贈与税の基礎控除以下であり、贈与税はかからない(他に贈与がない前提、以下同じ)。 ただし、贈与後3年以内に父親が他界した場合で、子供が父親から相続で他の財産(土地など)を取得する場合、この生前贈与された現金110万円も相続税の対象となる。 父親が子供へ110万円の現金を贈与した場合、贈与税の基礎控除以下であり、贈与税はかからない。贈与後3年以内に父親が他界した場合で、子供が父親から相続・遺贈で全く財産を取得しない場合(死亡保険金・死亡退職金も取得しない場合)、この生前贈与された現金110万円は相続税の対象にはならない。 これは、相続税の対象となる贈与財産(暦年課税制度)は、相続・遺贈で財産を取得した者に対して贈与したものに限定されているためである。 なお、ここでの相続・遺贈は、法律上の相続・遺贈ではなく、相続税法における相続・遺贈であるため、みなし相続・みなし遺贈として取り扱われる場合も含まれるので注意が必要である。 父親が他人へ110万円の現金を贈与した場合、贈与税の基礎控除以下であり、贈与税はかからない。贈与後3年以内に父親が他界した場合で、他人は父親の相続人ではないが、遺言で財産を取得した場合、この生前贈与財産である現金110万円は、相続税の対象となる。 これは、相続税の対象となる贈与財産(暦年課税制度)は、相続・遺贈で財産を取得した者に対して贈与したものであり、相続人に対するものに限定されているわけでなく、相続人以外の者が遺贈で取得した場合も含まれているためである。 相続税申告書作成の前段階に行う、遺産分割協議の参考資料として、担当税理士は、相続人に対して財産目録を作成し提出することが一般的である。この財産目録には、法律上の相続財産だけでなく、参考情報として、死亡保険金、死亡退職金、生前贈与財産についても、(担当税理士が把握できている範囲で記載している旨の注釈は必要かもしれないが)記載しておいたほうが良いと思われる。 (了)

#No. 58(掲載号)
#根岸 二良
2014/02/27

経理担当者のためのベーシック税務Q&A 【第12回】「グループ内合併と税金(その2)」―特定資産譲渡等損失額の損金算入制限―

経理担当者のための ベーシック税務Q&A 【第12回】 「グループ内合併と税金(その2)」 ―特定資産譲渡等損失額の損金算入制限―   仰星税理士法人 公認会計士・税理士 草薙 信久   1 特定資産譲渡等損失額の損金算入制限 合併法人又は被合併法人が有する資産等に係る含み損を実現させないまま適格合併を行った場合には、この含み損を適格合併後の合併法人において実現させ、合併法人の他の所得と通算することで恣意的に合併法人の課税所得を圧縮し、潜在的な欠損金(含み損)を利用した不当な租税回避行為がなされ、被合併法人からの未処理欠損金の引継制限や合併法人の自社繰越欠損金の控除制限の抜け道となる可能性があります。 そのため、同一グループ内の適格合併においては、一定の場合には適格合併後の特定資産に係る含み損の実現損失について、損金不算入とする制度が設けられています。 (1) 適用されるケース 支配関係が発生した後5年以内に特定適格組織再編成等が行われた場合には、資産の譲受法人の特定適格組織再編成等事業年度開始の日以後一定の期間までに生じる特定保有資産又は特定引継資産に係る譲渡等損失額等(譲渡損、評価損、貸倒損失、除却損等)は、損金不算入とされます。 ※特定適格組織再編成等とは、グループ内の適格合併、完全支配関係がある法人間の非適格合併でグループ法人税制の適用により譲渡損益が繰り延べられるもの、適格分割、適格現物出資又は適格現物分配のうち、みなし共同事業要件を満たさないものをいいます(法法62の7①)。   (2) 制限の対象となる資産 特定資産譲渡等損失額の損金算入制限の対象となる資産を特定資産といい、次の特定引継資産又は特定保有資産のいずれかの資産をいいます(法法62の7②、法令123の8③⑬)。 (3) 制限を受ける期間 特定資産譲渡等損失額が損金不算入の制限対象となる期間は、資産の譲受法人の特定適格組織再編成等事業年度開始の日から、次のうち、いずれか早い日までとされています(法法62の7①)。 以上の特定資産譲渡等損失額の損金算入制限の用件をフローチャートにすると、次のようになります。   (4) 特定資産譲渡等損失額の計算 損金算入制限を受ける特定資産譲渡等損失額は、事業年度毎に計算した特定引継資産及び特定保有資産に係る譲渡、評価替え、貸倒れ、除却等の事由による損益をネットしたそれぞれの純損失額をいいます(法令123の8)。 また、特定引継資産譲渡等損失額と特定保有資産譲渡等損失額は、特定適格組織再編成等によって資産を譲り受けた法人においてそれぞれ別に計算します。 つまり、特定引継資産と特定保有資産の譲渡等損益額の相殺はできず、例えば、合併法人が有していた特定保有資産譲渡等損失額と適格合併によって被合併法人から引き継いだ特定引継資産譲渡等利益額の相殺はできません。なお、譲渡等損失額がマイナス(譲渡等利益)となった場合には、ゼロとします。 したがって、含み益を有する特定引継資産又は特定保有資産の譲渡等による実現利益が発生することが見込まれる場合には、含み損を有する特定引継資産又は特定保有資産の同一事業年度における譲渡等を実行する等のタックス・プランニングが必要となります。 ご質問のケースでは、この計算方法に従って特定資産譲渡等損失額の計算を行った場合には、以下のとおりになります。 2 特定資産譲渡等損失額の算入制限における特例計算 合併法人と被合併法人との間に、5年前の日から継続して支配関係がない場合や、適格合併がみなし共同事業要件を満たしてない場合でも、合併当事法人の資産等に含み益がある場合には、潜在的な欠損金(含み損)を不当に利用した不当な租税回避行為には該当せず、特定資産に係る含み損の損金算入が可能となるケースがあります(法令123の9①④)。 この場合、時価純資産額と簿価純資産額の大小関係により、損金算入が可能となる金額が相違します。 (1) 時価純資産額≧簿価純資産額の場合(法令123の9①一) 支配関係が成立した事業年度の直前事業年度末の時点で、資産の移転法人(本件の場合は被合併法人)の時価純資産額が簿価純資産額以上(時価純資産超過額)の場合には、特定引継資産譲渡損失額はすべて損金算入が可能となります。 (2) 時価純資産額<簿価純資産額の場合(法令123の9①二) 支配関係が成立した事業年度の直前事業年度末の時点で、資産の移転法人の簿価純資産額が時価純資産額を超過(簿価純資産超過額)する場合には、簿価純資産超過額に達するまでの特定引継資産譲渡等損失額のみの損金算入が可能となり、具体的には以下の算式により計算します。 したがって、制限を受ける期間での特定資産譲渡等損失額の損金不算入額の累計は、支配関係が成立した事業年度の直前事業年度末の時点での資産の移転法人の純含み損の額を超えることはありません。 また、同様の趣旨で、支配関係が成立した事業年度の直前事業年度末において資産を譲り受けた法人に含み益がある場合にも、特定資産に係る含み損の損金算入が可能となる規定があります(法令123の9④)。 なお、被合併法人の支配関係前未処理欠損金の引継制限が緩和される特例(法令113①②③)や、合併法人の支配関係前自社繰越欠損金の控除制限が緩和される特例(法令113①②③④)にも上記と同様の規定があります。 (了)

#No. 58(掲載号)
#草薙 信久
2014/02/27

貸倒損失における税務上の取扱い 【第12回】「子会社支援のための無償取引⑧」

貸倒損失における税務上の取扱い 【第12回】 「子会社支援のための無償取引⑧」   公認会計士 佐藤 信祐   第11回では、平和事件にかかわる第1審判決についての解説を行った。 第12回目である本号においては、控訴審判決、最高裁判決について触れたうえで、無利息貸付けについての所得税法上の考え方について考察を行うこととする。 (2) 控訴審・東京高裁平成11年5月31日判決(訟月51巻9号2135頁、税資243号127頁、東高民時報50巻1~12号8頁) 第一審判決とほぼ同じ判断が下されている。 なお、雑所得の計算方法や、国税通則法第65条第4項にいう正当な理由の有無について異なる判断が下されているが、本連載における論点とは異なるため、ここでは解説を省略する。 (3) 最高裁平成16年7月20日判決(訟月51巻8号2126頁、裁時1368号1頁、判時1873号123頁、判タ1163号131頁、税資254号順号9700、集民214号1071頁) 最高裁においては、前職及び現職の東京国税局の職員が編集した書籍において、会社が代表者から運転資金として無利息で金銭を借り受けた事例について、所得税の課税対象とならない旨の記載があることを理由として、国税通則法第65条第4項にいう正当な理由があるか否かが争われたが、本連載における論点とは異なるため、ここでは解説を省略する。 (4) 本事件についての評釈 平和事件においては、個人が法人に無利息貸付けを行った場合に、所得税法第36条第1項に規定する「収入すべき金額」に該当するか否かが争われた事件であり、所得税法第157条を適用して、同族会社等の行為計算の否認を適用したという点で、法人税法の取扱いとの間に大きな違いが見受けられる。 本事件の特徴としては、所得税法の改正により、株式の譲渡に係る譲渡所得が課税されることに対応して、その前に個人が保有する上場会社株式を自社が経営する非上場会社に対して譲渡を行い、そのための資金を無償で貸し付けており、税制改正に対応した動きであることや、金額が巨額であることが挙げられる。そのため、実務上、本事件は特殊事案であり、判例の射程距離もかなり狭いものであるという見解も少なくない。 本事件のうち、無利息貸付けについて所得税の課税対象とすることができるか否かという点に限って言えば、最大の争点は、外部からの経済的価値の流入の事実がない場合であっても、所得税法第157条に規定する同族会社等の行為計算の否認を適用することができるか否かという点である。 この点につき、品川芳宣教授は と述べられており、前職及び現職の東京国税局の職員が編集した書籍において、会社が代表者から運転資金として無利息で金銭を借り受けた事例について、所得税の課税対象とならない旨の記載があることを納税者が主張していることからも、それは明らかである。 また、法人税法第22条第2項が確認規定であるのか、創設規定であるのかという点も議論があるところである。 清水惣事件の解説においては割愛したが、法人税法第22条第2項は昭和40年度税制改正で定められたところ、清水惣事件においては、本規定が適用される前の昭和39年度と、適用された後の昭和40年度の両方が対象となっていたが、確認規定と位置付けることにより、昭和39年度についても無利息貸付けに係る利息収益について課税対象としている。 そうであるならば、平和事件においても、同族会社等の行為計算の否認を適用するまでもなく、所得税法第36条を直接的に適用する余地があったのではないかという疑問を感じる。 この点につき、大淵博義教授は、 としている。 また、所得税法第36条における「収入すべき金額」の解釈として、佐藤英明教授は、 としており、品川芳宣教授は、 としている。さらに、品川芳宣教授は時価の2分の1に満たない金額で譲渡した場合についてのみ時価で譲渡したものとして課税することとしている所得税法第59条を例に挙げ、法人税法との違いを説明されている。 なお、所得税法第59条については、時価の2分の1以上の金額で譲渡したとしても、所得税法第157条に規定する同族会社等の行為計算の否認を適用することができる場合が存在することが明示されている所得税基本通達59-3が存在し、それが故に、本事件においては、法人税法第22条第2項に相当する規定がないことを理由として、同族会社等の行為計算の否認が適用されたことが推測される。 この点についても、 としている。 このように、無利息貸付けについては、法人税法上の取扱いと所得税法上の取扱いとで基本的に異なっており、法人税法上は、法人税法第22条第2項の規定により、当然に利息収益を認識したうえで、それに相当する金額を寄附金として損金不算入とし、所得税法上は、同族会社等の行為計算の否認が適用される場合に限定して、利息収益を課税対象にすることになる。 平和事件について、同族会社等の行為計算の否認を適用すべき事案であったのか否か、判例の射程距離がどの範囲まで及ぶのかという点については議論があるところである。 しかしながら、本連載はあくまでも貸倒損失についての解説をすることを目的としているため、本連載においては、法人税法と所得税法における無利息貸付けについての基本的な考え方の違いを説明するに留め、平和事件についてのさらなる詳細な分析は、いずれ別の機会にさせていただきたい。 (了)

#No. 58(掲載号)
#佐藤 信祐
2014/02/27

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第2回】「固定資産の減損」

フロー・チャートを使って学ぶ会計実務 【第2回】 「固定資産の減損」   仰星監査法人 公認会計士 西田 友洋   固定資産の減損とは、「固定資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった状態が相当程度確実な場合に限って、回収可能性を反映させるように固定資産の帳簿価額を減額(減損損失を計上)する会計処理」をいう(固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書(以下「意見書」という)三3、固定資産の減損に係る会計基準の適用指針(以下「適用指針」という)134)。 言い換えると、固定資産を使って、固定資産の帳簿価額以上のキャッシュ・フローの獲得ができない場合、その状況(収益性の低下の状況)を表す会計処理である。 また、固定資産の減損は時価評価ではなく、収益性の低下を固定資産の帳簿価額に反映させるものであるため、取得原価主義のもとで行われる帳簿価額の臨時的な減額である(意見書三1)。 固定資産には、金融資産、繰延税金資産、市場販売目的のソフトウェア、退職給付に係る資産(前払年金費用)等は含まれない(適用指針6)。ただし、資産計上しているファイナンス・リースはもちろん、賃貸借処理しているファイナンス・リース取引も含まれる(適用指針143)。 固定資産の減損の会計処理は大きく、以下の4つのステップに分けることができる。 この4つのステップをフロー・チャートにすると、以下のようになる。 ※画像をクリックすると、別ページでPDFが開きます。 全体の流れを確認しながら、以下ステップごとの解説をご覧いただきたい。 なお、本解説では共用資産(※)または、のれんがある場合については言及していない。 (※)共用資産とは、複数の資産の将来キャッシュ・フローの発生に貢献する資産をいう(固定資産の減損に係る会計基準(以下、「基準」という)(注1)5)。例えば、本社の建物及び土地や複数の資産に係る福利厚生施設、動力・修繕・運搬等を行う設備などが該当する(意見書四2(7)①)。 【STEP1】では、資産のグルーピングを行う。 グルーピングは、他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位で行う(基準二6(1))。 任意にグルーピングの単位を大きくすると、収益性の低いものと収益性の高いものが1つのグループになってしまい、結果として減損損失を認識しなくても済む可能性が高くなる。 そのため、最小の単位でグルーピングを行う必要がある。 実務的には、管理会計上の区分や投資の意思決定(資産の処分や事業の廃止に関する意思決定を含む)を行う際の単位等を考慮して、経営の実態が適切に反映されるようグルーピングの方法を定める(意見書四2(6)①)。 具体的には、個別財務諸表と連結財務諸表のそれぞれで以下の検討が必要となる。 ※クリックすると大きな画像が開きます。 (1) 個別財務諸表におけるグルーピング 個別財務諸表におけるグルーピングでは、「使用している(使用する見込みのある)固定資産」とそれ以外の「処分予定資産、遊休資産」に分けて検討する。 ① 使用している(使用する見込みのある)固定資産のグルーピング 現在、事業に使用している(使用する見込みのある)固定資産のグルーピングは、具体的には、以下の手順で行うことが考えられる。 まず、継続的に収支の把握がされている単位を識別し、それをグルーピングの単位の基礎とする。次に、グルーピングの単位を決定する基礎から生ずるキャッシュ・イン・フローが、他の単位から生ずるキャッシュ・イン・フローと相互補完的であるかどうかの検討を行う(適用指針7)。 (ⅰ) 継続的な収支把握の単位の識別 賃貸ビルや小売店舗のように、資産の利用とキャッシュ・フローが直接的に関連づけられやすい資産については、当該資産ごとを継続的な収支の把握が行われている単位(グルーピングの単位の基礎)とすることが多いと考えられる(適用指針70)。 その他にも業種や企業によって異なるが、支店ごと、営業所ごと、地域ごと等を継続的な収支の把握が行われている単位(グルーピングの単位の基礎)とすることが考えられる。 (ⅱ) 相互補完性の検討 (ⅰ)のグルーピングの単位を決定する基礎から生ずるキャッシュ・イン・フローが、製品やサービスの性質、市場などの類似性等によって、他の単位から生ずるキャッシュ・イン・フローと相互補完的であり、当該単位を切り離したときには他の単位から生ずるキャッシュ・イン・フローに大きな影響(プラスの影響又はマイナスの影響)を及ぼすと考えられる場合、当該他の単位とグルーピングを行う(適用指針7)。言い換えると、大きな影響(プラスの影響又はマイナスの影響)を及ぼすと考えられない場合には、異なるグルーピングとなる。 なお、グルーピングの単位を決定する基礎において内部取引が存在し、合理的な内部振替価額(例えば、企業が外部からの収入価額に基づく適切な内部振替価額)により管理会計上、キャッシュ・イン・フローが発生している場合であっても、それをもって相互補完的とはならない。 内部取引であっても、他の単位から生ずるキャッシュ・イン・フローと相互補完的でなければ他の単位とグルーピングを行わない(適用指針70)。 ② 処分予定資産、遊休資産のグルーピング (ⅰ) 処分予定資産のグルーピング 処分予定資産とは、取締役会等において資産の処分や事業の廃止に関する意思決定を行い、その代替的な投資も予定されていないときなど、これらの資産を切り離しても他の資産又は資産グループの使用にほとんど影響を与えない資産をいう。 処分予定資産のうち重要なものは、他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位として取り扱う(適用指針8)。 なお、重要性の乏しい資産は、他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位として取り扱う必要はなく、資産グループに含めて取り扱うことができる(適用指針71)。 したがって、処分予定資産がある場合、重要性の基準を定める必要がある。 (ⅱ) 遊休資産のグルーピング 遊休資産とは、企業活動にほとんど使用されない状態であって、過去の利用実績や将来の用途の定めには関係がない状態にある資産のことをいう(適用指針72)。 将来の使用が見込まれていない遊休資産のうち重要なものは、処分予定資産と同様に他の資産又は資産グループのキャッシュ・フローから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位として取り扱う(適用指針8)。なお、将来の使用が見込まれていない遊休資産のうち重要性の乏しい資産も、処分予定資産と同様に、他の資産グループに含めて取り扱うことができる(適用指針72)。 したがって、将来の使用が見込まれない遊休資産がある場合についても、重要性の基準を定める必要がある。 反対に将来の使用を見込んでいる遊休資産は、その使用見込みに沿って、グルーピングを行う(適用指針8)。   (2) 連結財務諸表におけるグルーピング -連結財務諸表におけるグルーピングの見直し 連結財務諸表は、個別財務諸表をもとに作成されるため、原則、個別財務諸表におけるグルーピングを連結財務諸表でも用いる(適用指針75)。 しかし、以下の①及び②に該当する場合、連結財務諸表において資産のグルーピングの単位を見直す(適用指針10)。 連結財務諸表における資産グループは、どんなに大きくとも、事業の種類別セグメント情報における開示対象セグメントの基礎となる事業区分よりも大きくなることはないと考えられる(適用指針73)。 連結財務諸表におけるグルーピングの見直しは、連結財務諸表上、固定資産が計上される連結子会社が対象である。したがって、持分法が適用されている非連結子会社や関連会社は対象とはならない(適用指針75)。 (次ページ【STEP2】へ進む) (前ページ【STEP1】へ戻る) 【STEP2】では、減損の兆候の有無について検討する。 減損の兆候とは、資産又は資産グループに減損が生じている「可能性」を示す事象をいう(適用指針11)。以下の4つのいずれかに該当する場合、減損の兆候ありと判断する。 ※クリックすると大きな画像が開きます。   上記の減損の兆候の有無の判定は、通常の企業活動において実務的に入手可能なタイミングにおいて利用可能な情報に基づき行う(適用指針76)。 減損の兆候ありと判断された場合には、【STEP3】を検討する。減損の兆候なしと判断された場合は、【STEP3】以降の検討は不要である。 (1) 営業活動から生ずる損益又はキャッシュ・フローが継続してマイナス、又は、継続してマイナスとなる見込みの場合 営業活動から生ずる損益には、本社費等の間接的に生ずる費用も含まれる。 また、「継続してマイナス」とは、概ね過去2期がマイナスであることをいう。ただし、当期の見込みが明らかにプラスとなる場合は該当しない。「継続してマイナスとなる見込み」とは、前期と当期「以降」が明らかにマイナスとなる見込みの場合をいう(適用指針12(2))。   なお、事業の立上げ時など、当初より継続して営業損益がマイナスとなることが予定されている場合、予め合理的な事業計画(当該事業計画の中で投資額以上のキャッシュ・フローを生み出すことが実行可能なもの)が策定されており、実際のマイナスの額が当該事業計画にて予定されていたマイナスの額よりも著しく下方に乖離していないときには、減損の兆候には該当しない(適用指針12(4))。 ただし、長期(例えば、10年間)にわたって営業損益がマイナスの場合、事業計画どおりに進んでいたとしても、安易に減損の兆候に該当しないと判断してよいわけではない。形式的な検討ではなく、本質的に検討する必要がある。 (2) 資産又は資産グループが使用されている範囲又は方法について、回収可能価額を著しく低下させる変化が生じたか、又は、生ずる見込みである場合 回収可能価額を著しく低下させる変化とは、以下のような変化が該当する(適用指針13)。 また、回収可能価額を著しく低下させる変化が生ずると見込まれる時点とは、取締役会等の意思決定時点である(適用指針82)。したがって、変化が実際に生じた場合のみならず、取締役会等で変化について意思決定した場合も減損の兆候に該当する。 (3) 経営環境が著しく悪化したか、又は、悪化する見込みである場合 経営環境の著しい悪化とは、「市場環境の著しい悪化(価格の高騰や大幅な下落等)」、「技術的環境の著しい悪化」、「法律的環境の著しい悪化(重要な法律改正、規制緩和、規制強化等)」が該当する(適用指針14)。 (4) (市場価格がある資産で) 市場価格が著しく下落している場合 市場価格が著しく下落している場合とは、少なくとも市場価格が帳簿価額から50%程度以上下落した場合が該当する(適用指針15)。 ただし、50%程度以上下落していない場合でも、例えば、処分が予定されている資産で、市場価格の下落により、減損が生じている可能性が高いと見込まれる(重要な売却損失の発生が見込まれる)場合には、減損の兆候ありと判断することもある(適用指針89)。 市場価格とは、市場において形成されている取引価格等であるが、固定資産には、市場価格が観察可能な場合は多くない。したがって、一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標が容易に入手できる場合(容易に入手できる評価額や指標を合理的に調整したものも含まれる)には、これらを、減損の兆候を把握するための市場価格とみなして使用する(適用指針15)。 容易に入手できる土地の価格指標としては、以下がある(適用指針90)。   (次ページ【STEP3】へ進む) (前ページ【STEP2】へ戻る) 【STEP3】では、減損損失の認識について検討する。減損損失の認識では、以下の3つの検討が必要である。 ※クリックすると大きな画像が開きます。   (1) 将来キャッシュ・フローの見積り期間の設定 将来キャッシュ・フローの見積り期間は、①主要な資産(キャッシュ・フロー生成にとって最も重要な構成資産)の経済的残存使用年数か、②20年のいずれか短い方で設定する。土地の使用期間は無限であること等から、見積り期間に上限が設けられている。 経済的残存使用年数(税法の耐用年数ではない)とは、その資産が経済的に使用可能と予測される残りの年数である(適用指針21)。ただし、税法の耐用年数に不合理がなければ、税法の耐用年数に基づく残存耐用年数を経済的残存使用年数として用いることができる(適用指針100)。 (2) 割引「前」将来キャッシュ・フローの見積り 見積り期間を設定したら、これに対応する将来キャッシュ・フローを見積もる。将来キャッシュ・フローは、以下の①と②の合計で求める。 正味売却価額及び回収可能価額については【STEP4】で解説する。 また、将来キャッシュ・フローを見積もる際には、取締役会等で承認された中長期計画が存在する場合と存在しない場合で留意点がある(適用指針36)。 (ⅰ) 取締役会等で承認された中長期計画が存在する場合 取締役会等の承認を得た中長期計画の前提となった数値を、経営環境などの企業の外部要因に関する情報や企業が用いている内部の情報(例えば、予算、業績評価の基礎データ、売上見込みなど)と整合的に修正し、資産の現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮して、将来キャッシュ・フローを見積もる。 中長期計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローを算定する場合、原則として、取締役会等の承認を得た中長期計画の前提となった数値(経営環境などの企業の外部要因に関する情報や企業が用いている内部の情報と整合的に修正した後のもの)に、合理的な反証がない限り、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定又は逓減する成長率(ゼロやマイナスになる場合もある)の仮定をおいて見積もる。一定又は低減する成長率の仮定をおいて見積もる必要があるため、逓増する成長率(例えば、来年は2%、2年後は3%、3年後は4%・・・)の仮定をおくことはできない。 (ⅱ) 取締役会等で承認された中長期計画が存在しない場合 中長期計画が存在しない場合、経営環境などの企業の外部要因に関する情報や企業が用いている内部の情報に基づき、資産の現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮して、将来キャッシュ・フローを合理的に見積もる。 (3) 割引「前」将来キャッシュ・フローと固定資産の帳簿価額との比較 将来キャッシュ・フローを見積もったら、その金額を割り引くことなく、そのまま、固定資産の帳簿価額と比較して、実際に減損損失の認識が必要かどうか検討する。 割引「前」将来キャッシュ・フローが固定資産の帳簿価額を下回る場合、減損損失を認識する(適用指針18)。下回らない場合は減損損失の認識は不要となる。 減損損失の認識が不要の場合、【STEP4】の検討は不要である。 (次ページ【STEP4】へ進む) (前ページ【STEP3】へ戻る) 減損損失の認識が認められたら、減損損失を測定する(適用指針25)。 減損損失の測定(減損損失額の算定)の際には、固定資産の帳簿価額をどこまで減額するかを決めるため、その減額の基準となる回収可能価額を決定する必要がある。ここで、回収可能価額とは、使用価値と現在時点の正味売却価額の高い方の金額をいう。また、使用価値は割引「後」将来キャッシュ・フローのため、割引率の算定が必要となる。 したがって、減損損失の測定の際には、以下の4つの検討が必要である。 ※クリックすると大きな画像が開きます。 (1) 使用価値の算定 ① 割引率の算定 使用価値は、将来キャッシュ・フローを割引計算することにより求められる。そのため、まず割引率の算定を行う。 割引率の算定方法は複数あるが、実務上は「加重平均資本コスト」を用いることが多い。 加重平均資本コストは、以下のように算定される。 他人資本コストは、長期の借入の追加借入率や長期社債の利回り(社債を発行していない場合、同等の格付の他の企業が発行している長期社債の利回り)を用いることが考えられる。 自己資本コストは、CAPMというモデルを用いて算定することが一般的である。 算定式は以下のとおりである。 リスクフリー・レートとは、貨幣の時間価値のみを反映した収益率であり、長期国債の利回りを用いる。将来キャッシュ・フローが得られるまでの期間に対応した長期国債の利回りを用いる(適用指針46)。長期国債の利回りは、財務省のホームページ等から入手可能である。 β値とは、株式市場の全体の株価の変動に対する自社の株価の変動がどの程度であるかという数値である。東京証券取引所、日本経済新聞社、ロイター、ブルームバーグ等から有料で入手することが可能である。また、過去の株価データをもとに自社でエクセルを用いて算定することも考えられる。 非上場会社の場合、株価がないためβ値を入手できないが、事業内容や収益状況等が類似した会社のβ値を参考にして、算定することも考えられる。 株式市場のリスク・プレミアムは、Ibbotson社等から有料で入手することが可能である。また、以下のように簡便的に株式市場の期待収益率を算出し、そこからリスクフリー・レートを控除して自社で算出することも考えられる。 ② 使用価値の算定 次に使用価値を算定する。使用価値とは、割引「後」将来キャッシュ・フローをいう。 まず、将来キャッシュ・フローを見積もる必要がある。使用価値算定の際の将来キャッシュ・フローは、以下の合計で求める(適用指針31)。 上記(ⅰ)及び(ⅱ)から求めた将来キャッシュ・フローを①の割引率で割引計算した金額が使用価値である。 なお、ここでの将来キャッシュ・フロー見積りの際にも、【STEP3】(2)(ⅰ)(ⅱ)について留意する必要がある。 (2) 現在時点の正味売却価額の算定 現在時点の正味売却価額は以下のとおり算定する。 現在時点の時価は以下のように算定する(適用指針28)。 なお、下記(3)では、使用価値と現在時点の正味売却価額の高い方の金額を回収可能価額する(詳細は、下記(3)参照)が、固定資産を保有している以上、通常は使用価値の方が現在時点の正味売却価額よりも高いと考えられる。 そのため、①明らかに現在時点の正味売却価額が使用価値よりも高いと想定される場合や、②処分がすぐに予定されている場合などを除き、必ずしも現在時点の正味売却価額を算定する必要はない(適用指針28)。したがって、①や②のような場合でなければ、現在時点の正味売却価額の算定は不要となる。 (3) 回収可能価額の決定 回収可能価額とは、使用価値と現在時点の正味売却価額の高い方の金額である(適用指針28)。 現在時点の正味売却価額を上回るキャッシュ・フローを獲得できるなら、通常、企業は固定資産を利用し続けるため、使用価値が回収可能価額となる。 他方、現在時点の正味売却価額を下回るキャッシュ・フローしか獲得できないなら、通常、企業は固定資産を利用しないで売却するため、現在時点の正味売却価額が回収可能価額となる。 (4) 減損損失の測定 最後に減損損失を測定する。減損損失は(資産グループの)固定資産の帳簿価額合計から回収可能価額を控除した金額となる。 算定した減損損失は各固定資産の帳簿価額による比例配分等、合理的であると認められる方法により、各固定資産に配分する(適用指針26)。 会計処理の例は以下のとおりである。 【会計処理(税効果は除く)】 なお、減損損失を計上した後に、時価が回復したり、将来キャッシュ・フローが減損損失を計上した時よりも獲得できたとしても、減損損失の戻入れ処理を行うことはできない(意見書四3(2))。 また、重要な減損損失を計上した場合、損益計算書(特別損失)に係る注記として、以下の注記をする(適用指針58)。なお、計算書類では当該注記は必ずしも求められていない。 *   *   * 以上、4つのステップをまとめたフロー・チャートを再掲する。 ※画像をクリックすると、別ページでPDFが開きます。    (了)

#No. 58(掲載号)
#西田 友洋
2014/02/27
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