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減損会計を学ぶ 【第19回】「割引率①」~割引計算の考え方~

減損会計を学ぶ 【第19回】 「割引率①」  ~割引計算の考え方~   公認会計士 阿部 光成   減損会計では、使用価値の算定に際して、割引率を用いて将来キャッシュ・フローの現在価値が計算される(「固定資産の減損に係る会計基準」(以下「減損会計基準」という)、二5)。 割引率については、「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号。以下「減損適用指針」という)45項において、4つの方法が示されている。 今回は、割引率に関する論点について解説を行う。 文中、意見に関する部分は、私見であることを申し添える。   Ⅰ 割り引くということ 現在、100万円の預金をもっていたとする。 これと、1年後の預金100万円は価値が同じかどうかを考える。 もし、預金の利率が5%であった場合、現在の預金を銀行に預け入れると、1年後には105万円の預金(=100万円+100万円×5%)となる。つまり、現在の100万円は、1年後には105万円の価値になるということである。 今度は、1年後の預金105万円をベースに考えて、時間を反転し、1年後の預金105万円は、現在の価値としてはいくらになるのかという考え方をしてみる。 つまり、1年後の105万円を(1+0.05)で除することにより、現在の100万円と同じ価値であるという計算が行われる。 このように、将来の105万円が、現在時点ではいくらの価値になるのかを計算することを「割り引く」という。 固定資産は、耐用年数にわたって将来キャッシュ・フローを生み出すので、当該将来キャッシュ・フローを、「現在」という時点に換算して価値を算出する方法が「割り引く」ということであり、その率を「割引率」という。   Ⅱ 割引計算を行うとどうなるのか 将来キャッシュ・フローの見積額が同額であったとしても、割引計算を行うことにより、現在価値の金額は異なってくる。 数値を用いて示すと次のようになる。 将来キャッシュ・フローは、それぞれの年度の最後に発生するものとし、割引率は5%とする。   Ⅲ 将来キャッシュ・フローに関する最頻値と期待値 1 最頻値と期待値 減損会計基準は、将来キャッシュ・フローの見積金額について、次の2つの方法を規定している(減損会計基準、二4(3))。 いずれの方法も適用できるとされている(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」四2(4)③、減損適用指針120項)。 「最頻値」とは、もっとも起こりやすい数値をもって予測値とする方法であり、「期待値」とはそれぞれのキャッシュ・フローの起こりやすさをその確率で加重平均して予測値とする方法である(監査法人トーマツ編『Q&A減損会計適用指針における会計実務』(清文社、2004年4月)166ページ)。 数値を用いて示すと次のようになる。 【最頻値法】 【期待値法】 出所:監査法人トーマツ編『Q&A減損会計適用指針における会計実務』(清文社、2004年4月)166ページ 前述のように、最頻値法と期待値法は、いずれも適用できるが、減損適用指針はそれぞれについて次のように述べている(減損適用指針120項)。 2 見積値から乖離するリスク 1で述べたように、将来キャッシュ・フローの見積方法には、最頻値と期待値がある。 いずれの方法を適用する場合でも、使用価値の算定においては、将来キャッシュ・フローが見積値から乖離するリスクについて、将来キャッシュ・フローの見積りと割引率のいずれかに反映させる必要がある(減損会計基準注解(注6)、減損適用指針39項)。 減損適用指針39項では、次のように述べられている。 実務上、①の方法を採用していることが多いと思われる。 (了)

#No. 91(掲載号)
#阿部 光成
2014/10/23

経理担当者のためのベーシック会計Q&A 【第60回】ストック・オプション④「ストック・オプションの条件変更」

経理担当者のための ベーシック会計Q&A 【第60回】 ストック・オプション④ 「ストック・オプションの条件変更」   仰星監査法人 公認会計士 横塚 大介     〈事例による解説:公正な評価単価に関する条件変更〉   〈会計処理〉 1  X6年3月決算仕訳 【条件変更前から行われてきた費用計上】 「条件変更前から行われてきた費用計上」の詳細は、経理担当者のためのベーシック会計Q&A【第57回】ストック・オプション①をご参照ください。 【条件変更による価値増加分の費用計上】 【条件変更による価値増加分の算定】 (100名-6名)×50個=4,700個 4,700個×(140-120)円=94,000円 【X6年3月期に属する費用額の算定】 94,000円×9ヶ月(B:X5年7月~X6年3月)÷12ヶ月(A:X5年7月~X6年6月) =70,500円  2  X7年3月決算仕訳 【条件変更前から行われてきた費用計上】 「条件変更前から行われてきた費用計上」の詳細は、経理担当者のためのベーシック会計Q&A【第57回】ストック・オプション①をご参照ください。 【条件変更による価値増加分の費用計上】 【条件変更による価値増加分の算定】 (100名-5名)×50個=4,750個 4,750個×(140-120)円=95,000円 【X7年3月期に属する費用額の算定】 95,000円×12ヶ月(A:X5年7月~X6年6月)÷12ヶ月(同左)-70,500円 (X7年3月期に費用化された金額)=24,500円   〈会計処理の解説〉 1 付与時の費用計上 条件変更日(条件変更が行われた日のうち、特に条件変更以後をいう)におけるストック・オプションの公正な評価単価(140円)が、付与日における公正な評価単価(120円)を上回る場合には、条件変更前から行われてきた付与日におけるストック・オプションの公正な評価単価に基づく公正な評価額による費用計上(286,500円)を継続して行います。 2 条件変更による価値増加分の算定について 条件変更日におけるストック・オプションの公正な評価単価が付与日における公正な評価単価を上回る部分(20円=140円-120円)に見合う、ストック・オプションの公正な評価額の増加額(94,000円)を算定します。ただし、条件変更日におけるストック・オプションの公正な評価単価が付与日における公正な評価単価(120円)以下となる場合には、条件変更日以後においても、条件変更前から行われてきた、ストック・オプションの付与日における公正な評価単価に基づく公正な評価額による費用計上(286,500円)を継続します。 なお、新たな条件のストック・オプションの付与と引換えに、当初付与したストック・オプションを取り消す場合には、実質的に当初付与したストック・オプションの条件変更と同じ経済実態を有すると考えられる限り、ストック・オプションの条件変更とみなして会計処理を行います。 3 各期の費用額の算定について 算定した報酬費用総額を、対象勤務期間(付与日から権利確定日までの期間)を基礎とする方法その他の合理的な方法に基づき、当期に発生したと認められる額を算定し、当期の費用として計上します。ここで、ストック・オプションに係る条件変更がなされた場合、条件変更日から権利確定日までの期間(以下、残余期間:X5年7月~X6年6月)を基礎とする方法で解説しています。 ※11月は包括利益の会計基準を取り上げます。 (了)

#No. 91(掲載号)
#横塚 大介
2014/10/23

第三者行為災害による自動車事故と企業対応策 【第4回】「実務上のポイントQ&A(前半)」

第三者行為災害による自動車事故と企業対応策 【第4回】 「実務上のポイントQ&A(前半)」   社会保険労務士 井下 英誉   はじめに 第4回、第5回では、第1回から第3回まで解説した内容を踏まえ、実務上のポイントについてQ&Aを用いて解説する。 *   *   * 次回も引き続き、Q&A形式でポイント解説を行う。 (了)

#No. 91(掲載号)
#井下 英誉
2014/10/23

現代金融用語の基礎知識 【第11回】「太陽光ファンド」

現代金融用語の基礎知識 【第11回】 「太陽光ファンド」   事業創造大学院大学 准教授 鈴木 広樹   1 注目される太陽光発電投資 広い土地一面に設置された太陽光パネルの写真や映像を誰でも一度は見たことがあるだろう。それは太陽光発電のための設備なのだが、現在、それへの投資に投資家や企業の関心が集まっている(そして、実際にお金が集まっている)。太陽光発電の将来性への期待もあるのかもしれないが、何よりも非常に魅力のある投資対象だからである。   2 太陽光発電投資の魅力 太陽光発電が非常に魅力のある投資対象であるのは、現在のところ確実に利益が得られるからである。なぜかというと、太陽光発電で得られた電気は、電力会社が一定の価格(電気を売る側が利益を得られるような価格)で買い取ることとされているからである。その制度を「固定価格買取制度」という。 太陽光発電で得られる電気の量は、気象状況の影響を受けるとしても、それほど大きく変動するものではないため、固定価格買取制度により売上の額は予め確定することになる。そして、費用も、主なものは土地の賃借料や減価償却費であり、その額は予め確定しているため、利益の額が予め確定することになるのである。 また、「グリーン投資減税」の恩恵を受けることもできる。グリーン投資減税とは、一定規模以上の太陽光発電設備を取得し、1年以内に事業の用に供した場合、①普通償却に加えて取得価額の30%相当額の特別償却、②即時償却(100%償却)、③取得価額の7%相当額の税額控除(中小企業者等のみ)、のうちいずれかの優遇措置を受けられるというものである。   3 太陽光ファンド このように非常に魅力のある太陽光発電投資だが、数億円の資金が必要となるため、財政的に余裕のある企業でない限り、そう簡単に行えるものではない。銀行からの借入れにも限界がある。そこでよく行われているのが、いわゆる投資ファンドを組成して投資家から資金を調達することであり、その投資ファンドがいわゆる「太陽光ファンド」である。 投資ファンドは「組合」の仕組みを利用して組成されることが多いが、太陽光ファンドの場合は、通常、「匿名組合」の仕組みを利用して組成される。匿名組合とは、商法で定められている仕組みで、投資家が組合の管理者の営業のために出資をして、その営業により生じる利益の分配を受けることを約束する契約のことである。民法で定められている「任意組合」の場合は、その契約書に出資する投資家全員の名前が列挙されるのだが、匿名組合の場合は、管理者が投資家それぞれと契約を結び、投資家は互いの名前や出資額を知らないため、「匿名」が付くのである。 任意組合では投資家が無限責任を負うため、多数の投資家からの資金調達には適さない。それに対して、匿名組合では投資家が有限責任を負うだけなので、多数の投資家からの資金調達が可能になる。そのため、太陽光ファンドでは、通常、匿名組合の仕組みが利用されるのである。なお、投資ファンドというと、「投資事業有限責任組合」を思い浮かべるかもしれないが、投資対象が有価証券等に限られるため、太陽光ファンドでは利用されない。   4 太陽光ファンドの注意点 太陽光発電投資に関心があり、太陽光ファンドを組成しようとする場合や、それに投資しようとする場合は、注意しなければならない点がある。 まず太陽光ファンドを組成する場合、専門知識が必要とされることを認識しておかなければならない。太陽光ファンドの組成に当たっては第二種金融商品取引業への登録が必要となり、その後の管理にも専門知識が必要とされるため、素人だけで全てを行うのは困難である。実際、管理に不備があるとして、証券取引等監視委員会に摘発されるケースも出てきている。 そして、太陽光ファンドを組成する場合だけでなく、それに投資する場合も、太陽光発電投資により得られる利益は今後も約束されたものではないということを認識しておかなければならない。上述のとおり現在のところ確実に利益が得られるのは固定価格買取制度によるのだが、その制度は今後もずっと継続されるとは限らないからである。 固定価格買取制度では電力会社に損失が生じるが、その損失は電力会社が負担しているわけではない。実は電気利用者が負担しており、電気利用者から再生可能エネルギー賦課金という名目で徴収されているのである(電気利用者は電気料金に加えて再生可能エネルギー賦課金を支払っている)。実質的に投資家が得る利益を電気利用者が負担していることになるため、固定価格買取制度に対しては批判があるということを留意しておく必要があるだろう。 【太陽光ファンドの利益はどこから?】  (了)

#No. 91(掲載号)
#鈴木 広樹
2014/10/23

《速報解説》 人事院勧告を受け、非課税となる通勤手当の限度額を引上げ~所得税法施行令20条の2第2号を改正し、55km以上を新設

《速報解説》 人事院勧告を受け、非課税となる通勤手当の限度額を引上げ ~所得税法施行令20条の2第2号を改正し、55km以上を新設   Profession Journal編集部   10月7日の閣議決定を受け、マイカー等で通勤している人の非課税となる1ヶ月当たりの限度額(所令20の2)が改正され、10月20日に施行された(平成26年10月17日付官報第6396号で公布)。 役員や使用人に通常の給与に加算して支給する通勤手当は、一定の限度額まで非課税とされているが、非課税通勤手当の範囲については、「給与所得を有する者で通勤するものがその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとして通常の給与に加算して受ける通勤手当のうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分として政令で定めるもの」(所法9①五)とされ、所得税法施行令20条の2に委任し、非課税の範囲が定められている。 このほど、内閣は8月に行われた人事院勧告「公務員の給与改定に関する取扱いについて」を閣議決定した(平成26年10月7日)。この中で、交通用具使用者に係る通勤手当について、民間の支給状況等を踏まえ使用距離の区分に応じ100円から7,100円までの幅で引上げが盛り込まれていたことから、それに連動した形で非課税となる通勤手当の限度額を定める所得税法施行令20条の2第2号が改正されたもの。 改正の特徴は、それぞれの区分で引き上げられたことに加えて、新たに「55km以上」が設けられた点だ。 今回の改正により、具体的には下表のようになる。 なお、今回の改正は平成26年4月1日以後に受ける通勤手当から適用される。 ちなみに、改正部分として、改正前の「自転車」が改正後には「自動車」と変わっているが、これについて財務省は「表記上だけの改正であって、内容的には影響を及ぼすものではない」としている。 参考までに改正された所得税法施行令20条の2を示せば、下記のようになる。主に2号の改正であり、1号と3号は改正されていないが、4号は2号を引いているため改正されている。 〈参考①:改正後の所得税法施行令20条の2(下線が改正部分)〉 〈参考②:人事院勧告とは〉 (了)

#No. 90(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2014/10/20

Profession Journal No.90が公開されました!~今週のお薦め記事~

2014年10月16日(木)AM10:30、Profession Journal(プロフェッションジャーナル)  No.90 が公開されました。   - ご 案 内 - Profession Journalの解説記事は毎週木曜日(AM10:30)に公開し、《速報解説》については随時公開します。

#Profession Journal 編集部
2014/10/16

日本の企業税制 【第12回】「財務省・総務省が示す『財源案』と経団連の姿勢」

日本の企業税制 【第12回】 「財務省・総務省が示す『財源案』と 経団連の姿勢」   一般社団法人日本経済団体連合会 常務理事 阿部 泰久     1 はじめに 10月9日開催の自民党税制調査会において、財務省・総務省より「法人税改革の具体化について(イメージ)」ならびに「法人税改革について-政府税制調査会の提言をベースとした課税ベース拡大等の考え方」が提示され、法人税改正議論はいよいよ本格的なスタートを切った。 本稿では、ここで示された財務省・総務省の提案を紹介し、これに対する経団連の対応方針を解説していく。   2 「法人税改革の具体化について(イメージ)」 法人税改革の工程表であり、平成27年度から30年度までが示されているが、27年度と29年度に大きなヤマが想定されている。 税率引下げの具体的数値は示されていないが、財源次第で27年度改正で3%程度、29年度改正で2%程度の引下げ幅を想定しているものと推測できる。   3 「法人税改革について-政府税制調査会の提言をベースとした課税ベース拡大等の考え方」 課税ベース拡大等の網羅的なメニューであるが、基本的には政府税制調査会で既に示されていた項目であり、特段の新味はない。 また、具体的な数字は含まれておらず、あくまでも定性的な考え方を示したものである。しかしながら、例えば欠損金繰越控除の制限では、ドイツ60%、フランス50%などの海外事例が意図的に引かれており、ある程度は課税当局の考えを推測することができる。 その概要を整理すれば以下のようになる。 -中小法人- (中小法人への影響を検証しつつ、検討) -公益法人等- (公益法人等の実態等を見ながら、検討) なお、中小法人や公益法人についても具体的課題が示されてはいるが、わざわざ「中小法人への影響を検証しつつ、検討」、「公益法人等の実態等を見ながら、検討」とされており、政治的には手をつけないとのメッセージが示されたものと考える。   4 経団連の対応 法人税の課税ベースについては厳しいメニューが並んでいるが、自民党税制調査会に向けた最初の打ち出しであり、次はここで示された各項目について、経団連の考え方を提示することになる。 最大のポイントは、国税・地方税を合わせた実質的な法人税負担軽減の確保である。 6月24日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2014」では、 とされており、この趣旨が実現されなければならない。 すべての業界・企業について減税とする仕組みは困難であるが、少なくとも利益を上げている企業には増税とならないよう、とりわけ企業の国際競争力へのマイナスの影響を排除することが重要である。 その観点から、主要項目について、以下のような対応を進めていく。 (了)  

#No. 90(掲載号)
#阿部 泰久
2014/10/16

《編集部レポート》 第41回 日税連公開研究討論会が開催~「変貌する日本社会と税制のあり方」を統一テーマに研究成果及び提言を発表~

《編集部レポート》 第41回 日税連公開研究討論会が開催 ~「変貌する日本社会と税制のあり方」を統一テーマに研究成果及び提言を発表~   Profession Journal 編集部   2014年10月10日(金)ホテルニューオータニにおいて「第41回 日税連公開研究討論会」が開催された。 公開研究討論会は、税制及び税務行政等の改善合理化と税理士の資質向上を図るため、全国15税理士会を7グループに分け、税理士の日頃の研究結果の発表と質疑応答を行うことを目的として毎年開催されている(昨年は広島市にて開催)。 枡添要一東京都知事による来賓挨拶に始まった当日は、今回の担当会である東京税理士会から「変貌する日本社会と税制のあり方」を統一テーマに、下記の構成で研究発表が行われた。 各研究グループからの発表は、実際にシンガポールへの海外進出を行っている企業担当者や、高い消費税率と軽減税率を導入しているスウェーデン大使館への取材など趣向に富んだ内容となっており、「給与所得控除の10%(現行の1/3)への縮小」や「暦年課税の生前贈与加算については相続開始前3年以内を7年以内に延長」など税理士ならではの視点による税制への提言が行われた。 すべての発表後は、中里実政府税制調査会会長による講評で締めくくられた。 [当日の様子] (了)

#No. 90(掲載号)
#Profession Journal 編集部
2014/10/16

法人税改革における『減価償却方法の見直し』が企業経営へ与える影響 【第1回】「減価償却費の償却方法と課税の公平」

法人税改革における『減価償却方法の見直し』が 企業経営へ与える影響 【第1回】 「減価償却費の償却方法と課税の公平」   税理士 小谷 羊太   はじめに 平成26年の政府税制調査会では、平成27年度税制改正における法人税率の引下げに伴う代替財源策として、減価償却制度については次のような見直し案が検討されている(下線筆者)。 【参考資料①】 政府税制調査会(第3回 法人課税ディスカッショングループ(2014年4月14日)) 「(法人課税DG3)租税特別措置・加速度償却」 【参考資料②】 政府税制調査会(2014年6月27日) 「法人税の改革について」   本連載では、このような経緯・現状と視点を前提に、減価償却方法の見直しが検討されているなか、企業側の減価償却の考え方やその計上の意味について、あらためて検討したい。 今回は「減価償却費の償却方法と課税の公平」という視点で検討する。 ◆減価償却費は徐々に計上する費用 減価償却資産は「使用したり、時の経過によりその価値が減少するもの」である。 使用や時の経過によりその価値が減少する資産がその前提となっているので、取得時に支出した資金は、取得時の一時の費用とするのではなく、使用頻度や時の経過によりその減少した価値(減価)部分を徐々に費用とすることになっている。 ◆減価償却費は売上げに貢献する費用 しかし、減価償却費として当期の費用に計上すべき金額は、単に減価した部分を費用として認識するのではなく、事業活動に必要なもの、つまり売上げを獲得するために必要となった費用としての側面も持ち合わせている。 ◆損益の面と貸借の面としての前提 損益の面から捉えた減価償却費の計上は、当期の売上げに貢献した原価としての適正額を減価償却費として計上すべきである、という前提があり、貸借の面から捉えた減価償却費の計上は、当期に価値が減少した部分を費用として認識し、減価する、という前提がある。 減価償却費の計上は、上記の両考え方をバランスよく汲み取った上で金額を算定し計上すべきである。 ◆合理的に算出するための選択肢 現行の法人税法では、上記のような考え方を前提として、減価償却費の算定方法については、資産の種類によって定額法や定率法、生産高比例法などの償却方法が用意されている。 つまり、当社のその減価償却資産の使用状況や当期の売上げに貢献するあり方により、限られた範囲ではあるが、合理的に算出できるように複数の選択肢が与えられているのである。 ◆使用目的により償却方法は変わる 償却方法の選択にあっては、例えば器具備品であるパソコンを例にしてみると、当社で使用するパソコンは総務における使用で、インターネットによる情報収集やメールでのやりとり、小規模の経理など、総合的な事務処理をするために使用する目的で購入し、4~5年に一度程度入替えをすれば十分に業務が遂行できるもの、という位置づけにあるのであれば、法定耐用年数4年をかけて定額法で償却をすれば十分に期間損益の適正化、販売費一般販管費としての計上を満たすことができるのではないだろうか。 しかし、同じパソコンであっても、当社がデザイン会社であるなど、そこで使用するパソコンは常に最新機能を備えたものであることが望ましいような前提があるのであれば、少なくとも2~3年周期で最新機能を備えた新しいものを早々に購入する必要がある会社となる。 このような会社が使用するパソコンであれば、定率法により早期償却を実現させるべきこととなる。 また、例えば機械装置であればその生産状況や稼働状況により、さらに会社によっては生産数や稼働時間も、その機械装置の設備の種類により様々であることが想定される。 生産数や稼働時間が少なかった場合には、法人税法では償却限度額以下の償却費の計上による償却不足を認めているので、計上する償却費は売上げに対する貢献度や使用状況により加減をすることができる。 逆に通常の稼働を超えた生産を行ったのであれば、税務署への届出により増加償却などの特別な追加の償却も認められている。 ◆選択の機会は不公平ではない 上記のようにその選択肢が多様にあることにより、会社ごとに減価償却費の計上の仕方によっては、法人間の税負担の不均衡を生じるおそれがあるのではないか、という考え方もあるようであるが、法律上の「公平」とは、同一条件であるにもかかわらず、A事業者が許されるのにB事業者は許されない、という場合に初めて不公平とされるのであり、A事業者にもB事業者にも均等にその選択の機会が与えられており、かつその選択肢を事業者自らが判断し、適用することができるのであれば、それはその結果、たとえ税負担が不均衡になろうとも「課税の公平」は守られているということに留意しなければならない。 むしろ、特定の会社の使用目的に適していない償却方法の強要があることのほうが課税の公平を阻害する恐れがある。つまりデザイン会社で使用するパソコンと一般会社で使用するパソコンでは、その使用状況や目的が全く違うにもかかわらず、同じ「パソコン」という器具の種類により、一般事務機器として使用した場合に適した償却方法しか認めないようにする、というのはルール変更という視点においては、いささかトンチンカンであることはいうまでもない。 国が定めた法定耐用年数が4年の資産であろうが10年の資産であろうが、さらに定額法で償却すると定めようが、実務上、2~3年で買換えが必要となる会社であれば、国の思惑には関係なく、時期早々に買換えが必要となる。つまり、買換えが実現できる会社であれば、会計的には多額の残存帳簿価額を除却処理することとなるであろうから、正しい期間損益の適正化は図れない結果となる。逆に買換えが実現できない会社であれば、使用する機器が古いために同業との競合に敗れ、淘汰される会社が増えることも想定できる。 本末転倒とはまさにこのことではないだろうか。 (了)

#No. 90(掲載号)
#小谷 羊太
2014/10/16

〔記載例が理解を深める〕税務申請・届出手続解説 【第1回】「輸出物品販売場許可申請手続」

〔記載例が理解を深める〕 税務申請・届出手続解説 【第1回】 「輸出物品販売場許可申請手続」   税理士 野川 悟志   改正された輸出物品販売場における消費税免税販売制度が平成26年10月から適用されている。主な改正点としては、免税対象物品が電化製品、服、かばん、時計、カメラなどの「一般物品」に加えて、食品類、飲料類、薬品類、化粧品類などの「消耗品」も含むこととされたことが上げられる。 観光庁の資料によれば、平成26年4月から6月までの訪日外国人の土産品の購入実態は菓子類のほか、飲料、酒、たばこ、化粧品、香水などの消耗品の購入割合は高い状況となっている。今後も増加が見込まれる訪日外国人の旺盛な購買力を踏まえると、今般の改正は、事業者にとって大きなビジネスチャンスになるのではないかと考えられる。 また、輸出物品販売場は平成26年4月現在で全国に5,777件あり、昨年同期に比べ1,155件の増加となっている。地域別に見ると、東京都が2,239件(構成比39%)、大阪府が852件(同15%)、福岡県が372件(同6%)となっている一方で、島根県は1件で最も少なく、岩手県、秋田県、福井県、徳島県がそれぞれ2件となっており、地域間による格差が見られる。今後、観光産業との連携により、輸出物品販売場制度を活用した外国人観光客の誘致活動が期待されるところである。 ところで、この輸出物品販売場を経営しようとする事業者は、あらかじめ税務署長の許可を得ておく必要がある。具体的には、販売場ごとに、事業者(消費税免税事業者を除く)の納税地(本店所在地等)の所轄税務署長に、「輸出物品販売場許可申請書」を提出することになる(消法8⑥)。 この申請書には、「販売場の見取り図」、「免税販売マニュアル」、「事業内容が分かるもの」及び「取扱商品が分かるもの」を添付し、税務署では、提出された申請書を基に、販売場の実態確認等を行い審査することになる。 販売場として許可を受ける要件については、消費税法基本通達において、 とされている(消基通8-2-1)。 なお、販売場所在地の地理的要件については、申請の時点において非居住者の利用度が高いことまでを求められているのではなく、今後、非居住者の利用が見込まれる場所も含むとされている。 ちなみに、従来から許可を受けていた販売場において、今般の制度改正により新たに消耗品の免税販売を行おうとする場合であっても、改めて、輸出物品販売場の許可を受ける必要はない。 ◆手続名 輸出物品販売場許可申請手続 ◆書式名 輸出物品販売場許可申請書 ◆e-Taxによる申請 可能 ◆目的 輸出物品販売場の許可を受けようとする場合の手続(消法8⑥、消規10①)。 ◆提出期限 輸出物品販売場の許可受けようとするときに提出する。 ◆記載要領 (1) この申請書は、納税地の所轄税務署長に2通提出する。 (2) 許可を受けようとする販売場が2以上ある場合には、販売場の所在地及び名称、所轄税務署名は適宜の様式に記載して添付する。 ◆記載例 ※クリックすると別ウィンドウでPDFが開きます (了)

#No. 90(掲載号)
#野川 悟志
2014/10/16
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